5/31　INDY500　三者三様。

今年のインディ500が終わり、二連覇が期待された佐藤選手は14位という結果でした。最高速の足りないマシンを、じっと我慢の燃費走行する作戦で終盤にトップへ連れてきて、さらに給油を遅らせて黄旗を待つも残り6周でピットイン、今年は勝利の女神に微笑んでもらえず優勝戦線から脱落しました。

　優勝した昨年は終盤にギリギリの燃料でスコット・ディクソン選手と一騎討ち。残り5周、後方でディクソン選手のチームメイトがクラッシュしたことで黄旗中断、佐藤選手に勝利の女神が微笑み2勝目を挙げました。佐藤選手は今年も中盤以降に上位に上がってきて最後までワクワクさせてもらいました。

　一方、去年も今年もツキが無かったのは優勝候補のディクソン選手。昨年は終盤の黄旗で佐藤選手に優勝を持っていかれ、今年は序盤の黄旗で給油ができず、クローズ中のピットにペナルティ覚悟で飛び込んで給油するも、完全に燃料が尽きていたので給油後の再スタートでエアが噛んでエンジンがかからず周回遅れに。その後ラップバックできるような黄旗が振られることもなく下位に沈み、さすがに気の毒でした。

　今年、優勝した46歳のエリオ・カストロネベス選手、史上4人目の4勝。連覇もやってるし（もうちょっとで3連覇だった）。2017年の佐藤選手初優勝のとき最後までトップ争いしてたのがエリオ選手。前半から幾多のクラッシュをかいくぐり（本当に宙を舞ってるディクソン選手の車両の下をグリーンを走ってすり抜けた）、終盤に勝負する作戦のため黄旗中に何度も給油しトップの佐藤選手と同一周回の最後尾まで順位を落とすも、約120周後、残り6周でトップに立って優勝を争い、0.2秒差で敗れました。2012年の佐藤選手同様、この時の悔しさが今回の優勝につながっているのだと思います、「オレは勝てる」と。今年はスピードのあるマシンに仕上げるも序盤はトップには立たず、ときおりライバルのスピードを確かめるようにオーバーテイクしては後ろに下がり、トップを走るのは若手ばかりという展開でした。レース前のインタビューで「若い人たちにオジサンが教えてあげる」みたいなことを言ってたのがかっこよかった。

　今年、2連覇を期待された佐藤選手も44歳、優勝した2017年以降はクラッシュでリタイヤした2018年を除き毎回優勝を期待させるレース展開です。（2017、2020は優勝、2019は周回遅れから100周後にトップ争い）だからこそ連覇が期待されたのでしょう。

様々な作戦で「勝てる位置にいるレース運び」を身に着けた今、勝利の女神の微笑みを引き寄せ、もう一度優勝（できれば、あと2、3回）が見たいものです。

来年のインディ500、佐藤選手とエリオ選手、ディクソン選手のバトルや駆け引きが、今からが楽しみです。