Mac mini M4のスペックを見ていたら
Rosetta 2 x86-Emulationという機能を見つけました。
このRosetta 2とは、元はRosetta(1)があったわけですが、過去のMacの用いていたプロセッサのエミュレーション、つまりフリをしてくれて、プログラムの過去互換性をある程度サポートするというしかけです。そういう機能をAppleは自社製のプロセッサなのでメインのチップに仕込む事が可能なのです。
Rosetta(1)の場合はWikipediaでは「2004年、MacintoshがPowerPCからインテルアーキテクチャへ移行することに伴い、従来のバイナリの互換性を維持するためにPowerPC用プログラムコードをインテル用コードに変換するRosettaが開発され、Appleの発注を受け仮想化ミドルウエア開発で実績のある米Transitive(2009年にIBMが買収)の技術が導入された。」とあります。
「Rosettaを利用した場合、たとえ最新のCore i7でも、PowerPC時代のPower Macと比べても性能はそれほど伸びない。」とされ、(1)はあまり評判がよくなかった事が窺い知れます。ところが2は案外評判が良かった。「Rosetta 2はAppleシリコンを搭載したコンピューターでもインテル向けアプリケーションを実行できるソフトウェアとして発表」されました。この説明では1と同様に「ソフトウェアで」とあるが、続く項目に「Rosettaとは異なりインストール時にARMプログラムに変換する機能が実装された」とあります。これが今回のお題のRosetta 2 x86-Emulationな訳です。OSとメインのチップとが協調して実現している。
しかし「Intel MacのサポートはmacOS Tahoe 26までとし、macOS 27を最後にRosetta 2を廃止すると発表した」という訳で、macOS27までの期間、すなわちこのMac mini M4に関しては買ってすぐにmacOS26になったわけですが、今後約1年間はソフトウェアとしてのintel Mac用ソフトウェアの互換性は確保されるという事です。その後は、結局Rosetta 2 x86-Emulationは無用の長物になってしまうのか。ソフトウェアとしてのOS側のサポートが無いなら仕方ないですよね。
これはどういう事かというと、2024年にソフトウェアとしての継続を断念してしまった楽譜ソフトFinaleというモノがあり、知り合いが使い続けているわけですが、多分AppleSilicon、すなわちARMのM4Macなどには最適化されてなくて、Rosetta 2の助けを借りて来たのではないかと思うわけですが、そういうソフト(プロ用で、数万円もして、かなり有名でしたFinale)がどん詰まりで使えない状態に陥るという事です。
で、実は知り合いのプロのミュージシャンに2020年にMacbookAir intelと、このFinaleの組み合わせを私はお勧めしたのでした。知り合いはすんなりMacbookAirを購入。数か月以内にApple M1搭載のMacbookAirが出まして、その時点でM1Macは大成功。故障した機械を勧めたわけではないけれど、M1は大人気大活躍のマシンで、intel Macは確実に動くが目立つ事もなく普通で、ちょっと申し訳ない事をした様な引け目があったわけですが、その上Finaleの廃業の一件。ソフトウェアの使い方を覚えるだけでも結構時間を食う大事でテクニックの消滅は大問題。更にはFinale上で作られた沢山の楽譜の資産がそのままでは使いまわしできなくなりかねないという重大問題。多分汎用のファイル形式への書き出しは出来て、それでやりとりすれば何とかできないわけではないとは思うが、それもいちいちやるのは面倒。まぁ業界第一のアプリが廃業するなんて思いもしなかったものではあるけれど。
これがWindows版(Mac/Windows両用なので存在します)ならまだマシ。古いサポートの切れたWindows用アプリでも、そのまま使い続けてWindows11が亡んだら別にWindows12の新PCに移せばそれで使える(バックアップのインストーラーは必要だし、もしかしたら販売メーカーとインストーラーが通信する必要があったりして、そのメーカーが廃業してたらアカウントが作れないという落とし穴もゼロではないが)。それでもこのRosetta 2の様なOSが勝手にサポート打ち切りなんて事はMicrosoftはしなさそうなので、そこだけでも大違いなのです。
Posted at 2025/12/07 10:19:46 | |
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