8月7日(土)
8月7日の週末は数ヶ月前から予約を入れていたブルーウォーターダイビングに出かけておりました。
ブルーウォーターダイビングとはなんぞや?って方のために簡単に説明すると、元々は外洋調査で行われていたダイビングスタイルで、どこか深場に沈み込まないよう体をロープに括り付けた状態で、深さ数千メートルの外洋(ブルーウォーター)のど真ん中で潜る(水中を漂う)というスタイルのダイビングです。
海外なんかでは一部行われていたのですが、西伊豆田子のショップがこれを「黒潮ど真ん中バージョン」やってくれていて、だいぶん前に一度参加して感動し、その後も何回か申し込んだのですが、「一般人向け」には年に1回ぐらいしか開催されないのでタイミングが合わず、このたび数年越しで参加と相成った次第です。
(今では和歌山の串本あたりでもやってるみたいですね)
一般人向け以外では関東各地の都市型ダイビングショップがショップ単位貸し切りで申し込んで来るので、実は人気があるのですが、私みたいなフリーが参加できる日程が年に1日しか無いというのが現実です。
これまた神子元のハンマー以上にギャンブル性の高いダイビングで、当たればジンベイとかマンタ、各種サメや魚の群れに会えたりしますが、外すと文字通り「ブルーウォーター」、本当に青い水だけ見て帰ってくることになります。
かなり外洋まで移動するため、料金も他の(ボート)ダイビングよりも高く、集合も朝5時半と早いため、知る人ぞ知るマニアックなダイビングであると言えます。

さて、今年は黒潮が伊豆半島に接近と先日書いたばかりですが、数日前から三宅島付近に大蛇行。いつものごとく嫌な予感がしますが、中止の案内も来ないので、ひとまず金曜日の夜中に渋滞の都内を抜けて西伊豆のショップに向かいます。

午前3時半にショップに到着。(本当はもっと早く到着したかったのですが、お盆スタートの日で国道の混雑具合が予想以上でした)
そのまま1時間半ほど仮眠し、、、

5時に起きて申し込み手続きを終えます。

簡単なブリーフィングと準備を済ませてから、船は朝6時に出航。

黒潮求めて、ひたすら南下して行きます。

本当に三宅島近海まで行くらしく、本日の戻り時間は夕方遅くになるのだとか。これは船旅も含めて楽しみ。

と、思ったら、なにやら視界の先に波勝崎沖潮流ブイが見えてきました。
これは伊豆半島沖の魚礁を兼ねた潮流を計測するための装置で、この回りにシイラの群れなんかが居着いていたりします。(
浮き魚礁と呼ぶそうです)
数年前にブルーウォーターダイビングに参加したときも、帰りにここに立ち寄り、シイラを見ながらダイビングをしました。
が、ここで潜るのは本来のブルーウォーターダイビングとは違います。
なぜ、ここに向かうのか嫌な予感がしつつ、開催主のYさんの説明を待ちます。
「今日は良い潮が入ってるから、とりあえず先にここで潜っておきましょう」
なるほど。
ブルーウォーターでは黒潮の適当なところで潜るわけではなく、大きな流れ藻や流木を探して、そこで潜ります。
流れ藻や流木の下には小魚がたくさん居着いて、さらにその下にはそれを狙う肉食魚が居て、さらにその下にはその魚を狙うアオザメなどが居たりして、ミニチュアの食物連鎖の生態系ができあがっているのです。(前回はそうでした)
流れ藻や流木と言っても、そこら辺にたくさん浮いているわけではなく、それを求めて大海を探しまくるわけです。万が一見つけられなかった場合は、タイムアップでその辺で潜ることになり、文字通り「ブルーウォーターだけ見てきました!」という話になるわけです。

そうならない保険としての波勝崎沖潮流ブイ。
まぁ、何も見ないよりは数百倍マシ。前回帰りに2本目としてここで潜ったときは潮流がバカっ速だった上に透視度も悪く、シイラの群れを見た以外ではそれほど良い印象は無かったのですが、今日は透視度も良いみたいなので、少し期待しましょう。

さて、潜行してみると、青く透視度の良い潮が入ってきていて、ブイの回りにはいろいろな魚が居着いています。

興味津々で体の回りをぐるぐる取り囲むツムブリの子ども
(たぶん大型の魚に寄り添う習性があるんだと思います)

ウスバハギの群れ

延々と続くシイラの群れ
(右上にダイバーが写ってますが、比較していただければわかるとおり、50cm~100cmぐらいの大きさがあります)

ダイバーは私も含めて潮流でどこかにかっ飛ばされないように、紐で結ばれております。
それが原因なのか、魚の群れを求めてあっちこっちに移動しているのは私一人ぐらいなもんで、残りの人が誰も移動しないので、、、

私が魚の群れを求めて一人で全員を引っ張るような格好になることもしばしば。
(もちろん引っ張れないので、結果、私が魚(シイラ)の群れに近づけないわけですが)
それはともかく、魚も多くて大変満足度の高いダイブでした。
では、いよいよ、本番の黒潮探索です。

朝食なんぞを食べながら時間をつぶします。

沖合いに見えている黒い横線、小型の鯨の
オキゴンドウです。(臆病なので、近づいたらすぐに潜って逃げてしまいました)
そんな感じで船上は大いに盛り上がっていたわけですが、不思議なことに三宅島(南東)方面を目指すはずなのに、真南に向けて船が走っています。
しかも駿河湾を出た辺りから左右に蛇行し始めました。
しまいには北上し始めます。
怪訝な表情をしている私の横にYさんがいつの間にか立っていて
「沖に出ても潮が悪いし、駿河湾に良い潮が入ってきているから、そちらで潜ることにしたよ」
と耳打ちします。
まぁ、黒潮ど真ん中に放り込まれたいのは山々なのですが、決定権は私には無いので、ここは頷くしか有りません。

その後、持ち込んだ弁当なんかをぱくつきながら駿河湾内で流木などを探して走り回ること数時間。
結局、何も見つけることが出来ず、、、
やって来ました、ザ、ブルーウォーターダイビング!!
るるる~。。。

深海魚の漁場としても知られる駿河湾は深いところだと水深2500mですが、ここは石花海(せのうみ)と呼ばれる台地で水深30~100mだそうです。(好漁場だそうなので、少しでも魚に会えることを期待してここを選んだのでしょう)

いやぁ、たしかに浮遊感とか、底が見えないドキドキ感はありますが、紐につながれてる状態で魚が見られないんじゃ3分で飽きてきます。
これほど「30分」(ダイブタイムとしては短い)が長いと感じたダイビングは人生で初めてでした。
これで外洋性の動物プランクトン (前回見たゾウリムシみたいな形で60cmぐらいあるやつ)とかでも来てくれたら楽しかったんですが、それすら居ませんでした。(まぁ、湾内ですし)
ほんと、海ってほとんどの場所に魚は居ないもんなんですね~。
(ダイビングの時は魚の居る場所に行くのであまり意識してないわけですが)
という、確認ができました!
さて、、、
夕方まで戻れないと聞いておりましたが、このペースだと2時ぐらいには田子に戻りそうです。
ぼーっと甲板にまどろみ、うつらうつらしていると、誰かに肩をつつかれます。
目を開けるとYさんを中心に全参加者が私の周囲に立ってました。
(全員の前で寝落ちしてたみたいです)
慌てて立ち上がった私を確認したYさんが
「波勝崎沖潮流ブイでシュノーケリングしましょう」
と、突然発表をしました。
たしかに、シイラなんかは水面付近に群れているので、シュノーケリングでも問題なく楽しめるでしょう。
しかも、シュノーケリングの場合は体をつなぐロープ無しですから好きなだけ寄れますし。(シイラはけっこう臆病なので、近づくのにはコツが必用です)
しかし、一つ問題があります。
シュノーケルを持ってこなかったのです。(使わないと思って車に置いてきた)
まぁ、浮力の強いウェットスーツに足ひれ、水中メガネがあれば何とかなるだろうと言うことで、海に飛び込みました。

いやぁ、楽しかったですけど、さすがに息止めっぱなしは疲れました!!
後半は背泳ぎ姿勢で波間に浮いて休憩してました。(多少の潮流があるので、あんまり休憩していると船まで戻るのが大変なので、足ひれを軽くキックし続けながらの休憩です)

というわけで、15時頃田子の漁港に戻ってきました。
ずーっと日のあたる所に居たのですが、日焼け止めを塗らなかったので(今年、一度も塗ったことが無いのですが)、普段焼かない背中とかが真っ赤になってしまいました。。。
そして、この後、2週間ほど酷い目にあったのでした・・・
それはともかく、、、
黒潮ダイブはまた来年ですね!
(出来れば開催日はお盆時期じゃないといいなぁ、登山のロング縦走のタイミングと重なるので)
ちなみに本日分の動画はこちらです。
さて、明日は勢い余って申し込んじゃった神子元ダイビングです。
賢明な、というか皆さんも気がつかれたかと思いますが、私が神子元ダイビングを申し込んだ翌日に黒潮の蛇行が始まり、神子元の透視度は最悪の状態になりました。。。
その時点で即刻キャンセルしても良かったのですが、もしかしたら回復するかもと期待して、なんとなくそのままにしていたのです。
駿河湾から外に出たところの濁った潮は私も自分の目で見たので、同じエリアに位置する神子元の透視度はまったく期待できません。
当然、蛇行を開始してからハンマーの群れはまったく見られなくなっており、本日土曜日も各ショップ連敗記録を重ねておりました。
まぁ、それでも、前回邪気払いは出来たような気がしたのと、ハンマーに固執せずにダイビングを楽しもうと、せっかく伊豆まで来たのだから、東京に戻ることなく連チャンで潜ることにしたのでした。
昔から通っていたショップに最初は申し込んでみたのですが、満杯で断られ、先日ハンマーを見せてくれたショップに申し込んだところ、こちらも満杯だったのですが、キャンセル待ちで申し込んでみたら、翌日あっさりとキャンセルが出て、潜れることになってしまって喜んだのもつかの間、黒潮大蛇行開始という次第です。

さて、では南伊豆の弓ヶ浜に向かいますか。
(クソ暑い中、根性でオープンにしております)

奥石廊崎のユウスゲを眺めてから、、、

ショップに紹介してもらった民宿に到着。
民宿の女将さんに「夕飯に美味しい店を紹介して」と民宿のおばちゃんに尋ねたら、、、

なぜか近所の焼き肉屋さんを紹介され、上ロースを頂くことに。
(たぶん、地元(漁村)の人にとっては肉料理が貴重なのでしょう)
昨日は全然寝ていないので、21時頃に寝入ってしまいました。
お休みなさい。。。
8月8日(日)

6時前に起床。
なぜか5時55分55秒を撮影するためにカメラのファインダーを覗くこと1分。
自分でもなぜこんな写真を撮ったのか理由がわかりません。
せっかく早起きしたので集合時間1時間前にショップに顔を出し、2-4航海目から1-3航海目に変更してもらえるようにお願いしてみます。
すると、「いいですよ」と快く変更をしてくれました。
どう見ても透視度が良いのは1航海目。2航海目より後は沖の濁った潮が流れ込んでくるので、透視度は落ちるだろうと予想してのことです。
さて、結果どうだったかと言いますと、、、
ハンマーは1匹だけ軽くシルエットを眺めただけですが、特に1航海目のドリフト(潮の流れに乗ってかっ飛ぶスタイル)は魚影も濃く、いろいろな魚の群れを眺めながら楽しみました。

特にダイビングにハマルきっかけにもなったニザダイの群れは迫力もあって良かったです。
まぁ、透視度も悪いし、どこのショップもハンマーの群れは見ていないんで、一匹見られただけでもマシな方でしょう。
神子元ダイビングの様子はこちら。
(帰宅後、このデータの入ったSDカードが不調でデータを取り出せなくなり、都内のショップでは復旧は無理と断られたので、
こちらのショップで2万円ほど払ってレスキューしてもらいました)
では、東京に戻るとしますか。

何気に私のロードスターが写っていることに気がついた方はえらい!

いやぁ、夏ですね!!

帰りは田子のショップに高機能タオルを忘れてきてしまったので、それを取りに立ち寄るために再び石廊崎経由で西伊豆へ。 (本日日曜日のショップ主催ブルーウォーターは三宅島まで遠征したとかで、まだYさんは帰ってきていませんでした。ショップ主催だと代表者の鶴の一声で無理が利くのでいいなぁと思いました。一般参加組ではたしかに船酔いして気分悪そうな人も居たので、気を遣って湾内にしたという感じもしますし)、、、

ダイビング後のソフトは旨い!
(ミニストップのアイスは味が安定していて良いですね)

田子からそのまま大瀬崎まで北上。

突然の大雨。

沼津港で漁師料理を食べました。

ちょっと頼みすぎました。。。

東名高速は30kmの渋滞表示が出ていたので、箱根峠まで国道1号線で走り、そこから箱根新道、小田厚自動車道、東名(渋滞少々)、後は滞ることもなく東京まで帰ってきました。
さて、家に帰ってきてから各ショップのブログを開きます。
すると、、、、
満杯で断られたショップ → 1、2、4航海目でハンマーの群れ目撃(黒潮蛇行開始してから初)
今回行ったショップ → 私が当初組み込まれる予定だった2航海目でハンマーの群れ目撃
(同じく黒潮蛇行開始してから初、2航海目から戻ってきた船の様子からしてそうかと思っていましたが、やはり見ていたのでした・・・)
まぁ、あれです、今回例え見られたとしても、こんな透視度の悪い海でハンマーの群れに出会いたい訳じゃないので、良いのです。。。(いや、本当に)
やっぱり、祭壇にトンカチを祭って拝んだ方が良いのかもしれません。。。
お盆後半編に続く