• 車種別
  • パーツ
  • 整備手帳
  • ブログ
  • みんカラ+
イイね!
2018年02月17日

LANBOデザインステアリング:C-HRでのステアリングの脱着 (2/2)

LANBOデザインステアリング:C-HRでのステアリングの脱着 (2/2)









前回「LANBOデザインステアリング:C-HRでのステアリングの脱着 (1/2)」に引き続いて今回は2回目(2/2)、ここからはステアリングプーラー(以下プーラー)を用いたステアリングの取り外しについて説明します。ただし、プーラーの説明書は詳しく書かれたものはありませんので、私なりの理解で説明しますのでご了承下さい。

なお、これら作業について同様の事をされる場合には、すべて自己責任でお願いします。


プーラーはこのようなものです。ブログ「LANBOデザインステアリング:C-HRでのステアリングの脱着 (1/2)」で書いたように左右のシルバーのボルトは付属のボルトがトヨタのステアリングの穴に適合しないため、M8 1.25ピッチ・8cmのボルトに入れ替えています。左右のシルバーのボルトでプーラーをステアリングに固定して、中央の黒いボルトを締める事により、ステアリングを逆にPULL(引っ張り出す)する事になります。なのでプーラーと呼ばれるんですね。

alt


alt


alt




プーラーを使う際にまず、外しておいた中央のナットを再度装着します。

alt



この際、ナットは奥一杯まで回して差し込むのではなく、抜けない程度(2〜3回転ぐらい)浅く挿し込むのがポイントです。

alt





ここからは写真とイラストを使ってその原理(想像だけどたぶん間違いない)を説明します。

これはステアリングを外した後で撮った写真です。土台(軸)部分はこのようになってます。根元部分は筒状のシリンダーの周りに縦に溝が刻まれています。

alt



前に示したようにステアリング側にも中央の円形の枠の内側に溝が切られていますが、溝は上側半分にしか切られていません。

alt


裏側から見ると筒の内面がツルツルですね。ここには溝が切られていないのです。
alt



ここからはイラストです。上の赤いパーツがステアリングの軸(左右の黒いものがステアリングのつもりです)、下の青いパーツが土台(軸)と考えて下さい。土台(軸)には円形の筒があり、筒の外周には外向きにギザギザの溝が垂直に真っ直ぐ刻まれています。土台(軸)の中央にはナットが入る軸があり、ナットが締まるように螺旋状に溝が刻まれています。

一方、ステアリングの中央には円形の枠があり、枠の内側には土台(軸)の溝に合うように垂直に真っすく溝が刻まれています。ここで注意してほしいのは、ステアリングの枠の溝は上側半分くらいしか刻まれていません下側半分はつるつるになっているのです。この半分がつるつるというところがステアリングを引き抜く際のポイントになってきます。

alt




二つのパーツが下図のように合わさって固定されています。

alt



さらにナット(イラストでは紫、実際は濃緑)が締められ、固定が強固になっています。

alt



ステアリングを外すときはまず中央のナットを外します。

alt



中央のナットを外せば、原理的にはステアリングを引き抜く事は可能です。しかし、根元でギザギザの溝にはまっているのでそう簡単には引き抜けません。引き抜くためにはまっすぐ強い力で引っ張る必要があります。ただし、ステアリングには根元のスパイラルケーブルユニットからケーブルがついていますので注意が必要です。

alt



ステアリングを引き抜こうと思いっきり引っ張った拍子に、ステアリングがスポンと手前に一気に引き出される恐れがあります。その場合、ケーブルが付いたままだと、根元のスパイラルケーブルユニットを壊してしまう恐れがあります。また、一気に引き抜かれたステアリングで胸や腹部を思いっきり打撲する危険もあります。スパイラルケーブルユニットを痛めないように、ケーブル類はあらかじめ抜いておいて下さい。

alt




ステアリングが一気に引き抜かれるのを予防するために、中央のナットをすこし浅めに装着すると良いです。

alt



こうすると、ステアリングが一気に手前に引き抜かれても、浅く締めたナットがストッパーとなって、それ以上引き抜かれる事を予防できます。

alt



このようにすれば、特殊器具を用いなくても抜く事は可能です。

ただし、特殊工具(プーラー)を使用する事で安全で簡単にステアリングを外す事が可能です。

プーラーは前に説明したように、このような工具になります。

alt



プーラーは下図のような方向で用います。

alt



両端のシルバーのボルトをステアリングの両サイドの穴になるべくステアリングに平行になるようにセットします。これで、プーラーの横枠とステアリングが平行に一体化しました。

alt



実際の写真の様子です。プーラーの両サイドのボルトには付属のワッシャー(円盤ですね)を取り付けて、締め付けます(この方が、シルバーのボルトの締め付けが均等になります)。シルバーのボルトは1cm~2cmぐらいは締め込むようにして下さい。浅いと力をかけたときに、抜けてしまうおそれがありますし、穴に切ってある溝を痛めてしまうおそれがあります。

alt



ステアリング中央の突起には元々のナットをストッパー代わりにすこし浅めに締め込んでおきます。写真ではこのようになります。

alt



次に、プーラーの真ん中の黒いボルトの先端に付属のキャップをナットと背中合わせとなるように装着します。

alt



下の写真のように、キャップの平らなところをナットに接するように(平らなところをこちら側ではなくて向こう側にして)セットします。これからわかるように、ナットとキャップは背中合わせに接触するだけで、溝等で接合する訳ではありません。

alt



キャップの凹み部分をプーラーの中央のボルト先端にセットします。

alt



セットしたところです。キャップの凹みに中央の黒のボルトの先端をセットしているので、ピタット背中合わせにした際にキャップが下に落下する事はありません。

alt


alt


alt




プーラー中央の黒いボルトには14mmのソケットが適合します。

alt


alt



ソケットにトルクスレンチなどを取り付けて、右回しで中央のボルトを締め込んでいきます。

alt


alt



イラストではこのようになります。左右のシルバーの2本のボルトでプーラーとステアリングは一体化しています。その状態で中央の黒いボルトを押し込んで行くと、(青い)土台の対して(赤い)ステアリングは引き出される(PULLですね)形になります。

alt


alt



ここで、注意しておいて欲しいのは、土台の円筒部の外側にはずっと溝が切られていますが、ステアリング側の筒の内側部分には上側の半分しか溝が切られていません。

したがって、ステアリングが半分ほど上に引き抜かれると、溝どうしの勘合がはずれる仕組みになっているのです。

なので、ステアリングが半分ぐらい引き抜かれると、ステアリングの勘合がゆるんで回るようになります。この状態になればステアリングはフリーとなっているので、ゆっくり・そぉーと引き抜く事ができるのです。

ステアリングが軸状でカラカラと回るようになったら、トルクスレンチを外して、プーラーも外す事にします。

alt


alt



プーラーも外した所ですが、この時点では中央にナット(濃緑)を浅く締め込んでいるので、ステアリングが抜ける事はありません(安全ですね)。

alt


作業の様子の動画がこちら。中央のナットを装着しているので、ステアリングがぐらぐらになっても、引き抜けない状態をキープできているので安全です。




そして、いよいよ、中央のナット(濃緑)を外してステアリングを抜くことにします。この際には、エアーバックのケーブルがひかっからないように注意して下さい。強くひっぱる必要は全くなく、ゆっくり引き抜けるので、気を付けていれば大丈夫です。

alt



ステアリングを抜き終わったところです。奥にスパーラルケーブルユニットが残っていますが、ユニットを回さずにそのままの状態でキープします。カプラーが上(時計の12時)の状態でないと、ステアリングを装着する事ができませんが、左右どちらかに1回転させるなどしてからステアリングを装着し、そのままステアリングを回すと、スパーラルケーブルの故障の原因となります(内部のケーブルが断線します)ので注意して下さい。

alt




外した純正ステアリングの背面に装着されているカバーを外して(爪などで固定されています)、新しく装着するステアリングに取り付けて下さい。

alt


alt


alt


alt



外したカバーを入れ替えるステアリングに装着します。

alt


alt


alt


alt




ステアリングは慎重に位置合わせをして取り付けます。中央の軸にマジックで水平部分をマーキングしているのを利用して、新しいステアリングの左右の穴の水平部にもマジックで印を付け、その高さを合わせるようにして位置を調整しました。その後、中央に固定用のナット(濃緑)をセットします。

alt


alt


alt




再固定時、中央のナットはトルクスレンチで50 N・m(C-HRの電子技術マニュアルで規定されています)にセットしてボルトを締めました(そんなにきつく締めなくてもよいと思うんですけどね〜)。

alt


alt


alt


alt





あとは、カプラーを戻して、クルコンユニットも移植しました。

alt




エアーバックは装着していませんが、この状態で走行は可能です(エアーバックのエラー警告灯は点灯してますが)。周りの道路を少しだけ走って、ステアリングの軸がずれていないかどうか確認しました。大丈夫と判断した上でエアーバックを戻して完了です。テスト中はくれぐれも安全運転です。可能であれば、公道でないところ(公園や駐車場など)を走って確認すると良いでしょう。エアーバックなしで事故をした場合、道路交通法違反にはなりませんが、保険適応外になる場合があります。

alt

alt



alt


alt


このようにして今回純正ステアリングからLANBOデザインステアリングTYPE-II [C-HR}に変更しました。いくつか注意点はありますが、自分で十分DIY可能です。もしこれからステアリングの脱着をされる予定のある方は参考にしていただくと幸いです。


C-HR FANの過去の投稿リストはこちらです。


C-HR FANの投稿リスト8 (2019-04-18~)

C-HR FANの投稿リスト7 (2019-01-23~)
https://minkara.carview.co.jp/userid/2755058/blog/42437469/

C-HR FANの投稿リスト6 (2018-10-15~)
https://minkara.carview.co.jp/userid/2755058/blog/42065882/

C-HR FANの投稿リスト5 (2018-07-12~)
https://minkara.carview.co.jp/userid/2755058/blog/41712835/

C-HR FANの投稿リスト4 (2018-03-09~)
https://minkara.carview.co.jp/userid/2755058/blog/41209960/

C-HR FANの投稿リスト3 (2017-12-10~2018-03-011)
https://minkara.carview.co.jp/userid/2755058/blog/40832099/

C-HR FANの投稿リスト2 (2017-09-04~12-08)
https://minkara.carview.co.jp/userid/2755058/blog/40524491/

C-HR FANの投稿リスト1 (2017-05-20~09-03)
https://minkara.carview.co.jp/userid/2755058/blog/40524264/
ブログ一覧 | 日記
Posted at 2018/02/20 06:42:59

イイね!0件



今、あなたにおすすめ

ブログ人気記事

お疲れ様でした🙇
ゆう@LEXUSさん

お客様が型取りにいらっしゃいました ...
FJ CRAFTさん

娘っ子の家に遊びに行こぉ〜っと。
大十朗さん

🥢グルメモ-1,002 伝説のス ...
桃乃木權士さん

映画と同じストロベリームーンが見え ...
Iichigoriki07さん

キンチョールの会社は金鳥ではない⁈
kazoo zzさん

この記事へのコメント

2018年2月20日 8:18
おはようございます

いつもながら詳しい手順、参考にさせて頂いています。
また一つ特殊工具が増えたのですね。
何年か経って振り返っても「これ要るのか」と思うような工具は家にもあります。
家の近くにアストロプロダクツのお店が出来たんですけど、特殊工具エリアは楽しいです。
何に使うのか解らない工具だらけなので。
これからも詳しい解説を期待しております。
コメントへの返答
2018年2月20日 9:19
いつもコメントありがとうございます。

参考になれば幸いです。
メンテナンスDVDではプーラーがどうして必要なのかわかりませんでしたが、実際作業してみて、必要性がわかったような気がします。

一人ひとり持つ必要はなく、グループでひとつあれば十分ですね。

(PS)物欲を刺激するようなパーツ、まだあります〜。
2018年2月20日 11:26
こんにちは
私のは軸がずれてしまう個体だったようです
今度の日曜日に1年点検とともに
調整してもらいます(^_^;)
コメントへの返答
2018年2月20日 11:49
こんにちは、にゃん吉さんはREALの赤ですよね、格好いいですね。

ディーラーで取り付けてもらっても、すこしずれる事はよくあるみたいですね。みん友さんもずれてて再調整したと聞きました。

なのでステアリングをはめた後、ブログに書いたように、すこし走ってみる事をおすすめします。走ってみないと、ずれていないかはっきりわからないんですよね。微妙な感覚ですからね。
2018年2月20日 11:49
完璧な説明でいつも分かりやすいです
私は工具無しで引っこ抜きましたが
工具あると間違いなく楽です。
この整備手帳で、ステアリング交換流行るかも!!o(^_^)o
コメントへの返答
2018年2月20日 11:58
工具なしでつけかえ成功された強者のくうねるさんとは違って、へなちょこの私は工具に頼らざるをえませんでした。

くうねるさんのパワーと度胸はさすがです、真似できません〜。

ステアリングの満足度は表現できないくらいすばらしいので、是非みなさん、交換を検討してみてほしいですね。
2018年2月20日 21:27
こんにちは!
いつもながら詳しくわかりやすい説明ですね^ ^
私も先日FANさんと同じステアリングに交換したのですが、今まで何台かステアリング交換した中でC-HR は今までで一番交換しにくかったです。
FANさんが詳しい説明をアップしてくれているオメガスプリングもめげて^^; オメガ外しの名手N氏に依頼し、引き抜きもしにくかったのでにくかったので『優しく強く』引き抜く名手S氏に引き抜きしてもらい乗り越えました(^^)
今回は初めてプーラーが欲しくなりました^^;
コメントへの返答
2018年2月20日 21:55
こんにちは〜。

無事つけられたのですね、よかったです、というか、みなさんにとっては釈迦に説法なんですが(*⌒∇⌒*)。

私もみなさんの取り付けのお話を聞いていて、注意するところがわかった上でやれたので助かりました。いつもいつもみなさんが先にやってくださっているので勉強になってます。ありがとうございます。

Coolさん、N氏、S氏、その他、無敵の方々がそろっておられるのでプーラーなくても余裕ですね。私は田舎なんで、道具に頼ってしまいました。

ステアリング替えるつもりは全然なかったんですが、みなさんがそろって買ったと聞いて、私も衝動買い。でもブラックカーボン、とても満足しています。

プロフィール

「[整備] #C-HRハイブリッド C-HRでのDIY: ハンダ付けのコツ for potantさん https://minkara.carview.co.jp/userid/2755058/car/2343657/7406307/note.aspx
何シテル?   06/30 23:00
C-HR FANです。
みんカラ新規会員登録

ユーザー内検索

<< 2025/6 >>

1234567
891011121314
15161718192021
22232425262728
2930     

愛車一覧

トヨタ C-HRハイブリッド トヨタ C-HRハイブリッド
C-HR FANです。よろしくお願いします。 カテゴリー別投稿リスト (シリーズにまと ...

過去のブログ

ヘルプ利用規約サイトマップ

あなたの愛車、今いくら?

複数社の査定額を比較して愛車の最高額を調べよう!

あなたの愛車、今いくら?
メーカー
モデル
年式
走行距離(km)
© LY Corporation