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2018年05月10日

ヒューズボックスから電源をとるには (1) ヒューズの向きに注意しよう

ヒューズボックスから電源をとるには (1) ヒューズの向きに注意しよう









こんにちは、C-HR FANです。今回は「【初心者向け】ヒューズボックスから電源をとる場合のヒューズの向きについて」です。初心者向けの内容ですので、初心者以外の方はスルーしてください。

これはみん友のMay Forceさん向けに書いていますが説明図を作るのに結構時間がかかったので、May Forceさんだけでなく、初心者のみなさんにも公開しようと思った次第です。

きっかけは、最近投稿した【みん友限定】ドラレコ後方威嚇用点滅LEDの取り付けを見られたMay Forceさんが、ご自分でも同様のDIYを行うというコメントをいただいたのですが、その中で、ヒューズボックスからの電源の取り出しが不安だという事も言われていたんですよね。

そこで、ヒューズボックスからの電源の取り出しについては、YouTubeでMKJPのC-HRメンテナンスDVDに収録されている「電源の取り出し(ヒューズボックス)」があったのでそれを紹介させていただきました。これはよくまとまっているので、初心者のみなさんは、ぜひごらん下さい。




ただこの中でヒューズの向きに注意して下さいという話があるのですが、どうして向きに注意しなければならないかについては言及がありません。

私も最初、見よう見まねでしたが、May Forceさんにもわかるように、その部分だけ、イラストで説明しようと思ったのです。という事で、ヒューズボックスから電源を取り出す際に注意すべきヒューズの向きについて解説したいと思います。

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下図はバッテリーとヒューズボックス、電装品の関係を図にしたものです。
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C-HRの場合、助手席のグローブボックス奥にヒューズボックスがありますが、図では青い箱で表します。
バッテリーのプラスから青い箱で表したヒューズボックスに配線が入り、ヒューズを経由した上で各電装品へと電流が流れ、その後、ボディーアースを介してバッテリーに電流が戻ります。



(↓下図)電装品(A)と電装品(B)は純正の電装品を表しています。
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ヒューズには電装品に合わせて色々な容量のものがありますが、図では15Aのものと10Aのヒューズがある事を示しています。純正の電装品を使用しているだけなら、ヒューズが切れる事はまずありません。


(↓下図)ただし、なんらかの原因で電気回路(ここでは電装品(A)につながる回路)に過大な電流が流れると、
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(↓下図)そのままでは電装品が壊れて、使い物にならなくなる恐れがあります。図では電球が真っ黒で表しています。
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(↓下図)それを回避するために、途中にヒューズが置かれ、過大な電流が流れた時に、電装品が壊れないように、ヒューズが切れて、それより下流に電流が流れないようにします。したがって下図ではヒューズ(A)が切れて、電流が流れないため電装品(A)が点灯しなくなりますが、電装品(A)が壊れる事はありません。
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(↓下図)この場合ヒューズが切れた原因を特定し・是正した後でヒューズを入れ替えると、電装品(A)を正しく作動させる事ができます(原因を特定し、是正しないと、ヒューズを戻しても同じ事が起こります)。
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これが通常のヒューズボックスの役割です。ヒューズボックスにはたくさんの電装品回路のヒューズが集められていますので、電装品の作動不良が発生した際に、ヒューズが切れていないかどうか簡単にチェックする事ができます。


このようなヒューズボックスのヒューズを、写真のようなヒューズ電源キットに差し替える事により、ヒューズボックスから各種電源を取り出す事ができます。

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分岐した先端にはプラス電流が来ますから、端子が金属にふれてショートしないようにメスギボシ端子+スリーブでカバーされています。ヒューズ電源がヒューズボックスに挿し込まれた状態で、メスギボシが車両金属にふれると即ショートしますので特に注意して下さい。最近では一つの分岐配線に2つのメスギボシ端子が付いているものも売っています。使わないメスギボシ端子は必ず絶縁するようにして下さい。

パッケージには二つの電流表示があります。上の写真では15Aと5Aですね。これは、元々ある15Aのヒューズと同じ容量の15Aのヒューズを挿して回路をつなぎます。また端子の一つから配線を分岐して、分岐した配線には分岐配線用のヒューズが白いホルダーに収められていますが、分岐配線用のヒューズの容量が5Aという事になります。

このヒューズ電源は15Aのヒューズ回路から、最高5A未満の電源を分岐して使用するという事になります。


これはエーモンから発売されている各容量のヒューズですが、分岐回路用のヒューズ容量を見て下さい。

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15A・10A・7.5Aの各ヒューズ電源では分岐回路用のヒューズがすべて5Aとなっています。一方、5Aのヒューズ電源では分岐回路用のヒューズが3Aとなっています。ちなみに20Aのヒューズ電源では分岐回路用のヒューズは10Aとなっています。うーん、ヒューズ電源のヒューズ容量と分岐回路用のヒューズ容量との関係性がもう一つはっきりましませんが、分岐回路用は5Aが多いという事ですね。また分岐用のヒューズは他の容量の管ヒューズに入れ替える事も可能です。

これはヒューズ電源の端子部の拡大写真ですが、中央のプラスチックの中にある山型の金属がヒューズです。その両端には電極があり、ヒューズを橋渡しに繋がっていますが、一方の端子には分岐用の配線が接続されています。過大な電流が流れると、真ん中の山型のヒューズが切れる事になります。

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1(↓下図)このヒューズ電源を右図のように表しました。ヒューズホルダーの中には管ヒューズが入っています。
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ヒューズ電源をヒューズボックスに接続する場合、向きに注意しなさいという話があります。ヒューズが切れる場合です。ヒューズが切れる原因としては(1)ショート(2)追加電装品の電気容量オーバーがあります。

これら二つについて図で説明したいと思います。

(1)ショート
電気は電気抵抗が低いところに流れやすいという性質があります。LEDなどの電装品には程度の差はあれ、電気抵抗があります。電装品のマイナス側は配線をアースとなるボディーの鋼板につなぎます。これはバッテリーのマイナスに直接つながなくても、エンジンルームでバッテリーマイナスとボディー鋼板と接続する事により、車両の鋼板に接続するだけで、バッテリーのマイナスに電流が戻る形になります(これをボディーアースといいます)。車両のボディーの電気抵抗はほぼゼロです。なので万一増設した電装品の配線が剥けてしまい、ボディーの鋼板に接触すると、プラスからマイナスまで電気抵抗がゼロの回路に瞬間的に大量の電流が流れる事になります。これがショート(短絡)です。

詳しくは以下を読んで下さい。
DIYラボ「電気のショートとは何か? 車いじりで起こる原因と対策」

なので、上の写真のヒューズ電源をヒューズに挿入した場合には、先端のメスギボシ端子を間違ってもボディの金属部に接触させてはいけません。瞬間的にショートしますし、目に見えないところでショートすると車両火災の原因になります

下図はヒューズ電源をヒューズボックスに挿し込む際に分岐用配線がマイナス側(もともとあるヒューズの後ろ側ですね)にある場合です。形から仮にY型と呼びます。

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(↓下図)もうひとつの接続ですが、下図では分岐用の配線がヒューズのプラス側(もともとあるヒューズの前側ですね)にある場合です。これを仮に逆Y型と呼びます。
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Y型、逆Y型のいずれも通常では問題ありません。

しかし、ショートが原因で、新たに取り付けた電装品(C)の回路に向かって、過大な電流が流れたときに違いが出てきます(純正の電装品回路に過大な電流が流れる事は考えにくいので、過大な電流が流れるのはもっぱら新たに増設した電装品(C)の回路という事になります)。

ショートでは10A以上の電流が一気に流れる事が多いと思います。
(↓下図)その場合、Y型でヒューズ電源を装着していると、下図のようにヒューズボックスのヒューズも切れてしまう事になります。
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こうなってしまえば、増設した電装品のみならず、純正の電装品(B)が作動しなくなってしまいます。純正の電装品のヒューズが切れた場合、電装品によっては、車両エラーとなってしまって、車が動かなくなってしまう場合もあります


(↓下図)これに対して、逆Y型の接続ではたとえ電装品(C)に向かって過剰な電流が流れても、分岐配線用ヒューズ電源の管ヒューズが切れるだけで、ヒューズボックスのヒューズが切れる事はないので、純正の電装品(B)が作動不良にならないという事になります。
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したがって、ヒューズボックスに分岐配線用ヒューズ電源を増設する場合、ヒューズのプラス側(逆Y型ですね)から配線が出るように接続するようにします。
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(2)電装品の容量オーバー

ショートのように一気に過大な電流が流れなくても、新たに増設した電装品の容量オーバーによってもヒューズが切れます。純正品の電気容量が一様でないので、一概には言えないのですが、一例として話をします。

これはY型でヒューズを挿した状況です。純正の電装品(B)には10Aの容量のヒューズが装着されていて、電装品(B)には8Aの電流が流れているとします。
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そこからY型に分岐用の5Aのヒューズ電源を取り付けたとします。1Aの電流が流れる電装品(C)を取り付けた場合、ヒューズボックスのヒューズには9Aの電流しか流れないため、正常に動作します。


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これに2Aの電気容量を持つ電装品を追加したとすると、分岐したヒューズ電源には3A流れ、分岐部のヒューズは切れませんが、ヒューズボックスでは、純正電装品8Aと分岐電装品3Aで計11Aになってしまい、ヒューズボックス部でヒューズが切れる事になります。


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ヒューズボックス部でヒューズが切れてしまうと、Y型でヒューズ電源を取り付けた場合、増設した電装品に加えて、純正の電装品(B)にも電流が流れなくなってしまいます。



これを全く同じ状況で逆Y型にヒューズ電源を取り付けた場合どうなるでしょうか?
下図のように、たとえ、分岐したヒューズ電源に3Aの電流が流れても、純正の電装品(B)側には8Aの電流しか流れないので、ヒューズボックスのヒューズは切れる事なく、純正電装品(B)が作動しなくなる事はないのです。
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この場合でも、分岐ヒューズ電源にどんどん電装品を追加していけば、いずれ電流容量オーバーになります。
下図のように。2Aの電装品を3つ付けて、6Aになった時点で、分岐したヒューズ電源部の5Aの容量を超えますので、5Aのヒューズが切れますが、それでも、ヒューズボックスのヒューズは切れません。
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したがって、純正の電装品を無難に作動させておくには、逆Y型にヒューズ電源を挿した方が良いという事になります。

このような理由で、ヒューズボックスにヒューズ電源を挿入する場合には、プラス側にヒューズの配線部を挿入するようにして下さい。特に電装品をいくつも追加する場合には逆Y型の接続方法にしないと危険だという事がおわかりいただけたでしょうか?

なお、実際には純正電装品の容量と追加する電装品との容量で状況は千差万別です。小さいLEDなどでは0.1〜0.2Aなどごくわずかな電流しか流れない事もしばしばですので、それほど気にする必要がない場合も多いですが、基本的に逆Y型に接続しておいた方が良いでしょう。


作業の実際です。ヒューズを把持するパーツはボンネットを開けた助手席側エンジンルーム内のヒューズボックスにあります。

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ヒューズボックスの蓋を外してください。

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ヒューズが並んでいますが、裏蓋にヒューズを外すための工具が固定されています。

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これを使って、ヒューズを外して下さい。

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取り外したヒューズはヒューズボックス左下に空きスロットがありますので、そこに挿して保管してください(私の場合はすでに3つの青いヒューズ[15A]を外して空きスロットに挿してます)。

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車内ではヒューズボックスは黒いカバーでおおわれています。

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カバーを外すとこのようになっています。

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C-HRの場合、写真のように、ヒューズのプラス側はすべて運転席側(向かって右側)になっています(かならずご自分で検電して下さい)。

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検電すると、ACC電源や常時電源はたくさんあります。それに対してイルミ電源は2カ所しかありません。

ACC電源を取り出す代表的なところとしてはP/OUTLET (15A)です。P/OUTLETとはPower Outletの略で、この先はシガーソケットに繋がっているようです。なので、シガーソケットから電源を取るような感覚ですので、お手軽に電源を分岐できるという訳です。万一P/OUTLETのヒューズが切れても、車両エラーにはなりませんので安心です。

イルミ電源はPANEL (5A)から取る事が多いですが、見てのとおり、容量が小さい(元ヒューズが5Aですから分岐電源は3Aになります)です。

常時電源はDOOM(ルームランプ)(7.5A)やDOOR(ドア)から取る事ができます

なお、ヒューズボックスからヒューズを抜き挿しする場合には、該当電源はオフにして下さい(ACC電源ヒューズを抜き挿しする場合はIGNオフ、イルミ電源ヒューズを抜き挿しする場合は最低イルミオフ、常時電源ヒューズを抜き挿しする場合はバッテリーマイナス外し)。電流がながれたまま、電装品を取り出すとヒューズが切れてしまう可能性が非常に高いからです。原則イグニッションオフで作業するのが良いでしょう。

なお作業はすべて自己責任でお願いします。

補足ですが、ヒューズ電源をヒューズボックスに挿入すると、カバーがしまらなくなります。低背型を購入すると、カバーのおさまりが良くなりますが、配線がひっかかります。カバーのサイドに配線が通るように切り込みを入れるとカバーがしまるようになります。

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DIY Laboにもたくさんのすばらしい記事があります。以下抜粋です。

ヒューズ電源の正しい付け方(取り出し)。向きに注意!!


ACC電源をヒューズから取り出す方法

常時電源をヒューズから取り出す方法

ヒューズボックスからの電源取り出しでヒューズを飛ばす例


以上、【初心者向け)】ヒューズボックスから電源ととる場合のヒューズの向きについてでした。

May Forceさん、今週末作業するかな〜?
参考になれば幸いです〜。


C-HR FANの過去の投稿リストはこちらです。


C-HR FANの投稿リスト8 (2019-04-18~)

C-HR FANの投稿リスト7 (2019-01-23~)
https://minkara.carview.co.jp/userid/2755058/blog/42437469/

C-HR FANの投稿リスト6 (2018-10-15~)
https://minkara.carview.co.jp/userid/2755058/blog/42065882/

C-HR FANの投稿リスト5 (2018-07-12~)
https://minkara.carview.co.jp/userid/2755058/blog/41712835/

C-HR FANの投稿リスト4 (2018-03-09~)
https://minkara.carview.co.jp/userid/2755058/blog/41209960/

C-HR FANの投稿リスト3 (2017-12-10~2018-03-011)
https://minkara.carview.co.jp/userid/2755058/blog/40832099/

C-HR FANの投稿リスト2 (2017-09-04~12-08)
https://minkara.carview.co.jp/userid/2755058/blog/40524491/

C-HR FANの投稿リスト1 (2017-05-20~09-03)
https://minkara.carview.co.jp/userid/2755058/blog/40524264/
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Posted at 2018/05/11 19:58:17

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この記事へのコメント

2018年5月11日 20:16
電装系が弱い私にはとても詳しく分かりやすく説明していただいているので、有り難いです!
コメントへの返答
2018年5月11日 20:34
こんばんわ〜。
吸排気系DIYのカリスマの4Dさんも、いよいよ電装系DIYに進出ですね。

4Dさんが本気だせば、すぐに追い抜かされそうです〜。
2018年5月11日 22:06
FANさんこんばんは☆
メッセージまで下さり、とても分かりやすく解説して頂きまして本当にありがとうございますm(_ _)m
このページを作成するにも、かなりの時間を費やされていらっしゃるでしょうに、とても恐縮です(/ω\)

エーモンのヒューズ電源キットを使い、これで自分では全く弄ったことのない電装系にチャレンジできそうです♪
ただ、ヒューズボックスのカバーが閉まらなくなっちゃうんですね(^^;)
加工が必要だという豆知識まで披露頂き、重ねてありがとうございました!
コメントへの返答
2018年5月12日 2:12
こんばんわ〜。

これでおそらく作業できると思います。

今回はACC電源への接続ですので、接続時やヒューズ電源の抜き挿し時には必ずIGNオフで接続して下さい。それだけ気を付ければ、大丈夫です。

カバーは無理に付けなくても良いですので、車検証の冊子の中に入れておいても良いです。

私の場合は超音波カッターで簡単に切れましたが、普通のカッターでは切るのに手間がかかると思います。

取り付け成功の吉報を楽しみにしています。
2018年5月11日 23:33
一生懸命読んで頭がショートしそうですが参考にさせていただきます~
コメントへの返答
2018年5月12日 2:16
こんばんわ〜いつもイイネありがとうございます。

なんとなく、プラス側から分岐すべきという事だけ覚えていただければ良いと思います。

そうした方がよっぽどの事がない限り、車両側に影響しないと考えていただければ良いです。

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「[整備] #C-HRハイブリッド C-HRでのDIY: ハンダ付けのコツ for potantさん https://minkara.carview.co.jp/userid/2755058/car/2343657/7406307/note.aspx
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