記念すべき18歳クルマは三菱スタリオン。そのルーツとは？

　免許を取ったのが1991年だったから、世はバブルの真っ只中。クルマ業界はそれこそヴィンテージ・イヤーでNSXやらセルシオやら、R32 GT-Rにビート、FD型RX-7にユーノス・ロードスター、エスティマなど挙げたらキリがない程、後世に残したい名車が揃いも揃った時期なのに、初めて買うクルマは決めていました。それは、三菱スタリオン。今、スタリオンて告白すると、大概の人はわからないか笑ってくれるのだけれど、私にとっては夢のクルマだったんですね。

ルーツはブラウン管の中のカッコいいクルマたち

　そのルーツとはズバリ、映画「キャノンボール2」。ジャッキー・チェンとともに日本チームとして登場したスタリオンはハイテク満載で、ボンドカーよろしく潜水もするわニトロでダッシュもしたし、（もちろん映画の中だけなのだが）スタリオンはキャノンボール2ではオリンピック日本代表的扱いだったんですね。
もうひとつは刑事ドラマの「ゴリラ」。ご存知ガルウイングとブリスターフェンダーで構えたスタイルはしびれました。父親が当時から三菱自動車に乗り継いでいたから、それと連携してテレビに登場する三菱車に共感を抱いていたんでしょう。思えば「噂の刑事トミーとマツ」も三菱車の設定だったから、尚更でした。
　つい最近、英BBCの「トップギア」でダッジブランドのコンクエストだったか、うろ覚えですが登場していて感激。哀川翔さん出演の映画「SS エスエス」に4WDスタリオンが登場する等、少なからずも露出はあるようで、これまた嬉しい限り。

　前述の通り免許を取ったのが1991年の10月。テレビからの影響が強い憧れのクルマは80年台のクルマですね。太陽に吠えろ！ではセリカXXに、初代ソアラ2.8GTとか登場してたまらなくカッコ良く映れば、一方で西武警察では鉄仮面スカイラインRSやZ31、シルビアはちょっと違って、私はアンチ日産だった。なんで？分からないけど、トヨタは知的で、家電やコンピュータの香りがプンと伝わってくるのに対し日産はアグレッシブで野蛮な感じがしたので子供の頃のワタクシとしてはトヨタの方が好きだったのだろう。そこがちょっとデリケートで難しいところだ。当時のアニメ・電機系オタクの友人は何に乗ってたかな、走り系と高級車系にカテゴリが分かれてて、走り系だったら圧倒的にハチロクが人気があった。当時からもう旧車扱いだったけど。高級車系なら新車か中古のマークⅡ。ちょっとお金があるやつなら潔くY32セドグロだったね。

アニメのテイストを感じるスタリオン

　元来子供の頃からステレオやらテレビやらが好きで、半田ごてを握りラジオとかも作っていたのだけれど、家電が好きで、同時に見ていたアニメは宇宙戦艦ヤマトとか銀河鉄道999などのSFもの。この影響が大きい。自分で所有し、運転する乗り物にはそれなりに想いがあるもので、照明がついたボタンがいっぱい並んでいるクルマに憧れを抱いていたのだ。私が買ったスタリオンGSR-Vは、そんなに電飾系ピカピカでもなかったのだけれど、当時三菱車全般がシトロエンGSのように宇宙船的な内装デザインで、子供っぽいといえばそれまでなんだけれどむしろ子供だったんだから案配で、当時からイグニッションを捻ったら、松本零士ばりにメーターの照明が順番に点灯するクルマはないかと思っていた。あ、勿論、全部点灯して針が振れた後にウォーミングアップ音がした後にエンジン・スタートするのがよろしい。この感覚ってやっぱりアニメ系か？それはそうで、喜んで。


あまり乗れなかったスタリオン

　諸費用込みで90万円近くで買ってきたスタリオンGSR-Vは、グロス値で175psと、SOHCとしては結構速く感じた。この時は学生で、遊びにしか使わなかったから、色んなトコに行った。それでもボーリングとかカラオケとかファミレスとかその辺。でもスタリオンにチェーンを巻いて、3人で奥美濃へスキーに行ったこともあった。峠族のギャラリーにも行ったし、日中クルマを使ってよく出掛けていたものだ。でもスタリオンを使ってスポーツドライブすることはなかったですね。部品を買うお金が無かったから。

　可愛そうな結末があって、当時父親が乗っていたギャランΣと同じトラブルが襲いました。オルタネータの故障と、極め付けがパワステのオイルが廻らず、駆動が伝達されない合併症でポンプ系が続々と壊れ始めた。殆どオモステで走った時もあって、そんなこんなで結局1年も乗れなかった記憶があります。それでも、2万キロは走りこんだんじゃないかな。そして廃車になってしまうのでした。

　社会人になるとGSR-VR乗りで今でいうオフ会を結成していた人に出会い、ツーリングやら何やらによく着いていったものでした。私はGSR-Vに乗っていたから憧れはやはりGSR-VR。当時中古で130万円くらいで、もう一回買うというわけにはいかなかったんです。今ではスタリオンに関するコミュニティは疎遠になりましたが、
イベント等でお見かけした時には是非ともオーナーさんに話しかけますのでその時は宜しくお願いします。



（2007年3月16日）
（2015年5月27日加筆）