今すぐ危機的状況に陥るわけではありませんが。
こんなニュースあります。
九電、玄海原発2、3号機の再開延期 夏に停電の可能性
http://www.asahi.com/business/update/0324/SEB201103240012.html
九州電力は24日、定期検査で運転を停止している玄海原子力発電所(佐賀県玄海町)2、3号機の運転再開を延期すると決めた。東京電力の福島第一原発の事故を踏まえ、運転再開には地元の理解を得にくいと判断した。夏まで続けば、電力需要をまかないきれない可能性があるという。
真部利応社長が記者会見して発表した。2号機、3号機の順で来週から運転再開する方針だったが、転換した。「福島の事故が想定よりも長引き、支店に不安の声が届けられていた」といい、再開時期は「決まっていない。安全対策など国の新たな方針が出てから検討したい」とした。
原発の運転が停止し続ける間は、火力発電所をフル稼働して需要をまかなうが、5月上旬には川内原発(鹿児島県薩摩川内市)1号機も定期検査に入る。運転の見合わせが続けば、九電の電力の4割をまかなう原発計6基のうち半数が止まることになる。
原発3基の発電能力は262万キロワット。夏のピーク時の電力供給の約15%分に当たる。停止中の火力発電の5基計202万キロワット分ではカバーしきれない。真部社長は「供給はおそらく足りなくなる。長引けば計画停電の可能性も否定できない」と説明。「現時点では生活に支障がない程度に節電をお願いしたい」と話した。(大畑滋生)
西日本は節電なんかせんでもええんじゃ~!と言っていた方もこれでちょっとは気が変わるでしょうか?
日本の電力供給は25~50%が原子力発電に頼っています。
http://www.kepco.co.jp/knic/post/anser/q1.html
関西電力は半分が原子力発電だって。
今回問題になっている福島は全国の原子力発電の23.7%で第2位,関西電力の福井は27.4%でトップだそうです。
http://www.kepco.co.jp/gensi/fukui/index.html#1
多くの人々の生活が原子力発電で支えられているという実態は知っておく必要があります。
常日頃から電力を浪費しながら一方で原子力発電をただ否定するのは偽善者のただのパフォーマンスに過ぎず,現実を知らない愚か者ということすらできます。
それではやっていることはシーシェパードと変わりありません。
利便性と危険性,そのどちらかだけを強調してはなりません。
大きなエネルギーを産み出すということは,それだけ大きなリスクも背負うことになります。
エネルギーに関して言うと「ハイリスクハイリターン」「ローリスクローリターン」これしかないのです。
なぜなら,「エネルギー保存の法則」がそこにはあるからです。
そして,「大きなエネルギー」そのものがリスクであるからです。
そこに,原子力発電には放射能という問題が上積みされます。
火力発電であれば燃えてしまえば終わります。
原子力発電ではその廃棄物ですら未来永劫人々を苦しめることは厳然たる事実です。
クリーンエネルギーなんて嘘っぱちです。
そりゃ何億年という単位で考えればクリーンと言えないこともないですがw
EVやHVがそのバッテリーの処分に困るという点で似非エコ商品であること以上に,原子力発電は似非クリーンエネルギーです。
そのことは,世界中の人々が知っておく必要があり,自分たちの生活のためにそういう危険なものを使っているのだということ,そしてほとんどの人々はその危険から遠く離れた地域に住み,見て見ぬふり,気付かぬふりをしているのだということを自覚しなければなりません。
実際,こんな事故でも起こらなければ人々は原子力発電のことを本気で考えることはなかったでしょうし,危険性を自覚することもなかったでしょう。
あらためて思い知らされている・・・という状態です。
もちろん,こう書いている僕も含めて。
ちょっと長くなってきたので中略(え?!w
人類の歴史はエネルギーの歴史でもあります。
原子力発電によって人類は莫大なエネルギーを手にすることができるようになりました。
ですがそのエネルギー源も永久ではありません。
ウランは世界中で使いまくればあと数年で枯渇するというウワサもあります。
数年が大げさだったとしても,いつかはなくなります。
あれだけあった石油だってなくなると騒がれているのですからね(真偽のほどは定かではありませんがw)。
新たなエネルギー開発なくしては限られた未来しか開かれません。
ですが先ほど述べたように,「ハイリスクハイリターン」は変わりません。
変えられるのはエネルギー変換効率だけではないでしょうか。
いかに効率よくエネルギーを取り出し,運搬し,利用するか,それに尽きると思います。
そしてそれと同時に今われわれ人類に求められているものは「エネルギーに頼らない生活」に徐々にシフトしていくことでしょう。
そもそも,人間が作り出せるエネルギーはごくわずかであるにもかかわらず,消費するエネルギーが大きすぎます。
環境や生態系において,人間ほど特殊な生き物は他に存在しません。
人間の存在は,環境や生態系を悪い方へとしか変移させていきません。
そんなことないという方もおられるかもしれませんが,結局人類がやっていることは自分たちが悪化させたものを自分たちで直そうとしているだけに過ぎませんよね。
人類の存在そのものが地球にとって悪なのかも・・・そういう考えが生まれてくるのも頷けるものはありますね。
そうならないようにするのが人類の責務でもあると思いますが。
地球からもらうだけもらっといて何もお返ししないのはねぇ。
今一度,みんながエネルギーについて考えるいい機会だと思います。
あ,東電は電気代の値上げを検討していますね。
※僕は原子力を全面的に支持するわけでも全面的に反対するわけでもありませんが,理想論を述べるなら「無いに越したことはない」と思っています。