今月ロードスターNDを手放した。
理由は数え切れないが、
ボクスターを2台乗り継いだ後の評価だが、
・真っ直ぐ走らない(ステンレスがダイレクトという意味ではない、キャスターのジオメトリーなのか?作りが悪いのである)
・シートが悪い
・曲がる時の始まり、最中、収束の全てが不自然であり、怖くてクルマや路面との対話がないのである
こうした事によって、愉しみを生み出さない丸2年間であった。
「わたしはこんなデザインのクルマに乗っています」という形だけなら良い選択だと思う。
人に見せたり、停めている車を自分で眺めるには良いクルマだ。いや、それが最大の目的で作られていると思う。
NAは走りが良かった。しかしNDは走りはまったくだめであった、が、究極のファッションカーへと進化していることを知った二年間だった。
そして初代にとことん乗った経験のあったヴィッツだが、今度は最終モデル中期型を購入した。走行わずか2600km。
驚いた。
普通クルマというものは期待を裏切っても満たすことは少ない。しかしこれは期待を遥かに上回り、超ハンドリングマシンであった。
FFがその重量配分から苦手とする下りの峠でも、スイスイ曲がる。ロードスターNDと異なってこのヴィッツは一切ロールしない。ダッシュボードとフロントガラスに映し出される外の景色が一切捻れない印象である。
これほど曲がるクルマは珍しい。流石、国民レベルの数で販売するモデルだけに、トヨタの本気の作り込みを感じる。ドイツ車の様にそれが意図されたものであり、偶然によるものではない気がするのだ。
残念だが、ロードスターNDよりも、このヴィッツの方が何倍もコーナーリングが自然で楽しい。そして自然なだけではなく優れていた。
このヴィッツは、六甲山などの高速の下りでも、さすがにタイヤの限界によってフロントタイヤがザザザっと限界を見せ始めるアンダーステアが顔を出しても「やばい」と恐怖するのではなす、その最中「なるほど、なるほど」と怖くないのである。
「これが優れたクルマなのかー」と嬉しさに包まれた。
このヴィッツが、運転素人や峠を攻めない一般人やご年配の為をメインに存在することは素晴らしいことではあるが、ぜひ国産車ではなく、ドイツ車と比べて乗ってみて欲しい。すごいレベルまで来ている。
この中期モデルの次の後期モデル(遂にハイブリッドが加わる世代)は、良さが続いているのか?それとも改悪になっているのか?はわからないが、このヴィッツ3代目中期モデル(2015-2016)はRSなどではなく、ぜひタイヤの扁平率も高く(分厚いタイヤの)どノーマルの1300ccモデルを味わってもらいたい。プレミオにも乗っているが、このトヨタのスーパーCVTは最高である。
ロードスターNDのように「所有すること」「眼で愛でること」が目的ではなく、
このヴィッツは峠をキビキビとコーナーリングさせることで「しかし本当に良いクルマだなあ…」ということを感じるクルマであった。
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2024/09/28 04:25:08