おベンツからレクサスに買い換えようとしている叔父から聞いた話である。
お金にきわめて強い執着のある知人がいるそうだ。
かりにKさんとしておこう。
このKさんにご飯をご馳走してあげると、「おいしかった」とか「ごちそうさま」ではなく、「一食分儲かった」と言うので、気分がよくないと言っていた。
東北の某県に住んでいて、ときどき東京へ行くことがあるそうなのだが、当然高速道なんか使わない。
10時間近くかけて国道を走っていくそうだ。
まっ、それならボクだってときどきやる。高速道ってのはつまらないからね。
でも、Kさんは筋金入りである。
カセットコンロを持ち歩いていて、お腹が空くと途中の道の駅でお湯を沸かしてカップラーメンを食べるそうだ。しかも、家族で。
乗っているクルマは軽のワゴンである。
ワゴンを選んだ理由ってのがすごくって「どうせ同じお金を払うなら、できるだけ大きいクルマじゃないとモッタイナイ」のだそうだ。
Kさんは地方都市の郊外にできたニュータウンに、奥さんと子供2人と一緒に住んでいる。
職場やスーパーも徒歩圏内にないから、全員がクルマを持っているのだが、そのすべてが軽のワゴンだという(それ以外、許さないのだそうだ)。
しかも、すべてベーシックグレードの白だ。
つまり、4台のシンプルな白い軽のワゴンが家の前に並んでいるということ。
いくら地方でも、そんなにたくさんのクルマを停められる駐車場はないから、2台は庭に停めているそうだ。
「それじゃ草花が可愛そう」とボクが言ったら、「アイツは食べられないものは植えないよ」と叔父に笑われた。
最近、このKさんが憤慨しているという。
その理由は、ご近所さんに運送屋さんだと思われているためだという。
「軽の白いワゴンが4台も止まっていたら、そう思われてもしかたないよ」と叔父が言ったら、「○○さんまでバカにするんですか!」って怒られたそうだ。
別にバカにしたわけじゃないんだけど、やっぱりコンプレックスを持っているのだろうか?
こんど社会心理学者のT君に聞いてみよっと。
きっと、ボクだって近所に住んでいたら「白帽」だと思うだろうなぁ。
ちなみに、叔父はこのKさんの家を一度だけ訪ねたことがあるそうだ。
殺風景な庭に、カーテンもソファーもないガランとしたリビング。
奥さんには「よくいらっしゃいました。(水道)水飲みますか?」って歓迎されたそうだ。
でもね、彼の部屋だけは超豪華だったんだって。
だって、壁と天井にホンモノの1万円札がびっしり貼り付けられていたっていうんだからさぁ。
面白いお金の使い方もあるもんだね。
Posted at 2017/09/22 16:56:45 |
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