12月23日(水) 2日目
機内食もアメリカ風味になりました。
パンは保存食として何かと便利なので食べないで取っておくことにします。
ブエノスアイレスまでのフライトは11時間。
出発が遅れただけに、是非急いで欲しいところです。
と、思っていたらけっこう飛行機が揺れます。
そして機内モニターに表示されている対地スピードを見ていると、対地速度850kmから750kmあたりにぐんぐん落ちていきます。
それにあわせて、到着までに必要な時間が1時間単位で伸びます。
(現地の時刻とか到着予定時刻が表示されないので、都度自分で到着予定時刻を割り出さなければなりません)
このままでは到着してから乗り換えの時間が3時間切ってしまいます。
万が一乗り遅れたとすると、その日の後の便は無いので、そのままブエノスアイレス観光確定です。(しかも、キャンセル手数料付き)
ヤバイです、ヤバすぎです。。。
揺れが収まると、スピードが徐々にあがり、それにあわせて到着までにかかる時間も減って行きますが、確実に揺れが始まるより前に比べて少しだけ増えている気がします。
飛行機の対地速度なんてこれまで気にしたこともなかったのですが、このときばかりは、その上下に一喜一憂させられます。
そして、そんなことをしているうちに南米大陸の上空まで来ました。
アマゾンの上空を飛んでいると思うのですが、雲に覆われていて地上の様子を伺うことは出来ません。
良い感じに積乱雲が沸き上がってますね。
雲が取れてジャングルの様子が見えてきました。
アマゾン川かどうかはわかりませんが、いくつもの川が蛇行している様子が見て取れます。
朝食(おやつ?)はアップルパイにヨーグルト。
飽きもせず窓の外を見ていますが、やはり気になるのは到着時刻。
相変わらず飛行機の対地スピードの上下に一喜一憂してます。
そう言えば、イグアスってあの雲の下方向なんですよね~。
天気、大丈夫でしょうか?
(天気予報では毎日雷雨のマーク。まぁ、イグアスは熱帯雨林の中の滝で、雨量があっての迫力の水量ですからね)
それからしばらくして機内アナウンスが流れます。
「当機はまもなく最終の着陸体制に入ります。ブエノスアイレスへの到着予定時刻は11時20分、(以下略)」
ん?
今、11時って言った??
あわてて、今まで一言も口を利かなかった隣のおじさんに到着予定時刻を確認します。
すると、やはり11時20分とのこと。
なんと、「地球の歩き方」にはブエノスアイレスはサマータイムがあるって書いてあったけど、どうやら今年は無いのかまだ始まっていないらしいです。(後ほど調べたところによると、今年はサマータイム無しのようでした)
やった~、これなら乗継ぎに4時間ぐらい時間がとれる!
隣のおじさん、腕時計に
カシオのプロトレックをしていて、時刻の変更方法がわからないみたいだったので、乗り継ぎ時間の件もあって、喜び勇んで変更してさしあげました。
私も
カシオの潜水王をしていたので、カシオは良いよねぇって話で盛り上がります。
おじさんもてっきり山に登るのかと思って聞いてみたら、飛行機の中で気圧がどう変わるか知るためにしているんだとか。
マニアックな使い方もあるもんです。
ちなみに、おじさんは、息子さん(近くの席には座っていなかったのですが)とアルゼンチン旅行に来たとのこと。
親父と二人で海外旅行、今なら親孝行としてできますが、昔だったら考えられなかっただろうなぁ。
と言うわけで、意外や意外、出発時刻の遅れや、揺れによるスピードの減少もなんのその、定刻より15分遅れでブエノスアイレスに到着。
(赤道付近での揺れは想定の範囲内だったのでしょうね)
さすが地球の反対側、自宅を出発してから36時間経ちました。
空港施設に入ると、ワシントンとは間逆でかなり暑いので、上着を脱いで半袖になります。
免税品店を抜けてから入国審査です。
並ぶ列は最後まで1列になっていて、先頭に並んでいる人の前にある電光掲示板にチャイムと共に番号が表示されたら、そのカウンターに行くシステムです。
(南米なのに案外システマチック)
ところがこの列の進みが遅く、途中でアルゼンチン市民のカウンターが外人向けに解放されなかったら、軽く1時間以上かかるところでした。地球の歩き方にはスムーズに入国できるって書いてあったんだけどなぁ。
入国審査では、日本人だとわかると
「コンニチワ」
とカタコトの日本語で挨拶された以外は、特に質問も無くスムーズに終わりました。
(日本人はスムーズに入国できるらしいです)
到着してから時間が経っていたので、荷物はターンテーブルから降ろされ、すでに脇の方に並べて置いてありました。
カバンのカドがベッコリ凹んでいたのですが、これは気にしてもしょうがないですね。
税関も特に問題なく通過し、いよいよ国内線空港、通称「アエロパルケ」への移動です。
本当は空港で両替をしたかったのですが、税関過ぎてすぐの所にレミースと呼ばれるハイヤーのカウンターがあって、その先に出たら入れない自動ドアがあったので、先にレミースの申し込みをすることにします。
レミースは前払いですが、ドルやクレジットカードが使えるから両替前でも大丈夫でしょう。
写真に写っているレンタカー以外の窓口がレミース各社の窓口です。
たくさんあるカウンターの中から適当に選んで申し込み手続きをします。
事前に相場は知っていたのですが、アエロパルケまで115ペソ(2700円ぐらい)です。
一応ディスカウント出来るか聞いてみたら、即答でノー。
メータータクシーやシャトルバス、普通の市内バスなら、もっと安く移動できますが、安全と時間を考えれば他に選択肢はありません。
申し込みをした後、クレジットカードで代金を支払い、運転手さんが来るのを待ちます。
程なく運転手さんが現れ、カウンターの中から「そちらのドアの方へ」と合図をしたので、出たら入れない自動ドアを出ます。
運転手さんは私ともう一人のお客さんの荷物を持ってくれ、すたすたとレミースの方へと歩いていくので、あわてて付いていきます。
両替を・・・と言いたかったのですが、その前に空港から外に出てしまいました。
空港の外に出るとモワっとした熱気に襲われます。
左前方に写っている両手に旅行カバンを引っ張っている人が私ともう一人(写真左)のお客さんの荷物を運ぶ運転手さん。
ただの乗用車にしか見えませんが、これがレミースです。
もう一人のお客さんとは別々のレミースに乗るようです。
本当は助手席に座りたかったのですが、後ろのドアを開けてくれたので素直にそちらに乗り込みます。
話に聞いてはいましたが、時速130kmがデフォルトです。
と、思ったら高速道路の制限速度が(区間にもよりますが)130kmなんですね。
高速道路の脇は芝生になっていて、皆さん思い思いに木陰で休んでます。
高速道路との境には何もありませんし、これには驚きました。
あと、古い車が現役バリバリで走ってます。
よく壊れないなぁって思います。
(けっこう、壊れて立ち往生している車も居ましたけど)
料金所が見えてきました。
ETCみたいなのが付いているので、このレミースはスルーパスです。
というか、この景色、どこかで見たことあるなぁと思っていたのですが・・・
中国に似てるんです。
やはり貧富の差が激しいのでしょうね、郊外はこんな景色が延々続きます。
ヨーロッパと一緒で、日本車はほとんど走っていません。
探して探して、ようやく1台見つけられるレベルです。
逆に古いヨーロッパ車の博物館みたいで、見ていて飽きません。
(フランスとかだと、ここまで古い車、走っていませんからね)
トラックの後ろに80って数字が付いているのが見えますでしょうか?
バスだと60、トラックで80、ピックアップトラックで110。
どうやら制限速度が車種によって決まっているようで、そのシールを貼ることを義務づけられているようです。
高速を降りて市街道に入ってきました。
けっこう混んでいます。
あちらこちらで見かけた風船屋さん。
曇天には似合いませんね~。
イタリアでも見かけた赤い瓦屋根。
なんか日本を見ているみたいです。
実際に来てみないと、その国がどんな感じの景色なのかってわからないもんですね~。
普通の道路の制限速度が80kmってところでしょうか。
こういうトラックを見ていると、やはり思い出すのは中国。
とにかく見たことが無い車ばかりで興味が尽きません。
ようやくカメラに収めた日本車。
トヨタカムリ。
最終的にはばっちり決めたスズキのスイフト含め、マツダ以外の車は一通り見つけた気がします。
逆にバイクはほとんど日本製です。
そう言えば、背中に「森園」ってデカデカと汚い字で書かれたTシャツを着ているライダーが居たのですが、写真を取り損ねました。
郊外から街中に入ってきました。
どこぞのサッカースタジアムでしょうか。
お、列車ですよ。
国際空港を出発してから1時間、アエロパルケに到着しました。他の方の旅行記ではレミースがぶっ飛ばすと30分で着くって書いてあったのですが、実際混んではいましたけど、倍の時間がかかってしまいました。
レミースに乗るときに何時の飛行機か聞かれたので、もしかしたら余裕があると思って下道をたくさん使われたのかもしれません。
イグアス行きの飛行機がオンタイムなのを確認し、まずは航空券を発券してもらうためにアルゼンチン航空のチケットカウンターに向かいます。
事前に英語とスペイン語(自動翻訳)で事情を書いた紙をスタッフに見せて、チケット発券手続きをお願いします。
うなづきながら受け取ってもらえたのですぐに終わるかと思ったら、何やらパソコンの前で首を傾げています。
いったい、何がマズイのかわからず、不安なまま時間だけが過ぎていきます。
あ~、やっぱりペナルティ払ってでも日本で発券しておくべきでした。
一度受け取った搭乗チケットを破いて捨てられたり、クレジットカードを手渡すこと数回、結局発券はなされず、若い男性係員は事務所の中に入ってしまいました。
すでに20分以上の時間が経っています。
最後にはベテラン女性スタッフが事務所から出てきて、発券手続きをしてくれました。
いったい何が問題だったのでしょう?
追加で支払ったのがUS270ドル。追加のイグアス往復分を考えれば、ペナルティの100ドルは払わないで済んだような気がします。
ありがとう、アルゼンチン航空日本支社のSさん!
やっと手に入れたチケットを持ってチェックインカウンターに向かうと。(英語で)座席の希望を聞かれたので、迷わず「右側の窓側」って答えておきました。
なぜ右側かと言いますと、着陸寸前にイグアスの滝が見られるらしいからです。
レミースで予定より30分、発券手続きで30分時間を使ってしまったので、乗継ぎの余裕はすっかり無くなってしまいました。
ひとまず見つけたATMでペソを少しキャッシングしておきます。
オンタイムって出ていたので、ちゃんと搭乗開始時刻前にゲートに行きました。
まだ搭乗が始まっていないようだったので、両替商に顔を出してみますが、例によってレートが悪そうなので、そのままゲートに戻って搭乗を待ちます。
イグアスまでの飛行機はこちらのダグラスMD-80。
ちゃんと、ボーディングタイムに呼び出しがかかります。
アルゼンチン航空、ちゃんとしてるじゃないですか。
(まだ、最初のフライトですが)
非常口のところの席だったので、テーブルは外されていますが、足元は広々です。
(広々と言っても、1時間半のフライトなんですけどね)
定刻通りブエノスアイレスを出発。
一路プエルトイグアス空港を目指します。
何はともあれ、無事にここまで来られてよかったです。
1時間半のフライトですが機内食(サンドイッチ)が出ました。
テーブルが無いので、膝の上に置きます。
最初は遠くに雲を眺めていたのですが、
次第に雲の量が増えてきます。
う~ん、これはまさに積乱雲。
ありゃ~、スコールですよ。
しかも、飛行機は下降体制に入ってきてるので、到着地の天候は雨の可能性大です。
晴れ間と真っ黒な雲のコントラストが圧巻です。
遠くに煙が上がっているように見える場所がイグアスの滝です。
この後、電子機器使用禁止のアナウンスが流れたので写真は無いですが、思ったほどイグアスの滝の近くは飛ばないようでした。
(考えてみたら当たり前ですよね)
予定通りプエルトイグアス空港に着陸しました。
空港はバケツをひっくり返したような雨です。
そう言えば、予約を入れていた宿から
「タクシーとかレミース(60~80ペソ)より安いツーリスト用のシャトルサービスがあるから、それを使うといいよ」
とメールが来ていたんだと思い出し、それを探してみます。
すると、到着ゲートを出てすぐのところに受付カウンターがありました。
そこで宿の名前を告げると15ペソ(350円)とのこと。大分安く済みました。
(これ、受付も目立たないので、知らないと普通にレミースとかタクシーに乗っちゃうと思います)
シャトルバスに乗ろうと空港から出て探してみると、それらしき大型バンがあったので、チケットを運転手に見せると、「満席だから」とだけ言われ、シャトルバス(というかバン)は目の前で走り去っていきました。
あわてて受付に戻ると、「そこでちょっと待ってて」と言われたので、どうやらちゃんと対応してもらえるみたいです。
結局、私と後から来た2名の男性客はこちらのミニバンで運んでもらうことになりました。
どうやらスコールはひとまず収まったようです。
後から来た西洋人の2名、カナダのトロントから来た若い男性で日本のポップカルチャー(アニメとかゲーム)が大好きらしく、質問攻めにあいます。
私としては窓の外の景色に興味深々なのですが、二人からの質問に一生懸命答えているうちに、バンはメインの道路を外れて建物の敷地へと入っていきます。
自分が予約した宿はプエルトイグアスの街中にあると思っていたので、てっきり二人の宿に着いたのかと思ったら、運転手が振り向いて告げた名前は私が予約した宿でした。
そして、こんなタイミングで大雨が降り始めます。
大雨の中プールではしゃぐ若者を横目に、びしょ濡れになりながら受付に駆け込みます。
ピンボケですが、受付です。
いわゆるドミトリー(相部屋)形式で一泊1000円以下の安宿ですが、妙に受付が立派です。
受付を済ませ、対応の良い男性スタッフから建物の使い方を一通り説明を受けます。シーツと鍵のデポジットで20ペソ(470円)余分に払わされ、鍵とシーツを翌朝チェックアウト時に戻すとお金が返ってくるシステムです。
鍵とシーツを受け取ると、一旦部屋に荷物を置きに行きます。
部屋には誰も居ませんでしたが、2段ベッドが3つ置かれた6人部屋で、すでに4人がチェックイン済み。ベッドの下の段はすでに誰かの荷物が置かれて抑えられていたので、選択の余地なく2段ベッドの上の方に荷物を置きます。
そう言えば、パスポート、チェックインするときに取り出した後、どうしたっけ・・・・
気になって確認すると、いつもしまっている場所に入っておらず、一気に顔から血の気が引きます。
そう言えば、さっき受付で宿泊申込書を書くときに従業員に勧められて食堂のテーブルでパスポートを出したんだ。
走って食堂に向かいますが、私が座ったテーブルにパスポートは見当たりません。
受付に行き「私のパスポート、見ませんでしたか?」と確認しますが、「見てないよ」との返事。
再び部屋に戻り念のためカバンの中をくまなく探すと、全然違う場所にしまってありました。
いやぁ、一人で焦りまくりました。
落ち着いてから気がついたのですが、どうやらワシントンで荷物を預けた後、もう一度カバンの中身をチェックされたみたいです。(「当局があなたのチェックをした」という紙切れが入っていたのですが、もしかしたら、ビーフジャーキーとかを没収されたときに、その紙を一緒に入混ぜられたのかもしれませんが、自分で荷物は入れた時にその紙を見た記憶がないです)
荷物を整理していると、東洋人の若い男性が部屋に入って来ました。お互い英語で「Hi」と挨拶したのですが、もしやと思い、日本語で話しかけてみると、案の定日本人でした。
彼はアメリカでMBA取得中の32歳、休みを利用して南米を旅行中とのこと。
普段から鍛えているのか筋骨隆々の体が眩しい感じです。(文武両道なんでしょうね)
彼は非常に好印象、爽やかな若者でしたが、基本的に旅の途中で日本人とは絡みたくないと思っているので、早々に部屋を出ます。
さて、今度こそ両替です。
ホステルの中でも両替が出来るのですが、受付で「街中と比べてレートはどう?」
と、尋ねると、街中の方が良いんじゃないかという返事。まぁ、そりゃぁそうでしょう。
夕飯も食べていないので、両替も兼ねて街まで出ることに決めます。
スタッフに歩いて街までどのぐらいか聞くと、なんと45分かかるとのこと。
う~ん、片道45分かぁ~。
ひとまず、道路まで出て少し歩いてみます。
雨は降っていませんが、遠くに稲妻が走り、雷の音が鳴ってます。
舗装してあるのは車道だけで、歩道(と言うか道路脇)はぬかるみです。
しかも、車は日本の高速道路並みのスピードで駆け抜けるので、恐いったらありゃしない感じです。
電線を見上げると、日本では見たことが無いような綺麗な鳥が居たので撮影。
隣のホテルの前で年配の夫婦の方が何かを待っているようだったので、ラテン系の顔の方だったのですが、英語で声をかけてみます。
すると、街中まで行くバスがあるので、それを待っているとのこと。
私もそれに乗れるのか尋ねると、「もちろん」という返事。
というわけで、一緒にバスを待つことにしました。
ちなみに、バス停なんて物はありません。
そして、待つこと10分、バスが遠くに見えました。
おじさんが、「あのバスだ」というジェスチャーをします。
そして、おじさんは道路の方に少し歩き、腕を水平に上げてバスに合図します。
なるほど、バスを停めるのにこうやって合図するのですね!
と、感心して見ている私と水平にびしっと腕を上げたおじさんの目の前を、バスはまったく減速することなく猛スピードで駆け抜けていきます。
なるほど、腕を上げても停まらないバスもあるのですね!
バスが駆け抜けた後、おじさんは振り向いて何やらスペイン語で言っているのですが、何を言っているのかさっぱりわかりません。
表情からして「あのバスではなかった」と言ったのだと勝手に解釈します。
というか、本当に我々が乗れるバス来るのですかね?
そして、次のバスにも同じように猛スピードでスルーされました。
不安な気持ちを抑えきれない中、三台目。
遠目に見ても、あきらかに長距離バスなので、おじさん自身も合図はしませんでした。
そして、あきらめ気味の四台目。
おじさんが腕を上げると、ライトをパッシングして減速を開始しながらこちらに寄ってきます。
おじさん、かっちょいい!
バスが目の前に止まると、おじさんとおばさんに続いてバスに乗り込み、二人に習ってお金を適当に2ペソ紙幣を運転手さんに渡します。
すると、おつりをくれたので、どうやらそれで足りたようです。(0.9ペソ、20円ぐらいだったでしょうか)
乗っているのはイグアスの滝から街に戻る人達でしょうか。
満席だったのでバスの前方に立ってますが、45分歩くよりは遥かにマシです。
バスにゆられる事15分、プエルトイグアスの街中にあるバスターミナルに到着しました。(19時)
ここでまたもや大雨が降ってきました。
一応折り畳みの傘を持って来ているのですが、ほとんど役に立たないとは思いつつ、傘を広げます。
さすが世界遺産、街中も観光バスがひっきりなしに走っています。
スペイン語は英語に似ているので、文字を読むぶんには、なんとなく意味がわかります。
(ファルマシア、薬局ですね)
しまった、バスに乗れるのならサンダルで来ればよかった!
道が川のようになっちゃっていて、靴がびしょ濡れです。
大雨の中、地球の歩き方に「両替商が多い」と書かれていた通りを目指します。
いかにも観光地の街と言う感じで、レストラン、観光案内所、薬局やスーパー、ホテルがずらりと並びます。
薬局とかスーパー、キオスコ(キオスク)はいくらでもあるのですが、肝心の両替商が見当たりません。
キオスコで尋ねて、ようやく一軒見つけました。
しかし、レートを見てみると、意外なことに私が宿泊している宿の方がレートが良いみたいです。(空港よりはここの方が遥かに良いですが)
まぁ、こればっかりは来てみないとわからなかったことなので、しょうがないです。
街での両替は諦め、今後の行程で必要になりそうなお金をATMで引き出しておくことにしました。
あとは宿でドルからペソに両替を済ませれば、盗難のリスクを無視すれば当面お金の調達に問題は無くなる予定です。
ちなみに、左のマシンに誰も並んでいないのは、この銀行のカード専用機だからです。
さて、お金も調達したし、あとは腹ごしらえっと。
レストランもたくさんありすぎて、どこに入ったら良いのか悩みます。
とりあえず、「お客さんがそこそこ入っているレストランは良いレストランだ」というルールで探してみることにします。
ちなみに、両替商探しとレストラン探しで軽く30分以上街を歩いている気がします。
バスターミナルそばにお客さんが入っているレストランを発見し、ここで食べることに決めます。
メニューを一通り見てからサラダと肉料理を頼んでみました。
まずはサラダ。
従業員は小さい方だと言い張ってましたが、これ単品でも夕食として十分な量です。
次に、お肉が出てくる・・・、はずなのですが、待てども暮らせども出てきません。
店に入ってから40分、さすがに遅すぎと思い、テーブル担当のおじさんスタッフにジェスチャーで「来てないよ」と伝えると、「あと少し」のジェスチャーで返事が返ってきます。
そして、アルゼンチンの「あと少し」とは10分だったんだと理解できたところで、、
名物の巨大ステーキが出てきました。
(きっと焼くのに「10分」かかるんだと思います)
えぇ、けっこう美味しかったですけど、完食は無理でした。
というわけで、すでに21時を回っているのですが、私は宿まで戻らなければなりません。
(本当はここから30分ほど歩いたところに、川を挟んでブラジル、パラグアイ、アルゼンチン三国の国境という場所があるのですが、さすがに諦めました)
帰りはタクシーに乗っても良かったのですが、テーブル担当のおじさんスタッフに帰り方を尋ねると、「バスで帰れるよ」とのこと。
「3ブロック先のガソリンスタンドを左に曲がって、1ブロック先で「5km」(シンコキロメターズ)行きの黄色いバスに乗れば良い」とのこと。私が一生懸命復唱していたら、、紙の裏に簡単な地図も書いてくれました。
おじさんにお礼を言ってお金を払い(たしか60ペソ、1300円ぐらい?)、言われたとおりに歩き始めます。
とりあえずスコールは止んだみたいで、よかったです。
3ブロック先のガソリンスタンドです。
給油待ちの車の列がすごいことになっていました。(軽く30台は並んでいたような)
表示されている料金がリットルあたりという事でしたら、レギュラーリッター90円弱ぐらいでしょうか。
ガソリンスタンドの交差点で左に曲がり、1ブロックぐらい進みました。
ここで待てば良いわけですね。
幸い、他にもバス待ちしているらしき人が居るので、ここがそうなんだろうとわかりますが、そうじゃなかったら、ここがバス乗り場だって絶対にわかりません。
程なく黄色いバスが走ってきて、予想通り先に立っていた人が腕を上げて止めてくれます。(自分でビシっと腕を上げて停めたかったのですが、私が先頭ではなかったのでしょうがないですね)
皆さんに続いてバスに乗り込み、お金を運転手に渡しながら「ホステルイン」(私が予約している宿の名前)を言うと、スペイン語で何やら言われ、きょとんとしていると、ジェスチャーで「このバスじゃ無いよ」という感じの手振りをしています。
このバスじゃなかったかと思いながら降りると、走り去るバスから子どもが身を乗り出し、何やら教えてくれてくれるのですが、当然スペイン語なのでさっぱりわかりません。
そして、バス乗り場に私一人が取り残されました。
不安を覚えつつそのまま待つこと10分、「5km」と運転手の前に表示が出ているバスが来たので、今度こそこれだろうと確信しつつ、自分でビシっと腕を上げてバスに合図を送って呼び寄せ、止まってくれたバスに乗り込みます。
先ほどと同じように「ホステルイン」と言いながらお金を渡すと、今度はちゃんと受け取ってくれました。
どうやら、正解のようです。(21:30)
わかりにくいかもしれませんが、運転手さんの右横におつり用のコインが種別に入っていて、レバーを押す度に、その列のコインが下から出てくる仕組みになっています。
お客さんからもらったコインは信号待ちなどの隙をついて上から補充しています。
あと、バスは停まる前からドアを開けますし、お客さんを乗せてからしばらくは開けっぱなしで走ります。
さすがアルゼンチン。
日本であらかじめイグアス付近の地図データを入れた携帯用(winモバイル用)GPSソフトを立ち上げますが、よくよく考えたら、GPS上で宿がどこにあるか知っていないと意味がないことに気がつき、電源を落としました。
バスは途中から幹線道路を外れて、砂利道の住宅街へと入っていきます。
ここがどこだかまったくわからないので、運転手のおじさんに、「ホステルイン、ポルファボール」(お願いします)と後ろから告げると、黙ってうなずいてくれたので、とりあえず大丈夫でしょう。
走っている道にはバス停なんてものは無く、腕を上げている人が居ればそこでお客さんを乗せ、誰かがブザーを押せば、そこでバスは止まりお客さんは降りていく、そんな感じでした。
そうこうしているうちに、どっちが北でどっちが南かさっぱりわからなくなってしまい、幹線道路に戻ってはきたのですが、なんとなくバスが街に向かって走っているような気がします。
外は真っ暗で、街外れにある我が宿がどんな感じで道路から見えるのかさっぱりわからないので、降りるタイミングがまったくわからないのでした。
そして、気がつくと窓の外には先ほど見た街並みが・・・・
お客さんもすっかり入れ替わり、降りるタイミングをつかめないまま街まで戻ってきてしまいました。。。
運転手のおじさんに、「ホステルインに行きたいんだけど」と言ってみると、「君は何をしているんだ!」みたいなことをスペイン語で言われ、他のお客さんも会話の様子を聞いて笑っています。
バスは完全に街中に戻ってきたので、ここならタクシーに乗り換えるという手もあるので、「バスを降りた方が良いですか?」とジェスチャーで聞いてみると、「いいから乗ってろ」というジェスチャーで返事が返ってきます。
いやぁ、かたじけない。
なすすべなく街の反対側までバスは進み、そこでUターンです。
そして、バスは再び先ほどと同じ道を走って行きます。
砂利道の住宅街を走り(気のせいか先ほどと道が違うような・・・)、再び幹線道路に戻ってきました。
ホステルインがあるとすれば、幹線道路沿いなので、明らかにこの辺りのはずです。
そして、運転手さんがチラッと振返って私の存在を確認します。
やはり、そろそろ着くみたいです。
先ほどは気がつかなかったのですが、バスが幹線道路でUターンします。
そして、Uターンを終えたところでバスが減速し、運転手のおじさんが
「ホステルイン! ホステルイン!」
と、真後ろに座っている私が何があっても聞き漏らさないぐらいの大声で降りる場所を教えてくれました。
大声で言われてもなお真っ暗でわかりませんでしたが、ホステルインに到着いたしました。
運転手のおじさんにお礼を言い、バスを降りました。
時計を見ると、すでに23時前、1時間半近くバスに乗っていたようです。。。
自宅を出発してから48時間経ちました。
ホステルインはすっかり静まり返っているかと思いきや、ガンガン音楽が鳴り響くパーティー真っ盛り状態でした。
というか、この宿はどこを見ても若者ばかりで、私みたいな中高年って全然居ないんですよね。かなり場違いな感じです。
まずはフロントで両替をお願いします。
私がお願いしたドル分のペソ紙幣が足りなかったらしいのですが、受付の子が個人のお金で両替してくれたので、最低限必要なアルゼンチンペソは確保できました。
WiFi(無線LAN)が無料で使えるので、携帯電話を取り出してネットで為替レートを確認してみると、実はこの宿は為替相場より良いレートで両替してくれたことが判明しました。
さらに、天気予報を確認したりしていると、一人の若者が「暇ならビリヤードしようよ」と声をかけてきました。
映画「ハスラー2」の時のビリヤードブーム以来ですから、何年ぶりでしょう(笑)
誘ってくれた彼はアイルランド人。他にニューヨークから来た若者と、ポーランドから来た若者が観戦してます。
イギリスの「ブラックボール」というルールらしいのですが、さっぱり戦い方がわかりません。
適当に打っていると「そのボールは落としたら駄目」とか言われます。
日本でメジャーなナインボールとかにしてくれればいいのに。(笑)
ルールがよくわからないまま、勝負には負けてしまいました。(勝負以前に狙ったところに正確に弾を打てないのですが)
観戦していたポーランドから来た子に、「休みは2週間ぐらい」と聞かれ、「そうだけど、何でわかったの?」と聞き返したら、「なんとなく、日本人ならそれぐらいかなと」と言われました。
まぁ、日本人なら限界は2週間ですよね、確かに。(彼は3ヶ月って言ってたかな)
アイルランド人の子に誘ってくれた御礼を言ってから部屋に戻ります。
その後、シャワーを浴びたり、明日の準備をしたり、なんだかんだで1時を過ぎたので、ひとまず寝ることにしました。
そう言えば、明日は何時に起きれば良いんでしたっけ?
受付で確認したところ、イグアスの滝へ向かうバスは朝8時にピックアップで、朝食は朝7時からとのこと。
それなら6時間はたっぷり寝られそうです。
では、明日のイグアスの滝に期待しつつ。。。
おやすみなさい!
つづく
0 1 2 出発・移動
3イグアス
4 5 6パイネまで移動
7 8 9 10パイネトレッキング
11 12 13パイネからエルカラファテ
14 15ブエノスアイレスへ
16 帰国