
吾輩はチョメ太である。
名前は便宜上つけられたものがあるが、ここでは伏せておく。
生まれたすぐはどこで生まれたか記憶はしてないが。
生まれて間もなく人間の言葉を解することができた。
解するといっても、大人どもは大した言葉など投げかけてこない。
こちらを赤ん坊だと思ってなめているのである。
生まれたばかりの時は、自由に動くことが出来ず
天井ばかり見ていた。
大人たちは時々、こちらの顔を覗き込んで様子を伺っていた。
吾輩には大人の考えることが読めていた。
こっちが大人しくしていれば、機嫌がいいのである。
単純な生き物である。
その当時は、身体を動かすことも声を発することもできず
とにかく眠るだけの生活をおくっていた。