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2018年02月04日

デミオ、CX-3、アクセラのリコールについて(詳細)

早いですが、本日リコールを受けてきました。
作業時間は1時間半を予定し、実際は1時間程度で終わりました。
ついでにマツダコネクトを最新版の v59.00.540 にアップデートしましたが、その件は後日。

まずは、デミオ、CX-3、アクセラのリコール(1)についての説明文書です。


1つめのリコールは空吹かし時に異常燃焼により過回転となり、最悪の場合、エンジンが破損するおそれがあるとのこと。
昨年には SKYACTIV-D 2.2 でも同様のリコールがありました。

 CX-5、アクセラ、アテンザのリコールについて
 http://www2.mazda.co.jp/service/recall/ra/20170217107/

 (5) ディーゼルエンジンにおいて、過回転制御が不適切なため、アクセル全開等の際、吸気経路内
   のブローバイガスに含まれるオイルが燃焼室内で燃焼し、エンジン回転が上昇することが
   あります。そのため、エンジンの潤滑が不足して焼き付き、最悪の場合、エンジンが破損する
   おそれがあります。

空吹かし時は負荷がないため過回転を起こしやすいのですが、ブローバイなどを吸い込み異常燃焼した場合に、稀に過回転を起こすことがあったようです。(国土交通省によると21件)
詳細は資料に書かれていますが、エンジン制御用コンピュータのプログラム変更で対処できそうな内容ですね。原因も処置も理解しやすいリコールかと思います。

作業の方はエンジン制御プログラムを更新し、DPF強制再生をやって終わりでした。

次は、デミオ、CX-3、アクセラの予見性リコール(2)についての説明文書です。


これに関しては、作業らしい作業はありませんでした。
エンジン制御プログラムで記録されているエラーを確認し、特に記録されていなければ終了です。
もしエラーが記録されており、下記の部品交換が必要となったら、部品が揃ってから後日交換となる模様です。

■予見性リコールとは

予見性リコールとは聞き慣れませんが、平成19年に始まった国土交通省のリコール検討会「リコールについては、不具合部品の全数改修がすぐに行われるとのイメージが定着している感がある。 しかし、不具合に予見性があるものについては、不具合が予見された時点で改修する等、不具合の内容に応じて、柔軟な対応が取れることを明示する必要がないか。」ということも検討されています。

今回も、最悪の場合は「道路運送車両の保安基準に適合していない又は適合しなくなるおそれがある状態」になるからこそリコールとなるわけですが、突然なる訳ではなく、不具合発生に予見性がある、つまりある程度の兆候があったのちに「道路運送車両の保安基準に適合していない又は適合しなくなるおそれがある状態」になると想定されることから、予見性リコールという手段が取られたということになります。
これはマツダが勝手に予見性があると判断している訳ではなく、国土交通省にもこれまでの状況を相談した上で予見性リコールとしているのは間違いないでしょう。

他社の事例を1つ挙げると、三菱自動車でも平成26年に次のような予見性リコールを出しています。

 eKスポーツ・トッポのコンビネーションメータについて
 http://recall.mitsubishi-motors.co.jp/Recall/displayselect.do?orderno=13394

対策としては「全使用者に対し当該不具合について周知し、 表示不良の申し出があった場合はコンビネーションメーターを対策品に交換します。」となっていて、要は不具合が発生したら対処します、というリコールです。
対策品に交換する=治らないから対処し続ける、ではありませんし、対策品に交換する=絶対に同じ不具合は起きない、という訳でもありません。

明らかな悪意をもって「治らないから予見性リコールになった」という嘘を吹聴する人もいますが、予見性リコールとはそういう性質のものではありません。そういった虚偽情報は、多くの人が無責任に書き込むことができる掲示板からは無くなりませんので注意しましょう。

■不具合の状況

要約すると、低車速での加減速運転を繰り返すと、燃焼時に発生する煤が多くなり、それがインジェクタ噴孔部に異常堆積し、燃料の噴霧状態が悪化することで、さらに煤の量が増える悪循環となり、排気側バルブガイド周辺に異常に堆積することがある、ということになります。これらの症状は前回リコールと同様です。(前回リコールのディーラー向け説明資料に、写真付きでそれらの説明があります。)

ではなぜ今回予見性リコールになったのかは、国土交通省の資料にこのように記載があります。

 (備考)本届出2は、平成28年9月1日付け届出番号「3885」のリコール届出において、
     新たな原因が判明したため、リコールを実施するものである。


つまり前回のリコールで原因とされた、

 ・長時間のアイドリング
 ・十分に暖気しない10分以下の短距離走行の繰り返し

に加えて、

 ・低車速で加減速する走行の繰り返し

で同様の症状が発生することが判明したため、予見性リコールとして追加処置されたということになります。

具体的に、「低車速で加減速する走行」についてメーカーに確認しましたが、渋滞などで加速、減速を繰り返す状況を指すようです。特に白ランプが点灯するようにアクセルを強めに踏み込み加速して停止するのを繰り返すのは良くないとのこと。

■改善処置内容について

「エンジン警告灯またはグローランプが点滅した車両は、エンジン制御コンピューターを点検し、該当するものは、排気バルブに堆積した煤(スス)の除去を行います。
合わせて排気バルブの閉じ方を強化した排気バルブスプリングと、煤堆積の影響を受けにくいインジェクタに交換します」

とのことです。
前回のリコールで処置された車両や、車両生産時期によっては新車時から強化された排気バルブスプリングを導入済みの車両もありますが、そうではない車両も多く走っていますので、改善処置内容としては前回のリコールと同様になるのは当然ですね。
(つまり必ずしも前回と同じリコール処置を同一車両に繰り返しているという訳ではないということ)

またメーカーに確認した際は、リコール(1)で更新される最新のエンジン制御プログラムも、リコール(2)の改善処置内容としては記載されていないものの、リコール(2)にも関連する、様々な改善もされているとのことでした。

ちなみに煤堆積の影響を受けにくい改良されたインジェクタの型番は S56013H50A です。私も昨年3月にインジェクタを交換していますが、残念ながらこの改良型インジェクタではない様でした。

私の場合は、インジェクタ噴孔部への煤の異常堆積まではしていないことは確認しています。また、インジェクタ交換に至る不調は、新車状態から5ヶ月、走行距離も1万km未満、長距離走行主体の乗り方で発生しています。インジェクタを交換した後は、交換前より明らかに短距離走行が増え、長距離走行が減りましたが、1年が経とうとしている今も DPF再生間隔は 200km を超えています。
結論から言えば、乗り方も煤も関係なく、私のように単なるインジェクタの不調だったと言える状況もあるということです。

■結論

今回のリコールを要約すると、

 ・以前のリコール時と違う理由により、同様の不具合が発生するケースが見つかった。
 ・重大な不具合に至る前に、失火によるエンジン警告灯点灯などで、不具合の兆候が現れる。
 ・不具合の兆候が現れた車両には、前回リコールと同様の処置が行われる。
 ・加えて、改良された煤堆積の影響を受けにくいインジェクタに交換される。
 ・エンジン制御プログラムも以前より改良されている。

というのが現時点で私が得ている情報です。
決して「完治しないから壊れたら部品を延々と取り替える」という性質のものではないのは明らかなのですが、不特定多数が無責任に書き込む掲示板では、個人の根拠のない思い込みが、まるで事実のように書き連ねられているのが実態です。

しかも、掲示板に書き込んでいる荒らしの一人は、私が以前記事にした大阪の冴えない在庫すら持てない自称中古車屋であるらしいことが判明。
私のブログを丹念に読んでいただいていると思われる方もいるのですが、不特定多数が無責任に書き込む掲示板は、正しい情報の収集はもちろん、正しい情報の拡散にも役に立たない場所だというのが実感です。

■追記(2018/3/31)

今回のリコールで制御プログラムを書き換えた結果、MRCC(前車追従走行)と定速走行の切り替え方法が少し変更された様です。

従来は MODE スイッチを押すと MRCC と定速走行のトグル切り替え、変更後は MODE スイッチ【長押し】で定速走行に切り替わります。

詳細はこちらの記事で。

 MRCC と定速走行の切り替え方法が変更
 https://minkara.carview.co.jp/userid/2738704/blog/41287617/
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Posted at 2018/02/12 01:26:56

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この記事へのコメント

2018/02/12 21:09:47
こんばんは。
私もリコールにネガなイメージないです。
どんどん改善が盛り込んでくれればと
実は楽しみです。
まっ8万キロ走ってウチのデミオDにトラブル無いから言えるんですが。(平日は10分のチョコチョコ乗りですが)

スカイアクティブDだけにケチを付けるわけじゃないですが
直噴全般の煤(ガソリンも含め)が出るのを、なるべく少なくしたいのは事実。

煤が燃え残る=出力に変換出来てないので
より燃料噴射の高圧化、霧化促進はマツダにも特別ブレイクスルーがあるわけじゃないし
世界中の自動車メーカー同様追い求めてくしかないですね。

あとENGオイルについても、燃料噴射やブレーキの負圧ポンプもディーゼルは絡んでくるので厳格にユーザーに指示出来ればトラブル減らせるのに‥
メンテナンスフリーの時代に煙たがられますね‥




コメントへの返答
2018/02/13 10:32:28
本文に書いた通り、トラブルがないどころか、納車後5ヶ月でインジェクタを交換しても、リコールにネガなイメージないです。

正直、リコールの度に吹き上がっている人達の心情はよくわかりません。完璧な商品を買ったつもりなのでしょうけど、カローラの1.5Lでもリコールがないとは言い切れませんからね。

さて、そのうち記事にしようかと思っていますが、デンソーが 180Mpa の第2世代高圧インジェクタを開発したのも、マツダが大きく関わっています。
今回の 1.5D に採用されているインジェクタ先端のざぐり加工もマツダとの開発ですすめたようですし、燃料噴射の霧化促進も含め、マツダの燃焼技術は世界でも最先端の1社だと思います。

エンジンオイルに関しては、DL-1 指定とは言え、マツダとしてはスカイアクティブD専用オイルを使って欲しいでしょうね。ホンダなどはほぼ専用オイル化されているので(粘度表示すらない)、その方向に進んでいくのではないでしょうか。

今回、インジェクタも改良された様なので、一度実物を見てみたいと思っています。
2018/02/13 23:02:16
DENSOの次世代の燃料噴射i-Artですね。

VOLVOがi-Art名義で市販したのが早かったですが
MAZDAはCX-8でi-Artの名前を初めて出してきたか?な。

VOLVOとマツダで内容が違うらしく
たしかDENSOとマツダで共同開発を謳ってるので
開発費持つ分、他より安く出してるもらえてるかもしれませんね(これは憶測)

ただBOSCHと付き合うよりかは確実に制御プログラムを見せて貰え、マツダ自らコントロール出来るはずなので(BOSCHはFI-ECUも丸抱えで非公開の契約しかしないです)
DENSOと付き合うメリットは大きいです。

1.5Dが今後もピエゾ素子じゃなく、ソレノイドで行くのか。
コストかけても燃焼良くするなら、バラツキと再現性からピエゾだと思いますが
インド市場見据えてソレノイドを極める考えも、有るのかもしれませんね。
コメントへの返答
2018/02/22 18:44:50
コメントありがとうございます。

返信が大変遅れて申し訳ありません。

VOLVO がいち早く i-Art 搭載のデンソー第4世代インジェクターを採用していましたが、これは G4S と呼ばれる第4世代ソレノイドインジェクタでした。

今回、マツダが採用したのは G4P と呼ばれる G4S をベースにしたピエゾインジェクタです。
ですからインジェクタ単体では VOLVO に採用されたものより高いはずなんですけどね。

第3世代のピエゾインジェクタ(G3P)は最小噴射インターバルが 0.1msec でしたが、G4P はそれがほぼゼロになりました。

CX-8 に採用された急速多段燃焼を実現できたのも、この G4P の近接多段噴射によるものではないかと考えています。

マツダとデンソーの関係は第2世代インジェクタ開発の頃からで、マツダがインジェクタに必要な性能をデンソーに示し、デンソーはそれをできる限り実現し、実現できない部分はマツダがエンジン側でカバーする、という関係であった様です。

その辺りが FI-ECU 丸抱えで、ともすると「部品を買ってきて BOSCH の言うとおり設計するとエンジンが出来上がる」といわれる BOSCH とは大違いですね。

1.5D については G4.5S と呼ばれるものが開発されています。
詳しくは今度記事にできればと思います。

頂いた返信が大変楽しい内容だったので、ちゃんと返信しようと思っていたら時間が経ってしまいました。

これに懲りず、これからもよろしくお願いします。
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