「熱中症」という言葉はもう広く一般にも認知されている。
それがどういう状態かも少しは知っているだろうし,下手すると命にかかわることも知っているはず。
少なくとも,スポーツ指導にかかわるものであれば必ず勉強しているはずである。
昔は部活の練習中でも水を飲むなといわれた。
今はそれが間違いだと認知されている。
水分摂取は必須。
当然ながら,この試合中も水分は摂っていただろう。
ではなぜ熱中症が起こったのか。
水分摂取すれば熱中症は防げると思い込んでいないか???
そもそも,この炎天下で真昼間に試合をするのが高校野球。
それがかっこいいとか,すがすがしいとか,青春だとか,勝手な妄想を抱いて少年たちに押し付けていないだろうか?
日頃からあれだけトレーニングを積んでいるプロでさえコンディションを整えるのに細心の注意を払っているのに。
汗だくになって倒れるまで必死に野球をやり続ける選手の姿・・・美談にしてはいけない。
これは,間違った理想,間違った指導,間違った姿なんだから。
一つにはこれは高野連の問題だよ。
天候,気温,湿度によっては試合を中止,中断すべき。
日程が?って,そんなのは問題じゃなく,選手の健康と命を守ることが最優先のはず。
交代できる選手の数(=ベンチに入れる選手の数)ももっと増やすべき。
投手の投球数についても厳密に制限すべきだ。
守備の際には連続して炎天下に曝されることもあり,長時間に及んだ場合には一時中断してクーリングや水分摂取を行えるようにすべきだろう。
そもそも,真夏の真昼間の試合は避けるべきである。
選手たちはプロほど試合に慣れていないし,トーナメント戦はこの試合での勝ち負けがすべてだから,選手の緊張も並々ならないものがある。
そういうことをわかっているのだろうか?
試合を仕切っていた運営や審判団もだ。
一人,二人と熱中症の症状を発症する球児たちを見て,何も思わなかったのか?
はっきり言おう。
死者が出てもおかしくなかったのだよ。
試合会場にドクターはいなかったのか?
ドクターは試合続行になんとも思わなかったのか?
なぜ止めなかったんだ?
監督も,試合が終わってから「自分のミスだ」とか・・・
そうじゃない。
采配ミスではなく,試合を続けさせたこと自体が大きな過失なのだよ。
途中で止めなかった,試合中断を訴えなかったのは,選手たちじゃなく自分のことしか考えてなかったからじゃないのか?
選手たちのことを思うのなら,中断させてたはずだろう。
もう一度言おうか?
死者が出てもおかしくなかったのだよ。
ミスなんていう簡単な言葉で片付けていい問題じゃない。
そしてこの記事を書いた記者も,問題点をまったくわかっていないんじゃないか?
延長13回、8人しか…広工大、没収試合で涙 広島大会
晴れ渡った空の下、野球ができる幸せをかみしめて――。第93回全国高校野球選手権広島大会の開会式が9日、マツダスタジアム(広島市南区)であり、全95校の選手約2千人が入場行進した。開幕試合は賀茂が広を1―0で下し、第2試合は異例の展開で、井口が広工大に勝った。大会2日目の10日は6球場で1回戦16試合、3日目の11日は13試合が予定されている。
■熱闘4時間9分「暑さと緊張で…」
(井口7―7広工大 没収試合で井口の勝ち)
4時間9分におよぶ熱闘は、没収試合という無情な結末を迎えた。
延長13回表を終え、広工大で二塁を守っていた山内巧君(3年)がベンチに戻る手前でうずくまり、動けなくなった。この時点で試合に出られる選手は8人。13回裏の攻撃は無得点に終わり、広工大は14回を迎えられなかった。
午後3時前に始まった試合。整列するころには薄暗くなり、照明が灯(とも)った。
足を引きずる選手、両脇を仲間に抱えられる選手……。広工大の選手はベンチに戻ってからもしばらく動けなかった。ほとんどの選手が、目を真っ赤に腫らし、泣いていた。
試合が進むにつれ、選手に異常が見られた。足がつり、歩けなくなった。
先発の孫博君(3年)は力投を続けたが、6回に右翼の守備に代わった。4番打者として、4点を追う6回には、反撃の口火となる右前打を放ち、9回2死二塁の場面では、惜しくも走者が刺されたが、右前安打を放った。
しかし、延長11回の打席では踏ん張りが利かず、フルスイングした時に両足がつった。仲間に肩を借りて12回の守備につこうとしたが、守備位置で倒れた。
孫君は「暑さと緊張で頭がぼうっとした」と試合を振り返る。チームメートには「しっかり守って打ってくれた。感謝の気持ちでいっぱい」と話したが、「最後まで戦わずに負けたのが悔しい」と言葉を詰まらせた。
石田克之監督は「練習ではこんなことはなかった。よく考えた上での選手を起用したつもりでしたが、私のミス。選手は本当によくやってくれた」とたたえた。
広工大は先発メンバー9人のうち、13回までプレーを続けられたのは、主将の高山壮太君(3年)と、一塁手の鈴川源史君(2年)の2人だけだった。(中村瞬、清宮涼)
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スポーツ傷害の話 | スポーツ
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2011/07/10 23:14:54