
俺は「一台あれば楽だ」という理由で、友人からスクーターを入手した。
時代遅れの空冷2ストロークエンジンは、50ccの自主規制いっぱいの7.2psを発揮する。
前後に12インチのアルミ鋳造ホイールを装備し、足回りはSHOWA製の高剛性なもの。

それが、スズキZZ。
こいつが発売されて現役だった頃、俺はまだ高校生。
新車価格は20万近く、とてもじゃないけど手が届かなかった。
近所にZZの限定車、モビスターカラーのが居てすごく妬ましがった。
それから10年。
今や2ストロークのスクーターは一部のマニア以外からは淘汰され価格は暴落。
相場は下がっても、俺の中での価値は変わらない。
エンジンを組み直し、ポートを磨いた。
クランクにガタは無さそうだから小端部ベアリングを新品に、ピストンリングも新調。
コーナリングでの姿勢を作りやすいようにシートを薄く削る「アンコ抜き」も施した。

チャンバーは、馴染みのバイク解体屋さんで1000円で買った車種不明のモノを溶接加工して装着。
30~60km/hの実用域の加速が最高に気持ち良い、楽しいマシンになった。
最高速度は80km/h近くまで出るけど、それ以上は望まない方向で。
出来上がった車両をブン回すなら、やはりサーキットだろう。

仲間2人と、宮城県村田町にあるサザンサーキットへ乗り込んだ。
以前乗っていたNS-1に、今度は挑む側になった。
結果は惨敗。加速では突き放され、スクーターが得意とするインフィールドではバイクの限界に対してライダーの動きが忙しくてなかなかスロットルを開けられない。
…そしてついに、禁断の仕様へとモディファイを開始する。
曲げるのではなく、曲がるマシンを目指してフレームを製作する事に。
とはいえ、1からフレームを作るのは信頼性に欠けるしノウハウもない。
そこでベースとなるフレームを用意する事にした。
車種は、今や希少車となったスズキの「GAG」だ。

↑これね。
GAGのフレームと、ZZのフレームをくっ付けて「普通のバイクのポジション」で乗れるスクーターを作ろうと言うわけ。

こいつらを一つに…

溶接合体!
足回りを組むと

こうなるわけだ(`・ω・´)
高剛性かつ軽量、そして最適なライディングポジションを追い求めたフレームが出来上がった。
燃料タンク、シートカウル、その他を組み付けて現在はこんな感じ。

スクーターってのは燃料タンクなど重量物が後方に集中しているため、ハンドリングが特殊なもの。
パーツレイアウトがフレームと共に変更された事により、扱いやすくよく曲がるマシンになってきた!
来月には仕上げて、またサーキットを走るぜ!
Posted at 2016/09/21 20:11:35 | |
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バイク(ZZ)