
以前のブログで
「犯人は教えない」と言いましたが,
書いちゃいます。
なのでここから先は
映画をまだ観てなくて,犯人をまだ知りたくない人は見ないで下さい。
カウントダウン
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1
ハイ書きますよ。
この手の医療モノの映画を観るときにいつも感じるのは,この世界を知らない人に
誤解を招くようなものはやめてほしいということです。
平気でウソや間違った表現,あるいは紛らわしい表現を用いたりするのをみているとあぁ~これもそうだったかとうんざりします。
どの映画を観てもどこかの医療関係者が監修に入っているのにもかかわらずです。
なにやってんだよって憤りを感じます。
で,この映画がどうだったのかというと,知り合いの医者が吉川晃司に演技指導しただけあって,いつも気になるような点はちゃんと押さえられていました。>よくやった!○○先生!
でも,気になる点はいくつかあるのですよ。
1.大事な手術につく看護師はちゃんと選びますよ。
大友直美(看護師:井川遥)みたいなキャラと腕の人は,わざわざ選ばれないです。
病院としてもスタッフの選出には慎重になるでしょう。
あれだけ大々的に宣伝するくらいですから。
その手術につく専属のナースということであればなおさらです。
ま,これはたいしたツッコミどころではありませんが。
2.医療スタッフや病院を犯罪者扱いするのは,話としておもしろいかもしれないが,いたずらに医療不信をあおることにならないだろうかという懸念。
結果として手術をミスすることはありうる。
でもそれが
悪意によって生じたものであって欲しくないと祈りながら観てました。
つまり,わざとミスしたとか,明らかな殺意を持って行ったとかいう結果だったら嫌だなと。
最初,桐生恭一(心臓外科医:吉川晃司)と鳴海涼(病理医:池内博之)が手術ミスの原因として挙げられた時には,故意によるミスではなかったという点ではホッとしました。
視野狭窄という,術者としては明らかなハンデを背負った上で手術を行おうという考えには賛同できませんが,その点を差し引いても,桐生恭一には患者を助けたいという思いがあり,自分が手術を行わなければという責任感がありましたから。
実際,患者の術中死の原因は桐生恭一の手術ミスでは無かったですし。
でも,真犯人とトリックがわかった時には愕然としました・・・というよりも,また映画に裏切られた気がして失望しました。
書いちゃいますよ。
真犯人は氷室貢一郎(麻酔医:ココリコ田中直樹)です。
しかも,明らかな殺意を持って・・・無差別殺人ですし。
彼の死刑は間違いないでしょうが。
こんな映画作ったら,一般の方々は恐くて手術なんて受けられなくなるんじゃないですか?
医療紛争とかいろいろ問題になってますが,現実的には医療従事者の中に故意にミスをしようとか,殺人をしようとする人はいません。
社会全体がもっと暖かく受け止めないと,日本の医療はますます破綻していきます。
ミスする原因は何か?
その根本に皆が気付かなければなりません。
この映画の中にもその一部分は描かれているのですが,気付いた方がおられるでしょうか。
3.厚生労働省は現場を知りません。
お役所関係にありがちな話です。
厚生労働省の官僚の中に,ホントに現場を知っている人がどれだけいるでしょうか。
キャリア官僚の多くは現場を知りません。
現場に来ませんから。
全くいないとは言いませんよ,知人に一人いますからね。
現場を知っている人はごくごく少数だけです。
こんな風に医者が犯人で,厚生労働省の官僚(白鳥圭輔:阿部寛)が悪事を見抜いて裁く正義の味方みたいな描き方をされるなんて,何か裏から圧力があったとしか思えませんね(w
厚生労働省の行っている今の医療政策はそのほとんどが間違いです。
一つ問題提起します。
医療費の削減は,患者負担を減らして誰もが安価に医療を受けられるいいシステムだと思うのは大間違いです。
こういったシステムでは数年の間に経営破綻を起こして倒産する病院が出てきます。
しかも,皆さんが最もよく利用することになるであろう中規模病院です。
そして,いわゆる大病院は大きな赤字を抱えたまま,それでも存続をせざるを得ない状況に追い込まれていきます。
赤字解消の,何の解決策もないままに。
ちなみに,世のほとんどの公立病院は赤字経営です。
なぜ赤字なのか,考えたことがありますか?
なぜこんなことになるのか,それに対してどうすればいいのか,皆さんも考えてみてくださいね。
ちなみに,吉川晃司と彼が演じた桐生恭一・・・どちらもイニシャルはKKです。
何かのこだわりでしょうかね。
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映画評論家なっち♪ | 音楽/映画/テレビ
Posted at
2008/02/22 20:07:22