現在Myシルビアに積んである消火器の使用期限がもうすぐ切れる。期限が過ぎてもしばらくは使えるだろうけれど圧力計がついていないので十分な圧がかかっているかどうか見極めができない。
個人的な知見からするとスポーツ走行をする人は積んでおいたほうがいいと思う。必要になるような状況には遭いたくないがこれまでに何度か車両火災を見たことがあるし、自身もレベルゲージが抜けて噴いたオイルがエキマニにかかって盛大に白煙があがってヒヤリしたことがある。ちなみに10年来参戦してきた大会では内容量1.0kg以上を搭載するようにとされているし、公式戦ではたしか2.0kgか2.4kg以上が義務だったはず。
自分が出てきた大会はコースが森林の中にあるので、クルマや搭乗員を守るためではなく森林を守るためだという噂もあるけど(笑) なお、クルマの内部から出火しなくても排気管の熱でお落ち葉や草むらに火が付くことがあるというのも忘れてはならない。
1.0kgでどれだけの能力があるか疑問ではあるけれど初期消火できる可能性はあるし、できないにしても延焼の時間稼ぎができる可能性はある。
自分の場合はコンパクトサイズの0.6kgを2本積んで、合計で1.0kgを超えるようにしていた。この方法なら1本のサイズが小さいので設置場所の自由度が高くなるし、モノによってはそのほうが安価だったりする。
自分が以前積んでいたのはファイアマスター。英国製。10年以上前に期限切れした。
いま積んであるのはファイアブリッツALPHA600。英国製。
ファイアマスターと同容量・ほぼ同サイズだがノズル周りや安全ロックの構造がよくなっている。
しかし、最近どちらも日本国内市場から消えた。どうやら昨年の4月に消防法の改正があったようでその基準をクリアしていることを証明する手間が大変なんだそうな。他の製品を探したけど同じようなサイズのものは見当たらなかった。このままではコンパクトサイズを2本という方法は諦めるしかなさそう。
探しているときに知ったのが、「使用温度「や「保管温度」という記載があるということ。
何らかの規格に基づくものなのかもしれないけど、その多くが「上限40℃」となっている。国内メーカーのもので自動車搭載用と謳っているものでも40℃だったりする。しかし、夏は気温が40℃くらいになることもあるし、エンジン熱でパドックはもっと高温になりそうだし、車内温度にいたっては60℃付近にまで達する。よって上限40℃では心許無いと思ってしまう。
その一方で先述のファイアマスターやファイアブリッツは60℃を謳っていた。
できるだけコンパクトで60℃対応のものはないだろうか・・・。
あった。
これ。IRSが取り扱ってるFEVライフライン(モデル:AFFF100H)。英国製。

まだ買ってないけど、次はこれがよさそうだな。有償だが消火剤を再充填してくれるサービスがあるのもいい。
サイズ:高さ315mm 径90mm
内容量:1.0リットル(重さは不明)
使用温度:-15℃~60℃
使用期限:6年
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ここで「消火器」とその「適合」について簡単にまとめておく。
【火災の種類】
・「A火災」=普通火災 (木材、紙、繊維など)
・「B火災」=油火災 (石油類やその他の油類など)
・「C火災」=電気火災 (通電中の電気設備など)
よく目にするABC消火器というのはABCすべてに対応できる万能タイプということになる。クルマの場合は優先度順で言えばB>C>Aだろうか。ホームセンターでも売っているような1,000~2,000円くらいの低価格の簡易消火器だとC火災(電気火災)には不適合だったりする。これは薬剤に電気が流れて感電する危険性があるから。
【薬剤の分類】 主要なのはこの3つ
・「粉末系消火器」
速効で火の勢いを抑えて消火する。浸透性がないので物によっては再燃することがある。使用後は清掃がちょっとたいへん。ファイアマスターはこのタイプ。
・「水系消火器」
冷却効果があり浸透性もあるので再燃を防ぎやすい。
・「ガス系消火器」
窒息効果で消化する。清掃の手間いらず。狭い車内で使えば人間も窒息するかもしれない。
【噴射方式の分類】
・「蓄圧式」 (近年の主流はこのタイプ)
保管時は容器本体には圧力がかかってなく、内部に組み込まれた高圧ガスカートリッジが使用時に開封されることで圧力を得るタイプ
・「加圧式」 (どうやら加圧式は2022年以降販売禁止になるらしい)
高圧の空気かガスが充填されていて、保管時も常に容器本体に圧力がかかっているタイプ

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ことのついでにということで自宅用に買ったのがこれ。ハートコムのブロックショット。日本製。
サイズ:高さ246mm 径64mm
内容量:340g
使用温度:-5℃~100℃ ←余裕の上限!
期限:容器の腐食等がなければ交換無用 ←これすごい!この手の缶タイプのものは通常3年。
普通・油・電気対応の万能型。
ただしこれは「輸出専用品」とのこと。先ほどの法改正の話も鑑みて事の裏を推測してほしい。
うーむ。これ3本あれば1.0kg達成になるな。
極端な寒冷地でないかぎりは、クルマへの常時搭載用および非公式戦出場用ならこれでいいのではないかというオチ(笑)
ではまた。
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Posted at
2018/06/29 21:56:12