ジャーナリスト・東谷暁 東電叩きによる「人災」
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110429/dst11042903050002-n1.htm
もういいかげんに「東電叩き」をやめてはどうか。たしかに、今回の福島第1原発事故については東京電力にも責任があるだろう。しかし、そのことといま蔓延している陰湿な東電叩きとはほとんど関係がない。
まず、東電の「想定外」発言を批判して何から何まで「人災」だと言うのは、恐怖に煽られた短絡にすぎない。この世の危険には確率計算できるリスクと、計算できない不確実性があって、リスクについて東電はかなりの程度まで想定していた。
最終的に今回の事故の原因となった非常用ディーゼル発電機不起動の確率は1000分の1だったが、東電はこれを2台並列に設置して100万分の1の確率にまで低下させていた。しかも、非常用ディーゼル発電機は頑丈で津波にも拘わらず一旦は起動したが、この非常用ディーゼル発電機のサブ冷却系が津波にやられていたためオーバーヒートして途中で停まったとの説は有力である。
なかには、巨大な津波が来ることは分かっていたのに、低い防潮堤しかなかったため事故が起こったのだから、東電が対策を怠ったことになるという人もいる。しかし、これまで14メートルを超えるような津波は三陸海岸のものであって、福島浜通りに来たという記録はない。また、最近おずおずと発言を始めた地震予知学者たちも、口を揃えてマグニチュード9は想定していなかったという。それでどうして東電がマグニチュード9によって起こる巨大津波を想定できるのだろうか。
そもそも、たとえ東電が巨大津波を想定していたとしても、できる対策とできない対策がある。もし想定できることはすべて予防策の対象とすべきなら、岩手、宮城、福島3県の海岸に、巨大防潮堤を建設しなかった県および政府は、あれほど多くの被災者を、最初から見捨てていたことになるのではないのか。
私が東電叩きをやめろというのは、それが私たちにとって損だからでもある。東電叩きには、東電に責任があるから政府は援助をするなとか、東電を解体しろという主張すらある。しかし、これこそ、私たちに新たなリスクを負わせることになるだろう。
これまでも高度な技術をもった事業体を解体したさいには、巨大なリスクが生まれた。国鉄解体では組織内の技術が守られたかに見えたが、JR西日本では制御技術と技術者集団の継承性が損なわれて、福知山線事故という悲劇を生み出した。
また、JALについてはいま給与体系や親方日の丸体質ばかりが論じられるが、最終的に利用者の信用を失ったのは多発した事故だった。この場合も、半官半民から完全な民間企業への変身が強調されるあまり、整備という航空業のコアを外注してしまうことで、組織内に蓄積された安全技術が流出したからである。
原発という技術は、現代における最先端の技術の塊のようなものであり、ことに安全を確保するための制御技術は、設計者と使用者との間の連携が失われれば機能が低下してしまう。しかも、制御技術は組織そのものによって維持されている。これを東電叩きに乗じた怪しげな扇動によって解体してしまえば、新たな事故を招来しないともかぎらない。そうなってしまえば、今度こそ、東電叩きによる「人災」ということになるだろう。(ひがしたに さとし)
以上,コピペです。
全面的に賛成でも全面的に反対でもないが,こういう意見,考え方もあるということで紹介する。
直接被害にあった方からすると何言ってんだバカ野郎!となるかもしれないし,今は東電を受け入れる気持ちになんてなれないかもしれないが,少なくとも直接被害を受けていない人は考えてほしい。
批判だけして何になるのかを。
もちろん,批判も必要。
でも批判するだけで他に何かしているか?
少なくとも,代案を考えているか?
批判だけするなら,君たちが嫌っている民主党がかつて自民党政権時代に野党として与党の批判ばかりを繰り広げていたのと,全く同じことを君たちはやっていることになるのだということ,気付いているよね?
世に溢れているのは民主党批判と東電批判の記事ばかり。
叩く方は「してやったり!」な感じで気持ちがいいのかもしれないが,果たしてそうか?
そしてそれを聞く人たちの感情は?
自分のとこの政権がいかに愚かしいかをこうも毎日すりこまれていたのでは気分も鬱になるだろう。
民主党叩きや東電叩きが必ずしも世の中をいい方向に導いているとは僕には到底思えないのだ。
もちろん,批判されるべきことや,正すべきことがないなんてこと,僕は一言も言わないし思ってない。
彼らにも非はある。
ただし,叩かれていることの何もかも全てが本当に彼らに非があることは思っていない。
一方で全く叩かないのもそれはそれで異常だと思う。
おかしなことをしておいて叩かれなければ民主党や東電じゃなくたって,それこそ自民党だってますますおかしくなっていくだろ。
彼らをけん制する意味でも,ここというところで一発ガツンと叩いて喝を入れることは必要なのだ。
でもみんながやっている批判は果たしてそういう類のものかどうか。。。
ただの揚げ足取りにしかなってない人もいるよね。
その批判を今君がするということの意味を考えてみてもいいと思う。
君自身があの日あの時に政権を握っていたらどうしていたか。
君自身があの日あの時に東電の幹部だったらどうしていたか。
君自身があの日あの時あの場所にいたら何をどう判断しどう動いていたか。
それを考えた時に,君は世の中から批判されずに君のなすべきことを100%成し遂げられる自信があるというのか?
少なくとも僕にはその自信はないな。
君自身にその自信があり,それを全うできるというのなら世の中を叩きまくる権利は君にはあるのだろう。
しかし,この世には40数億の人がいて,日本には1億2千万人以上の人がいるという事実を踏まえたうえで,それでもなお彼ら全員が納得するような,誰にも批判されないような答えを出せると,果たして君は言えるのかな?
誰かの行動を批判する前に,その行動がいったい誰にとって正しい考え方で,誰にとって間違った考え方なのか,逆の立場の君の考え方が誰にとっては正しくて,誰にとっては間違った考え方であるか,一歩立ち止まって考えてみてはいかがかな。
実は自分の考えが非常に利己的であることに気付くこともあるだろうに。
いや,というか,ほとんどの人の意見はそうだと思う。
もちろん,僕も含めてだ。
そしてその批判の手段も,果たして本気で批判をしているのかどうかも怪しい方法ではね・・・
例えば,本当に原発を無くしたいのなら,一番確実な方法はネット上でごちゃごちゃ文句を言ったりブログで批判したりすることじゃないだろうに。
もっともっと確実な方法があるだろって言いたい。
多分その方法はみんなも知っている。
でもそれをしないのは,結局そうやって叩くことで自分を正当化しているだけ,自分に対する「慰め」,自慰行為にすぎないのではないか。
そうとさえ言える。
こういう僕がここでこうやって批判をするのも自慰行為にすぎないのだけどねw
見苦しいことも自覚しています。はい。
ホントはもっと楽しいブログ書きたいんだよ。
みんなだってそうだろ?
Posted at 2011/04/29 21:02:57 | |
トラックバック(0) |
東日本大震災 | ニュース