一発屋と言えば年末なんかによくやる懐メロ番組や”あの人は今”みたいな特番でで「あー、こんなヤツいたなー」なんて懐かしく思い出す歌手やタレントなんかが皆さんにもおられると思います、ワタクシめの世代、歌手では尾崎紀世彦、三善英二とか…
他にクリスタル・キング、もんた&ブラザーズに久保田沙紀、KANとかetc…
結構「一発屋」、多いですよねー!ただ歌い手さんとは違いクルマの場合はヒットしないから一発屋になる訳でそれからすると名前上げた歌い手さんは大ヒットがありますから失礼ですね(;^_^A
まー、そんな訳で主に一代限りでこの世を去った悲運のモデルをUPしてゆきますが何せおぼろげな記憶(忘れた部分はwikiの力も借りますが…)なので不正確、誤認がある場合もあるかもしれませんがご容赦願いますm(_ _)m
栄えある第一弾は我が三菱の最大失敗作(?)と言われた『コルディア・トレディア』を引っ張り出させて頂きました!!
コルディア=クーペ、トレディア=セダンという全く同じクルマ、ちょうどセダンのギャラン/エテルナΣ、HTのギャラン/エテルナΛに次いでボディスタイルで名前を分ける手法が取られました、先輩車種がこれにて大成功を収めたのであやかりたかったのでしょうが…
コルディア・トレディアは両車とも非常に重要な役割を持たせて三菱が結構気合入れて82年2月にデビューさせたモノ、コルディアは6年に渡って三菱のエントリー・スペシャリティカーとして広く認知されていたランサー・セレステの後続モデル、トレディアはちょうど小型ファミリーカーがFR→FFに転換してゆく中で79年に発売された旧態FRのランサーEXに近い将来、取って替わりランサー/ミラージュとギャラン/エテルナ系の間、ミディアムクラスを担い量販車種として大きな期待が寄せられていました。
特にコルディアは『XG』と『XP』の2タイプを設定、XG=ギャラン店(ギャランのG)、XP=カープラザ店(カープラザのP)と分けて併売するという力の入れよう!但し外観上の顔の化粧違いというだけのものでXGがグリル付、XPがグリルレスというだけのものでした!
尚、トレディアはランサーEXが存在するギャラン店には設定なくカープラザ専売モデル。
ギャラン店向けコルディアXG (82/2~83/7)
カープラザ向けコルディアXP (82/2~83/7)
両車は当時FFはまだミラージュのみのラインナップだった為下級ながらこれベースで開発、この為エンジンはミラージュ同様横置きとされた1600cc G32B 1キャブ、1600ターボ付G32B 1キャブと1800ccのG62B 1キャブの3種類(トレディアには1400cc G12Bも設定)で特筆すべきは当時でも既に電子燃料噴射装置が当たり前になっており三菱も既に『ECI』としてΣ/ΛやランサーEXターボ等に採用していたがスポーツグレードであるターボ付でもキャブレーター仕様だったという点!
今振り返ればもっともNAから遠い存在のターボでありながらNAの基本みたいなキャブレーター仕様と言う何とも解せない設定でしたが横置きエンジン+ECI化の体制(スペース不足等も含む)が取れていなかったとの噂でしたねー…
尚この時期、三菱=ターボというイメージ化に必死の時期で親会社の三菱重工製ターボチャージャーを最大にアピール!日産やトヨタが米国製ターボを搭載していたのに対し“内製”を強調してました。
Σ/Λの2000/2300ディーゼルから始まり1800(ランサー)、550(ミニカ)、1400(ミラージュ)に次いで全ての車種にターボを搭載する、“フルラインターボ”をこのコルディア・トレディアで完成させていました。
またもう一点、スポ車=5速MTが常識なところにターボモデルにもミラージュの最大の売りだった副変速機=スーパーシフト(4速のみ)を採用、使いようによっては8段ギアとなるこのスーパーシフトはミラージュ登場時には大いに話題になりながらも“どのギアで走ればいいか分かんねー”的に評判を落とし2代目ミラージュ初期及びこのコルディア・トレディアのみで終了しています…。
このような意気込みで発売されたコルディア・トレディアでしたがコルディアこそターボモデルは1tに満たない軽量ボディと115psのターボエンジンの俊足さ(当時のライバルで標的とされていたTE71レビン/トレノ=同排気量、同馬力 これと乗り較べてみてもその差は驚くモノでさすが”ドッカン”TURBOパワーと驚いたモノでした!)その俊足から一定の注目は浴びたがセダンボディのトレディアは当初から”鳴かず飛ばず”といった感じでした。
コルディア・トレディアとも初期型は何となく野暮ったく派手さがないおとなしいイメージ、特にトレデイアは今振り返ればヨーロッパ調のシックな点も美点だと思えますが当時の日本人はスポ車なら派手、セダンならアメリカン的キンキラ豪華のイメージがないとウけない時代だったのでこうした点が低迷した理由であると分析した三菱、両車を早くも83年7~10月にマイナーチェンジします。
83年7月、マイチェンで中期型となったコルディア (83/7~84/10)
83年10月、マイチェンで中期型となったトレディア (83/10~84/10)
まずコルディアではXG、XPと分けていたものを統一、旧XGのグリルをより精悍にし迫力を強めました。
一方のトレディアはそれまでミラージュ/ランサーに近い、素っ気ない外観をモールの追加や意匠変更で上級Σに近づけた豪華なイメージに振り廉価版1400を廃止してます。
尚、両車ともターボモデルが1600キャブ→1800ECIとなり135psにハイパワー化、パートタイムながら三菱乗用(セダンタイプ)としては初の4WDモデルをトレディアにこのマイチェン時(83/10)に追加、コルディアには84/10=最終型マイチェン時に追加(この時、コルディアはFFと1600モデルを廃止し18004WDターボモデルのGTターボGSRターボの2車種に整理)等パワーアップと豪華/スポーツイメージを高めテコ入れ、販売UPを期待しますが劇的な改善を見る事はなく当時、あまりにも初期型の”野暮ったい”印象が拭えなかった記憶が鮮明です。
4WDはまだまだクロカンのイメージが強い時代でスポーツ4駆が浸透する以前のモデル(先駆けと言えますが…)だった為イメージUPには役立たなかったようですねー、コルディア4WDのグリルは所謂”ガンダム・ルック”化、これもゴツいイメージがやはりクロカン4駆のような印象でとても他スポーツモデルの流麗さは感じられずかえって悪い結果を招いていたように感じます…
またこの時代はAE86のレビン/トレノがデビューし大人気となり同じ三菱の同じ1800G62Bターボのランサーターボがインタークーラー付160psにパワーUPされたり伏兵であるいすゞジェミニのZZ、日産FJ20 4バルブDOHC(ターボ化)搭載のスカイラインRSシリーズやシルビア/ガゼール等、スポ車の話題には事欠かない時代でそんな中、出だしから地味なコルディアは浮上する事はできませんでした。
84年10月、1800ターボ4WDモデルに整理された最終型コルディアとそのインパネ(84/10~87)
トレディアも84/10に最終型にマイチェンされ前回のマイチェンよりもさらに派手、豪華に変貌、上級Σの豪華仕様で一定の人気があったエクシードや~エクストラ、また更にその上級のS11/12デボネア等の意匠にそっくりになり85年頃からは怒涛なる、半ばヤケクソ気味に特別仕様車が発売されます。
最終型トレディア(84/10~87)
しかしこうした改良、モデル追加もむなしく両車の人気、販売は上向く事なく元々一部にしか需要を見込んでいないコルディアは発売3年の85年頃からはほぼ放置プレイ状態、一方のトレディアはセダンという事から何とか一定の需要は取りたかったのか最終年の87年春頃までは『最後のあがき』とも取れるような特別仕様を追加と頑張りましたが結局販売不振は最初から最後までつきまとい遂に87年秋口頃にひっそりとその姿を消す事になり『コルディア・トレディア』は車そのものも、ネーミングも一代限りで終了となりました、振り返れば時代のトレンドに乗り切れず見当違いの方向に必死に悪あがきをしていた印象だけが今となっては残りますが80年代後半~90年代にかけて本気で三菱が重要戦略車として気合を入れて発売しながらこの体たらくは『華麗なる一発屋 !!!』に相応しいと思っているのはワタクシめだけでしょうか。。。?
ただあえてフォローするとすれば『コルディア・トレディア』は三菱の期待した実績は残せなかったがこれらの立ち位置的に後続であるE30系ギャラン(87/10)はその後大人気を博し三菱ファンには今も忘れられない名車となっているのを考えると ~失敗は成功の元~ を文字通り表しておりこれの失敗がなければE30の成功はなかった!と個人的には考えてコルディア・トレディアの供養としてやりたいですネ(^^;)
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2017/08/13 15:37:58