普通は一つ一つの記事にするべき内容が、過去の振り返りだと大体まとめられてしまいますね
また、本記事の執筆に二週間掛かってます(笑
今回はYZF-R125のパワーチェックと排気交換のお話です。
R125の純正マフラーは非常に静かで排気音が殆ど聞こえず、
触媒らしきモノが2つも着いていて、昨今求められる環境性能とやらを重視した作りになっています。
スタイルも決して悪いわけではありません。(寧ろよく頑張ったと言えるデザインです)
しかし高回転域では全く排気音がせず、エンジンの唸りだけが聞こえてくるのは何とも
つまらない。
乗り始めて一ヶ月が経過し、慣らしも済んで色々と手を入れたくなる。
早速、社外マフラーを入れることを画策します(笑
時に西暦2015年5月のことでした。
候補に上がったのは以下の通り
・開発途中も見せます、信頼の
WR'S
・パワーボックスブランド
SP忠男
・一番ハイパワー!?
DOG FIGHT
・イタリアの雄
TERMIGNONI
・ヤマハワークス御用達
AKRAPOVIC
・いい音だな!
TURBO KIT
他にもArrows、Danmoto、GPR、Scorpion、marossiからも出てましたね。
とにかくこの5つがとりあえずの候補として上がりました。
TurboKitってどこのメーカーやとも思いましたが、youtubeで音を聞いてると中々好みでした。
結論から言いますと、私が選んだのは……
AKRAPOVICでした。
公式HPによると、純正比で-3.3kgだそうで、持ってみても非常に軽いです。
(純正が重すぎるとも)
サイレンサーにはチタンモデルとカーボンモデルがあり、私は純正に近いルックス(←結構重要)なチタンモデルをチョイス。
あと、ヤフオクに丁度出品されていたからというのもあります(笑
ちなみに音量を測ってみると、純正よりちょっと大きいくらい。(AとCで大分変わりますが)
そりゃ本国では
純正オプションなのでDQN直管とは訳が違います。
国内で正式な認可が通っていないのはバッフルの固定が溶接か否かという部分のようです。
アクラポヴィッチやテルミニョーニ等海外メーカー製品はネジ固定で頭にカバーが着いてるだけなのです。
世間じゃ結構外しちゃう人いる様なんですが、落ち着いて控えめの音がお気に入りなので私はそのままです。
しかし、流石に夜の住宅街を走るのは気を使いますね。
交換してからは専ら惰性走行で自宅に戻ってます(笑
物をヤフオクでまんまと(といっても予算は大幅overでしたが)手に入れましたが、
そのまま変えては芸がありません。
やはりチューニング前後での車両の変化を知りたいと思うのが人というモノ。
マフラーを変えると何が変わるか?
勿論音質が変わるわけですが、出力特性も変わるはずです。
という訳で…

某所に測りに行きました!
"何はともあれ現状把握"とは某お偉いさんのお言葉。
まずは純正状態でのパワーチェックです。
パワーチェックはこんな感じ。
所謂シャシーダイナモと言うもので、車軸に負荷をかけて測定を行うものです。
車軸の負荷を変化させる過程でローラーとタイヤ間に滑りが生じてしまったり、
そもそもチェーンの状態次第で効率が変わって来たりするので、エンジンパワーの測定としては誤差が出る測定法となります。
それはさておき、
私は「フルコース」で測定して貰い、複数の結果を頂きました。 5000円也。
フルコースの内容は
・出力曲線 with A/F
・定常運転(街中流し想定?)からのスロットル全閉→全開
・一速から六速まで全開加速
のデータを貰えます。 データを貰う際、もれなく見方の指導付き。

因みに得られたデータはこんな感じ。(本当は専用の紙で貰えますが、それをエクセル化してます。)
データプロットの関係でトルクカーブがカクカク&微妙にズレています(笑
最大値に赤丸を付けてます。
よく「実際のエンジンパワーはカタログ値の八掛け」と言われていますが、
YZF-R125の公称スペックが15ps/9000rpm ,1.25kgf-m/8000rpm らしいので、丁度こんなモンじゃないでしょうか。
4500-5000rpm付近でトルクがガッツリ落ちているの印象的ですね。
これはどうも騒音対策のようで、欧州だと「最大回転時の半分の回転数の時の騒音を測定する」というルールがあり、
ピークパワーが9000rpm、レッドゾーン10000rpmということでほぼ間違いなくワザとパワーを落として騒音対策をしているのではないかと思われます。
騒音対策領域を除けば、非常に素直なカーブであると言えますが、特にトルクピーク付近が平坦なので、人によってはパワーバンドを感じづらいかもしれません。

こちらはパワーカーブを測定した際のA/Fの測定結果。
わからない人向けに説明しますと、A/Fとは「Air by Fuel」の略で、燃焼室内の混合気の空気とガソリンの割合を言います。
ガソリン1gに対して空気(大気)10gならば、A/F= 10/1 =10となります。
特にA/F=14.7をStoiciometry(理論空燃比)と言い、"理屈の上では"空気の過不足なく燃焼する割合となります。
またA/Fが14.7より小さい場合をリッチバーン、大きい場合をリーンバーンと呼びます。
世俗的には
リーン:パワー↓、冷却性能↓、燃費↑(?)、プラグ焼け気味
リッチ:パワー↑、冷却性能↑、燃費↓、プラグカブり気味
とされます。詳しい理由は記事三枚分くらいになりそうなので割愛(笑
経験則として、A/F=12.5~12.8が最もパワー出るとされていますが、
これはA/F=14.7では全てのガソリンが気化・混合されないという実情に起因します。
高回転側は安牌策でリッチにしますが、できれば街乗りで頻繁に使う低回転領域ももう少しリッチのほうが乗りやすいかもしれません。
キャブ車ならばある程度弄れますが、
純正のインジェクション車では難しい注文です。
この時は気が付きませんでしたが、YZF-R125(というかヤマハ車)には
AISという二次エア導入システムが存在し、排気管内に新気を導入・未燃ガスの燃焼する。
すなわちアフターファイアを誘発しやがるので、マフラーエンドからセンサーを放り込むA/F測定ではマトモな値を得ることが出来ません。
このA/Fセンサー(λセンサーやO2センサーなんて言われますが)の精度も疑問がありますしね
つまり、
この測定結果は割りと怪しいですw
ちなみにアクラポヴィッチ公式HPによると5400rpm付近で出力が向上するらしいです。
比較が楽しみデスネー、いつかやりたいデスネー。
因みにインプレッションはパーツレビューの方に載せましたので興味ある方はどうぞ!
再度強調しますが、今回の測定はタイヤ出力となるので、チェーン・タイヤ等駆動部のコンディションにかなり影響を受けます。
特に小排気量車は発生出力が小さいため、損失の占める割合が大きくなるので尚更です。
恐らくクランク軸出力ならばよりカタログ値に近い値になるのでは無いかと思います。
そして……
純正状態の現状把握を終えた私は、早速交換に取り掛かるのでした。
※交換時の写真は無いです。 取り付けは公式が配布してる手順書で楽勝でした。
新品で買うと、マフラーをステップのステーに固定する為のスペーサーが付属しますが、私が購入したものにはありませんでした。
しょーがないので私はテキトーな座金とスプリングワッシャーでお茶を濁してます(笑
そのせいか、V受けのスタンドを使うと、
微妙にマフラーに干渉します。
取り付けが完了して、家路についた私は、ブリッピングやエンジンブレーキ時の
排気音が聞こえる、しかも五月蝿すぎず、太すぎない大人なスポーティーなサウンドに感動の余り、
涙しました。
あの感動は今でも忘れられない。