
年末なので激しくイキマスw
イレギュラーな仕様はイレギュラーな状態を作り出しイレギュラーな結果をもたらす。
そしてそこで起こったトラブルの解決のためには・・・
まずはイレギュラーな状態からレギュラーな状態に戻すこと。
それがトラブルシューティングの基本。
ここをみんな勘違いしている。
いや,本当はわかっている。
わかっているのにやろうとしない。
なぜか?
せっかく換えたのに,元に戻すなんて面倒だし,もったいないから。
パソコンだってそうでしょう。
新しいソフトやハードを入れたら動作がおかしくなった。
その場合,最も疑わしいのは新しく入れたソフトやハード。
アンインストールしたり外したりして動作確認するでしょ。
それでトラブルが解決されるかどうか。
それでダメならそれ以外のところに問題が新たに発生している。
で,一つ一つ検証していく。
では車では?
車にとってイレギュラーなものとは何か。
それはアフターパーツ。
全てのアフターパーツがイレギュラーな存在である。
何かを換えたらおかしくなった。
ではまずそこを戻して元に戻るかどうか確かめてみよう。
それで元に戻らなかったら,他に原因が潜んでいる。
でもみんなそれをしないし,悪意のあるショップではそこにさらにイレギュラーを重ねる。
「強化パーツ」
壊れてしまったものを“強化”するのだ。
“壊れにくく”するために。
でもその強化パーツは車にとってはイレギュラーな存在。
正しく機能してくれるのかどうかすら疑わしい存在。
そもそも,何を“強化”してあるのかすら定かではない。
そして多くの強化パーツには注意書きにこう記載されている。
「競技専用部品」
競技用パーツと聞くと純正パーツよりも耐久性もあがっており,車に対して様々な恩恵(パワーアップなど)を与えてくれそうな気がする。
だが,これは大きな間違いである。
そもそも,競技用パーツというのは耐久性を最優先して作られているとは限らない。
1レース持ちこたえればいいのである。
みなさんにとって最もわかりやすいであろう例を挙げよう。
スリックタイヤ
ね。
競技専用部品ですが,耐久性がありますか?
それどころか,1レースも持ちこたえませんよね。
このように,競技用パーツというのはある目的のためにそれに特化したパーツであって,純正パーツよりも全てにおいて優れているわけではないのだ。
ひょっとしたら一時的にエンジンのパワーが上がるかもしれない。
でもエンジンの寿命を極端に縮めるかもしれない。
そうじゃないものもある。
本当に役にたつパーツだってたくさんある。
使い方に気を付ければ問題ないですとかいうものだってあるが,じゃあその「使い方」って何だよ???
で,悪意のあるショップでは,一時的な快楽にユーザーを溺れさせ,その代償に・・・エンジンの寿命を削り取る。
まさに麻薬。。。
ひょっとしたらわざと壊れるような仕様にして売り上げを稼いでいるんじゃないのかとさえ思えてしまうような。
まるで▽▽▽。。。
こういうブログを書いているとそういうウワサも耳にするようになるんだよね。
トラブルシューティングの話に戻るが,この時点での最大の間違いは壊れた原因を直さずに壊れたものを強化パーツに取り換えるという行為そのものである。
暴飲暴食運動不足を直さずにダイエットサプリだけでダイエットしようとする行為と一緒。
ゴミ箱がいっぱいになったからと言ってゴミを捨てずにゴミ箱を買ってくる行為と一緒。
ボウリングでガターが出ないようにレーンの溝に板を敷く行為と一緒。
雨漏りがするからと言って家の中にバケツを置く行為と一緒。
強すぎるキャラを登場させておいて,悟空じゃ勝てなくなったからと言ってスーパーサイヤ人にしちゃうのと一緒。
うちの子の成績が悪いからと言って学校に怒鳴り込んでくるモンスター何とかと一緒。
料理がまずいのを素材のせいにするのと一緒。
自分に降りかかってくる不幸を周りのせいにしちゃうのと一緒。
根本的には何の解決にもなっていない。
子供向けのアニメの世界で行なわれる行為であり,プロとしてお客からお金をもらって堂々と行う行為ではない。
もう他に手段がない時に後ろめたい気持ちを背負って行う行為であることを自覚して欲しい。
チューニングショップ,パーツメーカー,出版社,他,関係各位に問いたい。
あなた方が目指しているものは何か?
チューニングという名のもとにユーザーにおかしなパーツを奨めていないか。
強化パーツという肩書に満足していないか。
そもそも,何を強化しているのか。
その結果犠牲になるものは何か。
それをあなた方はどれだけ理解しており,ちゃんと説明できるのか,そして説明しているのか。
本当に“強化”されているパーツなのかどうかすら疑わしいものだってこの世に山ほどある。
効果がないのにあるように見せかけるだけのパーツだって存在する(いわゆるオカルトグッズを代表として)。
間違った常識で使用され続けているものもある。
検証方法だっておかしなものすらある。
あるショップはホームページ上にこんな実験をしてみましたっていう結果を堂々と載せているが,博士号を持つ研究者としての立場からひとこと言わせていただければ,その検証方法は学問的に間違った検証方法であり,それから得られる結果をもって車の内部がこんなことになっているとは言えないので,厳しい言い方をするなら「そんな実験でユーザーを騙してはいけない。」
最も大事なデータは「それを使うことによって車(エンジン)がどうなったのか」だ。
そのパーツを使うことにより,エンジンの圧縮がどう変化したのか(あるいは変化しなかったのか),アペックスシールがどれだけ摩耗したのか(あるいは摩耗しなかったのか),それを示した方がよっぽど説得力もあるし,現実的であるし,ユーザーが知りたいところはそこなのに,実際にそれを行なっているところがあるだろうか?
無いからこそ,僕が純正オイルを入れて圧縮が回復したなんていうネタをブログに上げたら多くの人が飛びついてきたんじゃないだろうか。
あなた方はデータを持っているはずだ。
ならばそれを示してみるといい。
逆に,そういうデータが無いのなら,プロとして失格だ。
車はパソコンの上で走っているんじゃない,路上を走っているんだから。
みんなが知りたいのは,その生のデータなのだから。
触媒なんかはちゃんと実車でテストして検査に合格しないとダメなのにね。
他のパーツも本来はそうあるべきだよね。
もちろん,全てのショップ,メーカー,出版社が悪意に満ちているといっているわけではありません。
それはごくごく一部だけかもしれない。
でも,そのごくごく一部の存在を許してしまっている以上,みんな同罪だと思います。
車とオーナーを大切に思う気持ちがあるなら,わかってもらえますよね?・・・僕の言わんとしていることが。
どれだけの人に届くかな,このメッセージ。。。