シンクデザインの佐藤です。
あまり堅苦しく告知しても誤解を招くだけと思いますので、わかりやすく、またご意見いただけるようにホームページではなくブログで告知したいと思います。
【スタビライザージュラコンブッシュ】ですが、販売開始からすでに350台以上の装着・出荷をしています。
装着車輌の多い順は以下の通りです。
■LEXUS IS
■LEXUS IS-F
■LEXUS GS
■TOYOTA 200系クラウン
■TOYOTA 18系クラウン
■LEXUS SC430
最近では200系クラウンアスリートとSC430をラインナップに加え今後も拡大していく方向で考えておりました。
そして、今回告知しなければならないと判断したのは、最近になって異音の報告が多くなってきた事にあります。
まず、350台以上の販売実績から当社にご来店いただき装着したのは100台以上です。
その中で当社のことを気に入っていただき、車に関する事をすべて相談していただけるようになったユーザーさまは多くいられます。
ホイールの相談、足回りの相談、スポイラーやオーディオ、車検に関すること、カスタム以外の事まで。
ご来店いただける方、お電話でご相談いただける方、様々ですが当社を信頼していただき本当に感謝しています。
その信頼を裏切らない為にもこの告知が必要だと感じました。
まず、異音の報告があったのは最近からですが、スタビライザージュラコンブッシュのジュラコンは特殊な材質ですので、「グリスを必要としない」としてきました。
このグリスを使わないには意味がありまして、まず一つは「CRC」「ラスペネ」など潤滑材によっては材質を侵す可能性があることからグリスを使わないとすることにより、当社で取り付けする以外を想定して事前にそのような勘違いを防ぐためにグリスを必要としないとしてきました。
実際にジュラコンブッシュは一般的なものでレクサスに関わらず、色々なアフターパーツメーカーや色々な車種で多く使われています。
そして、もう一つは「強化ブッシュ」という意味を確保するためにグリスアップしない方向で考えていました。
グリスを使うことにより、「ハンドルの応答性」など強化ブッシュの意味合いが薄れます。
より効果を強めるためにはグリスを使わないほうが有効的です。
そして、もちろんデモカーIS250Cにも装着しているのですが、初期低速時の段差乗り越え時に感じる硬さ(例えば路肩などへ乗り上げる時などの超低速時)を改善するためにグリスを使うという選択肢もありえるかと思いテストしていました。
また、強化ブッシュの意味合いが薄れたとしてもスムーズに脚が動いたほうが好みな方もいるだろうと思い製品化する方向で考えていました。
実際にハンドルの応答性が良すぎるので、もう少し緩和したいという相談を受けた事があります。
そのような経緯からグリスを選択し、テストしている段階だったのですが異音の報告が先月末から何件かあり、郵送でグリスアップをお願いすること5件、当社でグリスアップにより異音対策させていただいたこと1件。
合計するとトータルで6件の異音に関する報告がありました。
350台のうち6件の異音報告です。
約2%の不具合が発生
そして、異音による不具合からグリスをお送りしたお客様から新たな報告をいただきました。
「グリスアップしても改善されない」
寸法に関しては厳重なチェックを行っているのですが、製品不良の可能性があるので新品交換で対応させていただきました。
現在新品交換をお願いしている状況で結果を待っている状態です。
そして、当社で取り付けして異音が発生しグリスアップしても改善されない車輌が1台あります。
ここで新品交換したのですが、異音が解消されない結果となっています。
そのほかの3件に関してはグリスアップにて解決しています。
新品に交換しても解消されないということは何が原因なのかを検証しなければならないと、問題のあるブッシュの寸法やスタビライザーとの当たり面から問題解決しなければならないと準備している段階だったのですが、ここで大きな問題が発覚しました。
350台のうち6台だったと思っていた異音クレームですが、当社に報告があったのが6台でして実際に異音が出ている車輌はもっと多いようです。
異音が問題ですでに外している方が多くいると報告がありました。
その報告を受けて急遽ブログで告知しているのですが、自分の考えが甘かった事を後悔しています。
購入した製品に関して、問題が出れば製造元の当社に相談があるものと思っていました。
ただ、実際には相談せずに外してしまっているユーザーさまが多くいるという事実です。
「アフターパーツだから不具合が出たら外せばいい」 この考えがこれほど強いものとは考えもしませんでした。
もちろん、純正部品ではないので耐久性は純正よりも劣ります。
ただ、装着して半年もたたないうちに不具合が出るようでは製品とは呼べません。
レクサスという車輌から考えて、異音が出てまで装着する方はほぼいないとも思っています。
ですので、LSDやスタビリンクなども異音に関する部分は神経質になり出来る限りの方法で部品調達・販売方法を考えてきています。
絶対に異音は出ないと言っている訳ではないのですが、アフターパーツとしてレクサス用として不具合はできるだけ出ないように考えて製品化してきたつもりです。
「つもり」で許される事ではないことも理解しています。
また、異音が出るかどうかをお客様の車輌で試している訳でもありません。
(現在ご協力いただいているお客様もいますが)
問題がないと判断して製品化してきた訳ですが、使用状況や微妙な誤差により異音が発生するとこがあるということを学びました。
まず、考えられる事を以下に記します。
1.寸法に関する誤差
スタビライザーの外径とブッシュの内径が合わない場合に異音が発生しますが、寸法の許容範囲を超える場合に異音が発生すると考えます。
純正はゴムブッシュですので、厳密な寸法を必要としません。
ゴムが変形してくれる分、許容範囲が広いです。
ただ、純正品質ですので、その許容範囲は優れています。
2.可動範囲に対する負荷
車高を落とす事によりスタビライザーの位置は純正とは角度が変わりブッシュやリンクにかかる負荷は大きくなります。
その角度により負荷のかかり方が変わるので、異音が発生すると考えます。
スタビブッシュを交換する方の多くは車高を落としている方だと認識していますので、車高を落としているから適合しませんとは言いません。
ただ、通常考えるよりも車高を落としている場合は想像以上の負荷がかかる可能性があるので、劣化が早いというのも事実かと思います。
3.ブッシュの固定位置
スタビライザーにはブッシュの位置を出すためのストッパーが付いていますが、このストッパーの位置がズレていることにより若干ですが内側や外側にズレている可能性があります。
このストッパーは移動させる事ができるのですが、装着時に左右均等に位置出ししても違和感がある場合に異音が発生すると考えます。
4.ブッシュブラケットの精度
ブッシュの外側・ブッシュを固定しているブラケットですが、純正ブッシュはゴムでできているのでスタビライザーよりも精度があいまいです。
当社のブッシュの精度にも問題があると思いますが、ゴムであることを想定していますので、硬度が高い場合は対応しきれないので異音が発生すると考えます。
考えられる原因は以上です。
また、硬度の高いジュラコンブッシュですので、スタビライザーの動きを制限することも事実です。
制限することにより効果がでるのですが、「2」であげたように車高を通常より落としている場合には可動範囲によりストッパーのような役目になり、ショックzブソーバーのストロークする位置が変わることにより今までとは違った乗り味になり場合によっては乗り味が硬くなると感じる可能性があります。
ですので、ご来店される方で車高が通常より低い場合には車高調などの動きを制限してしまうので、適さないと判断してお勧めしていません。
ノーマル車高に近い方のほうが、スタビライザージュラコンブッシュの効果を最大限に体感できることになります。
また、異音の出る可能性はノーマル車高のほうが少ないと判断します。
あくまで考える可能性ですので、車高を下げているから悪いと言っている訳ではないので、誤解のないようにお願いします。
また、現状わかっている事は、すでに装着しているブッシュを外すと多少なりとも削れて変形していますので、付け直すことにより当たり面が変わり異音が出る可能性が増えます。
ですので、心配になり異音が出ていないにも関わらず脱着してグリスアップすることは控えてください。
ここまでが現状で考えられる事実と可能性の報告になります。
異音が出ている方で、交換することにより改善されるかをご協力いただいております。
また何か原因や対策があればブログにてご報告します。
なお、あまりに多くの異音報告があるようでしたら製品販売中止にする必要性もあると考えています。
当社の知る限りでは圧倒的に正常に使われている方が多いので、現状ではそのまま販売を続けますが、お客様のブログなどで高い評価をいただいていますので、その評価によって購入される方が今後もいるかと思います。
(急ぎブログにしているので対策できていませんが、ホームページ上に異音が出る可能性があることを明記するようにします)
評価によって購入し、実際に装着すると異音が出て使い物にならない。
これでは、良い事だけを言いながら販売しているようで、自分が「嘘」を言いながら販売しているように感じますので、本意ではありませんので、今後の状況で起こる不具合を検証しつつ、方向性を考えていきたいと思います。
利益だけを求めるメーカーにはなりたくないので、出来る限りの対応はしたいと考えています。
異音が出て外している方が現状では把握できていませんので、このブログにてお詫び申し上げます。
持ち込みによる作業依頼をしている方が多くいられると思います。
不具合が出た場合に、時間・交通費・工賃など必要のないコストがかかっていることと、異音による不愉快さなど大変申し訳なく思います。
今後はこのような事がないよう、最悪の状況も考え注意事項を付け加える事を忘れず、あらゆる状況を想定して製品開発したいと思います。
この度は大変ご迷惑をおかけして誠に申し訳ございませんでした。
今回のご指摘を受け、さらに製品開発には慎重になり品質管理・使用状況などの解析を徹底していく必要性があることを痛感いたしました。
今後このようなことのありませんよう、誠心誠意努力をしてまいります。
この場をお借りしてお詫びさせていただきます。
シンクデザイン株式会社 代表取締役 佐藤義博