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2008年12月29日 イイね!

それでもRisaは笑ってる・・・Ⅱ

それでもRisaは笑ってる・・・Ⅱ雨があがってホォ~ッとした。

もし止まなかったら・・・

しばし一人砂場でお手製の着せ替え人形で遊ぶ。
ドレスの生地は三着とも雑誌の切り抜きだがRisaのイマジネーションにかざして見るとミスユニバースの美女がまとう極彩色にきらめくドレスになる。
勿論ドレスを纏うのはRisa本人である。

それでもお腹のベルじゃなくランチタイム終了のベルが早く鳴らないかなぁ~とも思う・・・。
食欲を猛烈に刺激する香りをイマジネーションで噴き飛ばし、はしゃぐクラスメートたちの声が一段落するのを待っつ。

ミス・ユニバースのRisaはランチは食べない。

毎朝4:00から6:30まで働いている。
市場での仕事は気に入っている。
魚を洗ったり、牡蠣をむいたり、井戸でバケツに水を汲み市場の床を流し洗う仕事以外は・・・。

臭いのや様々な食材の切れ端がドロドロに散乱しているのは我慢できるけれど、天秤棒で運ぶ二つのバケツに水を汲んで雑踏の中を100mも10回は運ばなければならない。
様々な人たちで込み合う市場の人ごみの中を運ぶのでなければ・・・渾身の力でポンプを引き下げて汲んだ水が半分以上もこぼれなければ・・・。
転ぶ時だってある・・・怒鳴られる時だってある・・・
でも一番困るのは転んだ時にTシャツやショートパンツが破れてしまうことだ。洗って洗ってどの生地も薄く繊細になっているのだから・・・。

市場には様々な音楽が流れているし運のいい日には様々な食べ物が貰えたり、届けようにも届けられない裸のお札が落ちていたりする。

いつか教会の前で蝋燭売りのお婆ちゃんの手伝いをした時に、持ち主を探せない落ちてたお金”の処遇を恐る恐る聞いたことがある。
すると「神様がRisaに下さったのだよ」と話してくれた。それからは、拾った場所に一番近いお店のセニョールに渡すのをやめた。

毎日Risaに、その日の仕事を言いつけてくれたセニョールかセニョリータが、もし朝食をご馳走してくれたなら、帰ってからの自分の朝ごはんを4人の小さな怪獣たちに分けて食べさせてやる事が出来るし、それが運が良ければ日曜日の夜にだけ食べれるかも知れない“肉”のおかずだったなら食べる素振りをしてそっと持ち帰ることだって出来る。

そんな日のRisaの朝食の一番のおかずは4人のチビたちの笑顔だし、自分が食べれなくたっていつも傍にいると信じているお母さんやお父さんが褒めてくれる気がして誇らしくさえある。

「食べ物が無い日は花をつまんで水を飲むとお腹がいっぱいになるんだよ」って教えてくれた。
そして今日もRisaは笑ってる。

・・・・・・・To be continued.






Posted at 2008/12/29 12:08:18 | コメント(4) | トラックバック(0) | 独り言 | 日記
2008年12月03日 イイね!

それでもRisaは笑ってる・・・Ⅰ

それでもRisaは笑ってる・・・Ⅰ右の腕には少し大きな傷跡がある。

「お姉ちゃん逃げてぇ!!」
4人の大小のチビ達がお姉ちゃんの身を案じて叫んだ。

Risaだって諸手をあげて逃げたいのだが、チビ達に熟れた果実を一口だけじゃなくて一個ずつ手渡してやりたくて必死にTシャツのすそを握り締めた。

へそを出し手繰りあげられたTシャツの中には4個の熟れた果実がその芳醇な香りを漂わせながらRisaの胸に抱かれている。

「あっ・・・」素早く降り立ち、家ネコに追われる子ねずみのように走る4人のチビ達の後を追うつもりが足を掛けた甘味をたわわに実らせた枝が折れて、すべり落ちるRisaの腕を引き裂いた。

痛くは無かった・・・ただ穴の空いてない唯一のTシャツの破れと、果実の持ち主の形相と、チビ達の遁走の結果が心配だった。

果実の持ち主は険しい形相ではあったが何故か見逃してくれた。
「今度盗んだら警察を呼ぶぞ!!」と叫んだのだが。

4人のチビたちは心配顔で「痛い?」「血が出てるよ!」「大丈夫?」とかいいながらも・・・見上げていた憧れの甘味をお姉ちゃんから貰ってかぶりついた。

Risaは自分の開放された左手を見て急に痛くなった。
心配だったTシャツには微かな血しか付いていないかわりに伸ばした手のひら程の長さで切り裂かれ血が出ている。

4人の内の2番目と3番目が井戸のジャッキから伸びた手押し棒にぶら下がるようにして水をくみ出してくれる・・・
後の二人は食べるところが無くなった甘味の芯を右手に握ったまま心配そうにRisaの腕を一心に見ている。井戸の手押し棒に届かない二人は泣き出しそうな顔で。

おじさんの家で何とか養われているRisa達には井戸の水だけが常備薬なのだ。
痛くて痛くてたまらなかったし涙が流れてきてしまったけど「あぁ~痛かったぁ」と心配顔の4人に言い放った。

早く大きくなって働いて、この4人に10個づつ甘味を手渡してあげたいとだけ激痛の中で思った。決して自分の分をもぎ取ることが出来なかったことは悔やまず・・・。

そのRisaは今、彩の国に住んでいる。
ハセキョンにそっくりなお母さんなのだ。
どんなことがあっても笑おうとするし優しくて強い。
40歳をすぎているのに美しい。何とも美しい。


Risaのお話は・・・
To be continued.


Posted at 2008/12/03 11:36:04 | コメント(12) | トラックバック(0) | 徒然人 | 日記

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