
これは僕の体験談です。
これを読んで,現車合わせとは何か,考えてみてください。
コンピューターの現車合わせは,ただ単にコンピューターのパラメーターをいじることではありません。
車にどこか問題はないか,それを見極める力も必要になります。
そしてある時は,車の仕様を変更したり,プログラムさえも書き換えてしまう,その判断力も必要になるのです。
それはまずは車の仕様の確認から始まります。
エンジンは,プラグは,タービンは,エアクリは,フロントパイプは,触媒は,マフラーは・・・
事前にメール等でもやり取りできますが,実際に目で見て確認することも必要です。
思っていたのと違うものが付いていることもあります。
そして,その程度も問題。
新品ならまだしも,中古であれば多かれ少なかれ傷んできています。
傷み方によっては交換を余儀なくされるパーツだってあります。
プラグの焼け具合,エンジンの圧縮も,セッティング前には確認が必要です。
エンジンがどんな状態か把握できていなければセッティングなんてできません。
その他にも,補器類の隅々に至るまでチェックが行われます。
気になる問題点はないか,見落とすと致命的にもなりかねないものだってあります。
ここまでは,どこのショップでもやっていますよね?
当たり前ですよね?
実は僕はこの段階で何度か門前払いを食らっています。
パワステのオイル漏れ。
エンジンの圧縮低下。
エンジンの水漏れ。
クラッチの異音。
プラグの焼け具合の前後不均等。
などなど
中村屋にコンピューターのセッティングに行くと,門前払いを食らうケースは決して少なくありません。
アソコが悪い,ココが問題と,まるで口うるさいガンコ親父のように(w)いろいろと注文を付けられたりします。
これは決していじめとか手抜きとか怠慢とかどSだからとかじゃありませんw
考えてみてください。
みなさん,コンピューターのセッティングを依頼しに中村屋を訪れるわけです。
そして,コンピューターのセッティングとは・・・チューニングの最終作業です。
全てのパーツが有効に機能しているからこそ,セッティングが行えるのです。
どこかに不具合があるのをごまかすのがセッティングではありません。
不具合があるなら,まずそれを直す・・・至極当たり前のことでしょう。
不具合を直すのは誰の役割ですか?
オーナーのみなさんの役割であり,その車に携わってきたチューナーの役割でしょう。
むしろ,不具合を見つけてくれたこと,問題点を指摘してくれたことに感謝しなければなりません。
そうでしょ?みなさん。
でもね,わざわざ遠方から休日を返上して足を運んで来たのに,もう一度出直してこいは・・・
せめてここで何とか直してくれないの?
そうおっしゃられる気持ちはわかります。
ただ,中村屋を訪れたあなたならおわかりでしょう・・・どこにそんなパーツの在庫がありますか???
大手のRE専門店に慣れている人は,行けば必ずパーツがあると思い込んでいます。
そういうところは顧客数も多く,パーツを在庫していてもさばくことができるから在庫をしているのであって,中古パーツの在庫だって持っています。
でも中村屋はそういうところとはスタンスが全く違います。
お世辞にも大きいとはいえない店構えで,在庫をたくさん抱え込むようなスペースもなければ,いろいろパーツを売りさばくような商売の方針でもありません。
コンピューターはいろいろ転がっていますよw
でもそれも何十個も在庫しているわけじゃありません。
必要な時に必要なだけそろえる。
一般の整備工場と同じですよ。
確かにそうなんだ。
顧客の満足度を上げるためには,「行ばすぐ何とかなる」っていうのは重要な要素。
でも,それをするのは大変なことなんだ。
大手のRE専門店は,専門店だからこそ,まだそれを何とかやっていけるのです。
FCとFDしか来ないから,FCとFDのパーツを在庫できるし,顧客が多いから商品の回転も速いから在庫できるし,同じようなショップが立ち並んでいると競争もあるのでそれに勝たなければならない。
「アソコに行けばすぐに対応できるからアソコに行く」
それを大事にしているところもあります。
これはユーザーにとって非常にありがたいことだし,そういうショップはこれからもその方針を存続してもらいたいと思います。
でも,いざそれに慣れてしまうと,どこに行ってもすぐに何でも何とかしてくれると“錯覚”してしまうんですよね,ユーザーって。
チューニングショップのコンビニ化・・・とでも言いましょうか。
どこの業界も同じだなw
中村さんだってね,無下にみんなを断っているわけじゃないのよ。
その場で簡単にできる修理はしてくれます。
平日ならディーラーに在庫がないか確認して,あれば取り付けもやってくれたりもします。
でもね,簡単じゃないものもあるでしょ。
はずしたはいいけど,パーツもないし,時間もないし,このまま置いて帰る?ってことになったらどうします?
中村さんはいつもそれを心配しています。
特に遠方から来てくれた人は,帰る足の心配をしないといけない。
それなら,そのまま戻って修理してから出直してきてもらった方がいいでしょ。
それと,全てが純正の状態であればまだしも,既に誰かの手が入った状態の車をいじるということは,予期せぬところに配線があったり,予想だにしないような付け方をしていたり,ワンオフのパーツであればなおさらで,付けた人にしか触れないようなものもあるし,見てすぐ全てがわかるわけじゃないから,手が出せないものだってある。
そういうものは,やった人が直すのが一番いいのです。
ほかにも,ここに書けないようないろいろな点を心配してくれていて,それであえて中村屋で修理せずに門前払いをして行きつけのショップやディーラーで直してもらうようにしているのです。
結局は,今後も普段はそこのお世話になるのですから。
何にしても,車を万全の状態で持ち込むこと,それがオーナーに課せられた使命とも言えます。
え?大げさ?www
でもそれって,当たり前の話なのよね。
故障を修理に行くんじゃなくて,コンピューターのセッティングに行くのだから。
故障の修理に来たのなら,まずどこに問題があってどうやって直すか,必要なパーツを発注して・・・
それは中村屋に行くまでにやっとかないとね。
だってね,何度も言いますが,修理に来たのではなくてセッティングに来たのでしょう?
そのために必要なことは前もって確認して,準備しておかないと。
そんなのわからないって言うのなら,一度確認してみればいい。
しかも実車を持って。
どこをどうするのがいいか,相談すればいい。
その上でもう一度出直せばいい,ただそれだけの話。
難しいことじゃない。
時間はかかるかもしれないけど,それが一番確実。
長くなったね。
いったんここで切ります。