最後にエンジン組んでから距離的には数千キロ程度ですが、やたらと「カシャカシャ」と機械音も増えてきて年数も随分と経過していますので久しぶりに開けてみました。
結果開けて正解!
1番インテーク外側のカムメタルが外にずれてきています。
実はこれ組んだ時、カムホルダーを紛失。当時やたらと持っていたホルダーでカムを何度か組み付け、一番具合の良い物で良しとしていました。
今回元のホルダーが発掘され元の鞘に納めようという事もあり分解したのでした。
バルブクリアランスを測定。最初広めに設定してはいましたが、マニュアルより広め、0.10~0.15mmの範囲で調整していました(吸気側0.10、排気側0.15を狙って)。
それが現在0.18~0.22mmまで広がっていました。これは音がでて当然・・・。
隙間測定の跡ホルダーの交換です。
メタルのあたりは悪くなかったのでそのまま使いますが、外にずれていた物は段差がついているのでこれは交換です。
ホルダー交換後のタペット隙間は各々0.04mm程詰まった状態になりました。
それを考慮すればメタルが緩くて脇にスライドするのも納得の現象。
お客さんのは頻繁に行いますが自分のっていつも後回し・・・。
たまにはこうして内部事情を把握しとかないと後々大きな出費になっちゃいますね f^_^;
私の使っているシリンダーヘッドは「名残ヘッド」と呼ばれる'73年車の物。
2台目Z1は初期型でシリンダーもOリングの無いタイプでした(これはさすがに使いたくなくてOリングのあるシリンダーを使用)。
なのでカムホルダーも上部に「リブ」の無いZ1000MK2用と同形状のです(画像は比較用に2種並べて撮影)。
シャフト側もOK、メタルもOK~☆
あらためてタペット調整をして、排気側は若干広めの0.08~0.10mm、吸気側は0.07~0.11mm
シムの刻みが0.05mmなのですがここが調整の面白い所で、必ずしも計算通りにはならないのです。
殆どはキツい方向にずれます、経験上。
吸気側0.11mmもワンサイズ上げて0.05mm大きくすると実測で0,04mm。
計算上では理想的な0.06mmになるはずなのですが・・・。
こうして幾度となくこなしていくとタペット調整だけで約半日程使います(周辺部品の脱着含め)。
インナーシムだとカムの取り外しを何度もしなければならず、面倒以上にカムホルダーのボルト穴が傷みやすいのでそこがネック。
高回転型ST-2なんて特に必要を感じないのでアウターシムで低~中回転重視のST-1の方が全てに於いて有利と考えます。
最後に出した加工屋さんは経験豊富で腕も良いので、バルブガイド入れ換え&シートリング入れ換え時のセット長合せが絶妙! (~~~現在もここに全てお任せしています)
純正シムは0.05mm刻みの設定で2.00mm~3.20mmまで揃っているのですが、その中間「2.60mm」でクリアランスが取れる様に製作してくれているのです(おかげで今回使ったシム厚は2.55~2.65mmです)。
その恩恵は大きく、クリアランスが大きくなっても小さくなってもどちらのふり幅も十分ですので長くヘッドが使えます。
もうこれ以上薄いシム有りません状態で調整不能になった車両も過去には多く、エンジンにお金かけられない場合バルブエンドを研磨した事もありました。その逆に厚く出来ない場合は大変です。ガイド、シートリング、バルブ全交換です・・・。
内燃機屋さんもピンキリで高くてもヘタクソ(失礼)な所が多いので近所でこの腕前は本当に助かります。
以前出した静岡市の内燃機屋は最初の見積もりよりも高い請求の上仕事は素人仕事で最悪でした(お客さんの諸事情によりここへ出さざるを得なかった)。
加工は高くても実績のあるしっかりとした所へ出さないと自分の首を絞めることになりかねませんから。
~~~カムシャフトはヨシムラST-1です。
カム山が高くヘッド側を削らないと回らない代物です。15年以前の物は削らなくても大丈夫だったんですけどね~。
買ってすぐに穴あき軽量モデル・新製品がでてショックだった記憶有り。
純正カムスプロケットを長穴加工してもなかなかバルタイが決まらず、ヨシムラに問い合わせると今で言う「神対応」で作業しながらのやりとりが出来とても嬉しかったのもいい思い出です(最終的にカム山センター位置から追って完了)。
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KAWASAKI Z1 | クルマ
Posted at
2017/09/11 17:23:28