イグニッションコイル劣化の症状いろいろ

年末年始でちょっと日にちが経過しましたので，前回までのお話を忘れちゃったって言う方はコチラをクリックしてください。

強化エンジンマウントが悪さをしていた（ことが強く疑われる）んだよっていうお話でした。


で，いよいよ本題に突入！。。。できるかな？ｗ

そもそもイグニッションコイルが劣化するとどうなるのか。
点火が弱くなります。
着火しないかもしれません。

モノが燃えるということは，温度と酸素が必要です。
その温度を提供するのが点火です。
よい点火はよい燃焼のための重要なファクターです。
よい点火が得られなければよい燃焼になりません。

では点火が弱くなるとどうなるかというと・・・
着火しない，あるいは火炎が勢いよく伝播しない，ということが考えられます。
火が着かないのはもっての他ですよね(^_^；)
火炎伝播の勢いがなくなれば燃焼が間延び・・・燃焼時間が延長します。
ほんのわずかの変化だけなら，低回転ではそれは差ほど影響がない”かも”しれません。
でも，例えば６００ｒｐｍと６０００ｒｐｍではエンジンの回転は１０倍違います。
つまり１回転に費やせる時間も１０分の１になるということですから，高回転になればなるほど，燃焼時間のわずかな延長でも大きく影響してきます。

いわゆる燃焼は，
点火→着火→火炎伝播→膨張（トルクの発生，放熱）→収束
という過程を辿り，そして排気ポートから排気されます。
火炎伝播が間延びしてしまったらトルクが欲しいところでトルクが得られないということになります。
また，充分な放熱もできていないのに排気してしまう結果となり，排気温度も上がると想像されます。
そこには未燃焼ガスさえ含まれているかもしれません。
排気が始まってもまだそこで火炎伝播が続いているようなことがあれば・・・エキマニの中でもまだ燃焼，膨張が続けばそれはエキマニを高温に晒し，タービンを高温に晒し，その圧はタービンを回し，想定以上にブーストを上げてしまうことになります。
あるいは排気された未燃焼ガスは高温のエキマニに晒され，さらにそこにオーバーラップして入ってきたフレッシュエアを含む混合気が流れてくると・・・再着火する可能性があります。
ミスファイアリングシステムをご存知の方ならこれがどういう意味かお分かりと思います。
再着火した未燃焼ガスは，膨張し，タービンを回します。
タービンの耐久性と引き換えにブースト圧を高めることになります。
タービン前で燃焼しなかったとしても，タービン後で燃焼してアフターファイヤーとなります。


ﾀﾞﾗﾀﾞﾗ書いてわかりにくくなったのでちょっとまとめてみましょう。

コイルが劣化すると点火が弱くなる
　→未燃焼ガスが増える。
　　→トルクの低下
　　→タービン前での再燃焼
　　　→エキマニやタービンへの負荷増大（熱，圧），オーバーシュートの発生
　　　　→エキマニ割れやタービンブロー
　　→タービン後での再燃焼
　　　→触媒への負荷増大
　　　→アフターファイヤー
　→燃焼時間が延長する。
　　→トルクの低下
　　→排気温度上昇とブースト圧上昇（コントロールが困難になる），オーバーシュートの発生
　　　→エキマニやタービンへの負荷増大（熱，圧）
　　　　→エキマニ割れやタービンブロー

では逆に，その状態からコイルを新品に交換したら？

点火が正常になる
　→未燃焼ガスが減り，燃焼時間も正常化する
　　→有効なトルクの発生
　　→排気温度の低下，オーバーシュートの減少
　　　→エキマニ，タービン，触媒への負荷軽減

“そうとは限らないよ”という部分もあるでしょうが，ざっと挙げただけでもこんな感じです。


さてさて，ここまで書いていくと１年がかりで悩んできたいろいろな問題の答えが見えてくる気がしませんか？

さぁ，いよいよここからが本当の謎解きの始まりですｗ
全てを暴露できる日も近そうです。