今日はドイツで見掛けた250SEクーペのご紹介で御座います。
よく、ドイツの物件を見ていると、この『Traumzustand』という文字が使われているのですが、
Traumが夢、Zustandが状態の意味ですから、
とにかく素晴らしいコンディションの事を指す言葉なのだろうと思われるのですよね。
で、ホンマかいな、、、と覗いて見るのですけれども、
これが私的には結構期待外れだったりする事が多いのですよね(苦笑)。
そんなわけで、近年ではそう書いてある物件に対して疑いつつ覗くようになっていて、
今回のもそういう感じでいたわけなのですが、
珍しく、期待に沿った状態の車両だったのでご紹介しようと思い立ったわけで御座います。
で、その車両がコチラ。
未レストアのオリジナルコンディションだそう。
画像を見る限りにおいても本当に不自然に感じる所のない
新車から綺麗に保たれて来た状態にあるように見える車両ですよね。
W111は(私のもですが)、リアバンパーを凹ませている車が多い中、
画像を見る限りではそれもなさそうでした。
たまにAUTOMATICが右側に付いている車両がありますが、
同時期のW108ではそれが正解でもW111では
このようにタイプ名の下に来るのが正解なんですよね。
全てが全てそうだとは言いませんが、右側にそれを持ってきている車両は
恐らくそのトランク蓋自体が他のマニュアル車から移植したもので、
タイプ名の位置はそのままに、右側に新しい穴を空けてそれを取り付けているのでは?
と思うのですよね。
また、それとは逆パターンでマニュアルで妙に高い位置にタイプ名がある車両もあるのですが、
その場合はAUTOMATICのプレートの穴だけを埋めた物じゃないかと思うのですよね(笑)。
内装革もオリジナル。
それなりに距離は走っているのでヤレもあり完璧ではないですが、
大事に扱われてきた事が伝わってくる状態ですね。
ある程度退色はしているとは思うけれど、結構汚れが目立ちやすい赤を
これだけ綺麗に保ってきているのは、
手入れの良さと(恐らく)車庫保管のなせる業でしょうね。
この絶妙な照り具合がイイんだよなぁ。
私もこんな感じに革に時代を付けたいなぁって思います。
あと、オリジナルの縫製の綺麗さがやっぱりイイですね。
使用によってある程度型崩れはしているけれど、それが全然見苦しくないですからね。
ダッシュボード
この角度から撮影出来るという事はサンルーフ付きか?と思ったら、
やっぱりダッシュボード上にスイッチがありますね。
断言は出来ませんが、ダッシュ正面のウッドパネルなんかも
新たに手を付けていないんじゃないかしら?という自然な綺麗さがあります。
一寸残念なのは1DINベッカーを入れてしまっている所と、
ダッシュ下に近代的なオーディオデッキを入れてしまって居る所ですね。
後者は取り外せばよい事なのですが、1DINベッカーはウッドパネルと
その下のダッシュのベースパネルを切開しないと入らない筈なので、
元には戻せませんからねぇ…。
ベッカーのツマミを薄いベッカー用の小さいものにしている事からして、
オーナーは拘っている人だったのだろうなぁと思うのですが、
そんな人が拘りの部分を押してまで1DINベッカーにしたわけですから、
どうしてもステレオにしたかったのだろうなぁ、、、なんて思ったりする所であります(笑)。
リアシートとハットシェルフ
リアシートも好い雰囲気ですね~。
私のなんか、張替え前は、ハットシェルフ側の陽に当たる面が
思いっきり焼けてしまっていましたし、縫製もほつれまくりでしたが、
この車はそんな気配が全くありません。
ハットシェルフの廻りのガラスに沿った部分の革は
リアガラスの雨漏れを放置すると(だと思う)、
捲れたり縮んだりして見苦しい状態になる(私のもそうだった)のですが、
その辺りも綺麗な状態が保たれているように見受けられますね~。
ここにあるスピーカーは恐らくMBのものではないだろうと思うのですが、
時代的に合った雰囲気の物を使用していて好感の持てる所であります。
ドアとクウォーターパネルの内張り
ドアの内張りはオリジナルだと、
ドアポケットの下の方で雨染みが見受けられる事が多いのですが、
この車は鬼のように綺麗ですよね(汗)。
また、2ドアなので、どうしてもここで靴を擦ってしまうのですが、
そのような傷も見受けられませんし、
汚れや傷が付き辛いだろうと思われるクウォーターパネルの内張りと
状態に遜色がないのは素晴らしいことだと思います。
クウォーターパネル前側のピラーを覆っている部分にはメクラキャップが付いていますが、
その周りには円弧状の跡がありますので、
これは元々付いていたシートベルトを外しちゃったのでしょうね(笑)。
私のもシートベルトはこの位置にアンカーポイントがあるのですが、
何時からかは良く判っていませんけれども、
後年にはここの内張りの上縁パネル上前方の
外から見える位置にそれが設置されるようになります。
この位置だと肩から低過ぎて、シートベルトがずり落ちてしまうのですよね(笑)。
メーター
01130kmになっていますが、一回りしたところだそうです。
各所の状態からすれば信用に足りる所ですね。
250SEだから、ワイパースイッチはウインカー内臓の筈ですが、
220SEb同様にライトスイッチの左隣に何故か押し引きタイプのスイッチが…。
ひょっとすると、ハザードスイッチなのかなァという気がしないでもないですが、
確か250SEのそれって、スイッチの固定ナットの周りに
それを示す赤い輪っかが付いたような気がするのですけどね~。
シフトレバーとシートスライドレバー
250SEからはATのシフトレバーが
(基本はコラムらしく、有償オプションかどうかは判らないけれど)
このようにフロアも選べるようになったわけですが、
私の好みから行くと、2ドアモデルはフロアの方がイイナァって思うのですよねぇ。
シートスライドは、220SEbまでは小さなノブの付いたレバーを
クイッと回してロック解除ですが、
250SEからはこのような形状のレバーを上に引き揚げる方式に改められています。
シート間のウッドトレイ、通常なら縁の上面は黒塗りで誤魔化しちゃいそうな所ですが、
ここにまで突板を張って模様を見せようという芸の細かさは素晴らしいですよね(笑)。
トランク
何の飾りっ気もない所がMBらしい所ですよね。
カーペットとか敷きたくなってしまう所を敷いてない所が潔くて良いですね。
トランク内の塗装も、オリジナルはこんな風だったのだろうなぁという状態ですよね。
蓋の黄色いステッカーってなんだろう?
エンジンルーム
このように保ちたいと思わせる、お手本のような状態のエンジンルームですね。
金色のクロメートっ気がないのは色が抜けたのか、元々使っていないのか…。
なんか、こういう自然な雰囲気がある車に金色っ気が無いのを見ると、
エンジンレストア時には白色クロメートを使った方がイイのかもな、、、
という気がしてきますね。
しっかし、私のもエンジンルームの塗装をしている訳ですが、
どうしたらこんな状態を保てるのだろう?と思わずには居られないくらい、
私のより綺麗な状態にあるような気がします。
そんな中、ブレーキブースターホース(←どうも最近ここら辺が気になる…苦笑)の
それそのもの自体のコンディションは一寸判らないものの、
ワンウェイバルブが当時物と思しきものを使っているのにはちとビックリであります。
私が220君を買って、先ず最初に手を付けたのがブレーキ系だったのですけれども、
その時点で付いていたのが先日の250SEと同様に多分これと同じタイプの物で、
その時私が交換したのが新しい方のタイプでしたから、
少なくとも23年近くは交換していないことになりますからね。
私が10年毎に交換している勘定になっているところを、
50年以上の間、一度もブレーキブースターを交換していない事はあり得ない所でしょうから、
この辺りってやっぱり一緒に交換しない物だったりするのですね(汗)。
色味のある色の方が好きな私としてはその点が気になる所ではありますけれども、
これだけオリジナルのコンディションを保っている上に
サンルーフが付いているというのはイイナァと思わせるものがありますね~。
さて、気になるお値段で御座いますが、89950ユーロだそうです(汗)。
今日のレートで1170万円弱!
うひょー、けっこー強気だなァ、、、という感じですね。
ビカビカは無理でもそこそこの状態の3.5クーペが
射程に入ってくるお値段ですからね。
個人的には納得がいかない事はないけれども、
220好きの私だったら、サンルーフは無いけど(笑)、国内にあるし、
間違いなく先日の銀星さんの220を選ぶだろうなぁ。