
今回の試乗は「718 ボクスターS イエロー PDK 右ハンドル(写真)」に乗りました。
(わたしは普段、兵庫県の六甲山の峠で「2005年式 ボクスター 2.7L 5MT 左ハンドル」に乗っています。)
コースレイアウトは広場の4つ角コーナーと、途中スラローム1本を交えたシンプルなコースで(前回に同じ場所で開かれたポルシェ試乗会の時のコースのほうがサーキットっぽくて良かったです)、ひとり2周でしたが、1周目で感覚を掴んだ後、「よし!」とおもった瞬間に、2周目は前のノロノロ試乗車に追いついてしまい、けっきょく徐行の様な2周目でした。
しかし718のフィーリング、最新のPDK、パドルシフトは、良くも悪くも「?」と言うものを感じられて、とても有意義でした。
・薄いステアフィール
718はステアリングが軽すぎて(良い軽さではなく、インフォメーションに欠く軽さ)で、腕の疲労がなくて良いかも知れませんが、車重があって、それをタイヤが受けとめ、タイヤが接地面をねじっている感じのインフォメーションに薄く、コーナーを曲がりながら「これから何が起ころうとしているのか?」が予測しにくかったです。
・期待を下回るエンブレ
・人のフィーリングに不自然なブレーキタッチ
あとPDKは今回「マニュアル・モード」で走りましたが、コーナー手前のシフトダウンによるエンジンブレーキが期待よりもとてもぜんぜん弱く、スピードダウンが足りずにヒヤッとしました。1速でも音も静かにスーッと進むので、別途でブレーキをしっかりし踏まないといけないので、強烈なマニュアルのエンブレを味方に付ける技術で走っている者としては、「PDKの振る舞い」は、何日か走り込まないと、まだまだわからないことだらけです。
・薄い車重感
走っていて車重を感じにくく、「とても軽いものに乗っている感じ」がしたのですが、自分のクルマのように「クルマと人が一緒に頑張って走っている」という感じではなく、「凄く優れたクルマに乗せられて、魔法のように人をサッと運んでくれる」という感じでした。大切にしている「味わい」や「手応え」といった楽しみの醍醐味が薄くなってしまい→「とにかく楽で速い!」ということに焦点が置かれた仕上がりの様に感じました。
・所有はしたくない右ハンドル
あと、右ハンドルのペダルレイアウトが本当に不自然で、スタート前の待機で、ブレーキだけを踏んでいるつもりが、エンジンを吹かしてしまっていて、インストラクターさんに「アクセルも踏んでいますよ」と言われてしまいました。トゥー&ヒールのように小指がアクセルに当たってしまっていました。それぐらいアクセルペダルが「ここの配置はブレーキだよね」というエリアに押し寄せてきています。
・感想
PDKはたしかに任意のタイミングでギアの上げ下げをできるのですが、だからといって楽しさが半減している。。なぜかなぁ?と考えました。。。マニュアルは自分でギアを選択する以上に、「自分で走る物語を作っている」と感じるのです。
もし大切なことが「任意のギア選択」だとすれば「それならPDKでも良いじゃないか」という意見も一理あるのですが、
今回のPDK試乗で感じたのは、趣味の運転で大切なのは「どのギアで走るか?」ではなく、「クラッチの合わせ方(ガツンと合わせたり、探るように合わせたり)と「シフトレバーヘッドの位置」と「それによって今何速で走っているかの確信」に楽しさがあると感じました。
例えばマニュアル乗りの人には理解できるとおもうのですが、ギアは、変える大切さだけではなく、固定して走ることも面白いのです。「ここはちょっとキツイな」という事を肌で感じながら走る。これはパッとチェンジされたら学べないのです。
今回思ったのは、PDKに乗るなら、マニュアル・モードなどにせず、「オート」にして機械任せで自分は走りに徹したほうがいいと感じました。
新しいポルシェは、自分が求める方向と違う方向へ進んでいますが、市場や大半の消費者の要望に対しては、どんどん進化しているなと感じました。
いずれにせよ、とても有意義な体験をさせていただきました。
Posted at 2017/05/16 20:19:49 | |
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ポルシェ | 日記