
BMW G21 xDrive Mスポーツ、乗り心地がすこぶる悪いんですよ。
知ってはいたんです。でも2019年7月製造からマシになったと聞いたので、2019年10月製造のウチのG21はマトモなのかと思っていたのですが、F31ラグジュアリーとG21Mスポーツと比べている自分がバカでした。
F31ラグジュアリーは、ロールスロイスも製造しているBMWだからなのか、実にふわりとした乗り心地で、それでいてカーブのロールは少しだけ。オンザレール感は少ないものの、日本車のような腰砕け感は全くなく、踏ん張りは効いていました。
F31ラグジュアリーの後部座席に乗った友人は十中八九寝る。
「高級車ってこれだよなぁ。」という感覚でした。
しかーし、BMWに求めるのは「駆け抜ける喜び」から来るスポーツ感。そりゃ中古市場はMスポーツで溢れますよね。
「G21ディーゼルのxDriveの白で、HUDとパーキングアシストプラス装備を探してください」ってお願いすると、Mスポーツになるわけですよ。
そして、乗り心地を求める方の多くがKW3への入れ替えになるのですが、私は雪国のBMWユーザー。冬の雪道を考えると車高は1mmたりとも落としたくはないのです。
そこで考えたのは純正ショック内のオイルとガスを交換するNeoTune。
これ、北海道に施工店はなく、一番近くて秋田県。秋田までの交通費を計算してみました。10万円前後に施工費8万円というところでしょうか?
いつ行こうかなぁ、と思っていたところに、閃きました。
「中古の純正ショックを入手して、NeoTune施工店に送り、センドバックして自分で交換すればよくね?」
元整備士の弟に相談すると、「ショック交換? できるよ。」とのこと。
ヤフオクを見ると、G21のxDeive Mスポーツのサスペンション一式が出品されています。
(スタンダードモデルが出品されていれば交換だけで済むんですけどね。スタンダードモデルのサスペンションを交換する人が少ない!)
さっそく落札し、リモート施工を受け付けている
MT+ 丸徳商会さんに連絡。商品を受け取ってくれるということも快諾いただき、出品者が同じ茨城県ということも手伝って、すぐに施工いただきました。
丸徳商会さんに乗り心地について相談したところ、迷わず「それならエクストラコンフォートです」とのこと。BMWにエクストラコンフォート?
施工されたショックは札幌に来ることなく、帯広の実家へ送っていただきました。
リフトに乗せて施工開始です。
BMWのショックアブソーバーは差し込んでいるだけなので、裏から鏨を差し込んで、ストラットを上からコンコン叩いて落としていくようです。
いきなり落ちないように、念のためフロアジャッキで受け止めます。
ストラットがストンと落ちたら、アッパーマウントを外します。
G21のアッパーマウントのネジは特殊で、E型トルクス(星が外側)です。
弟がアッパーマウントを外しているとき、私はショックが落ちるのを支えていたので、写真はありません。
左が中古で購入してNeoTune施工したショック。右がはずしたばかりのもの。
中古で購入したショックについているバンプラバーは、下の写真のようにバンプカットされて、短くなっていました。下の写真の右は新品のバンプラバー。
バンプラバーと保護カバーは事前にディーラーで新品を調達。
スプリングコイルにスプリングコンプレッサーをかけて外します。
スプリングコンプレッサーって、こうやってレンチで使うんですね。
ショックの上下に保護ラバーがついています。ラバーには位置決めの溝があるので、まずはラバーをショックに合わせてはめ込み、次にスプリングコイルの位置をラバーの溝に合わせます。上下ともこれが必要。
NeoTune施工したショックにスプリングコイルを取り付けたら、車体に組み込みます。
これも、私がショックを持ち上げ、弟が上からアッパーマウントを取り付けたので、写真がありません。
3分クッキングのような出来上がり写真はこちら。
フロント助手席側の1本目は鏨の選定をミスったようで1時間かかりましたが、運転席側の2本目は細い鏨にすることで30分もかからず終了。
リアに取り掛かります。
ラゲッジスペースの内装をはがしましたが、アッパーマウントが見つからない!
と、思ったら、リアはタイヤハウスのカバーを外せば、車外からアッパーマウントにアクセスできるようです。
G20と刻印されたリアタイアハウスカバー。
リアショックはスプリングコイル別体で、ネジを緩めて外せるようなので、気づいたら外れてました。
リアはバンプラバー一体型の保護カバーで、F30/F31と同形のようです。これも新しくします。
エクストラコンフォートのNeoTune施工リアショックは、手で押せるくらいよく動くショックになってます。
こんな感じで、下からアッパーマウントをねじ止めします。
交換が終わったら、アライメントに関係する部分を除き、すべてのアームのゴムブッシュを、ストラットの下からサスペンションサポートで重力をかけた状態でいったん緩めて締めなおす、いわゆる1G締めを施します。
あとは、タイヤを取り付けて交換終了。
昼前に終わったので、試走がてら昼食を買い行き、インプレッションです。
「何も変わらず、硬い!」
正直なファーストインプレッションです。
みなさん、工場の段差を踏んだ瞬間から違いがわかるとおっしゃいますが、私にはわかりませんでした。
帯広から札幌への帰りの高速も、荒れた路面(そもそも高速で荒れた路面作るなよ!という指摘はありますが、清水-トマム間に実際にあるんです。)で、そのまま地面の凹凸を拾うシーンに出くわしました。
札幌に近づくにつれ、わかってきたことがあります。
それは、路面の凹に対する対処。
路面の割れや、今時期の北海道に多い、
ポットホールのいなし方。今まではホールの形が分かるほど正確に下がり上がりが感じられましたが、交換後はハマった時の音が「ドン」とすごい音がするものの、座面への振動は少なく、お釣りもなく、いなしている感じになりました。
NeoTuneショック交換によって、伸びる方向はよく動くし、お釣りなく収拾できているようです。
逆に、路面の凸に対する対処は今まで通り。ドスンと来て突き上げる。
なんだかバンプタッチしているんじゃないかって思うほどです。
だから中古ショックの前のオーナーはバンプカットしたのかしら?
いや、スプリングコイルのプリロードが硬いんだろうなぁ。
やはり、スタンダードモデルの中古サスペンションが欲しいです。
スプリングコイルだけでもほしい。
そして、なぜなのか、RealOEMにスプリングコイルが掲載されてないですよね。
純正スタンダードモデルのスプリングコイルってどうさがせばよいのでしょうか?
そして、交換から1週間経ち、フロントサスペンションからキコキコと、かすかに音がするようになりました。
NeoTuneは交換直後は特に輸入車で揺動音がするが、今に馴染んで音がしなくなるとのことですので、この後、馴染んで、凸面でもしなやかになることを期待します。