番外編🎵

　昨日は朝から一日中冷たい雨が降ってましたね、そんな日は決まってガレージでモノ造りや愛車のメンテに没頭しているんですが、今日はバイクメンテです。
　
　昔から旧いイタリア車が好きで３０年程所有していましたがバイクも同様で旧車好き。古いコルナゴのマスターオリンピックで風を切っていました。相次いで腰や首にメスを入れる事になって次第にスポーツバイクから遠ざかりましたが、今でも手放さずに持ち続けているのがダッコルディです。

　ダッコルディは、ワインで有名なトスカーナ州にある小規模なスポーツバイクメーカーで、７０年以上前から今も作り続けている老舗です。

　現地より、中古フレームを友人を通してIT購入したのですがフレームパイプはコロンブス製、SLXチューブを使っているところから推定年齢は３０歳後半ってところでしょうか。

　おーっと紹介が遅れましたね、
我が家のイタリア娘（もうおばさん？）
です。

　こんな感じで進んでいきますんで時間のある方や物好きな方のみご覧くださいね😉😏

今日のメニューはフレームの掃除にメカの手入れです。
　フレームのクロームメッキ部をホワイトダイヤモンドペーストで磨き、塗装部にはWAXを掛けていきます。
　メカ部は掃除と可動部の給脂にワイヤー調整というところでしょうか。

　といっても地味なメンテ画像では大して面白くないないので、このイタリア元娘を丸裸にしていきます♪😜

　この娘の特徴の一番はハーフだっていう事。やっぱハーフは美人揃いですからねぇ～♪

　かつて日本が誇った世界のサンツアー（前田工業グループ）のメカを大胆にもイタリア製フレームに搭載した車なんですよ。
サンツアーは世界有数の技術集団で、ツールドフランスやジロデイタリア等のメジャーツアーチームにメカを供給しましたが、特許切れを契機にシマノやカンパニョーロに多くのシェアを奪われ倒産に至った悲劇のバイクメカ会社で、８０年代後期に最後の名器として発売された今や幻の「シュパーブプロ」シリーズのデットストックを探しに探して搭載した思いのこもった愛車なんです。
　画像はリアディレーラー（変速機）ですね当時最先端の７速ギア。
素早く滑らかで正確に変速するスラストパンタグラフだったかな？これも特許で、今は他社もこの方式を模倣して今や11速ギアまで発展しています。

こちらはリアブレーキです。
シングルピポット（今はダブルピポットが主流）ながら確実な制動力を誇っていました。
妙に外観がすっきりしていると感じた方がいたら「さすが！」です。
ふれーきを離した後、元に戻るリターンスプリングが見当たりません。
実はピポット軸の中に同軸のバネが内蔵されているんですよ、素晴らしい♪
レース用なんでメンテナンスが面倒とかで普及しなかったらしいですが、趣味で乗る分にはノープログレムです。
（今ではバネのスペアパーツ供給が無いので折損したらおしまいですがね。

う～ン、美しい😉

　こちらはフロントディレーラーです。
こちらも独自のメカが搭載されています。
高さや横方向は搭載するセッティング時に決めていきますが、サンツアーでは羽根だけ横方向回転させることが出来るんですよ。実際、変速時にチェーンのかかりが悪くて外側、内側に羽根をグッと曲げて調整するんですが、こいつはネジが付いていてコンマ単位で変えられるんです。
便利な機構なんですが推測するに乗りながら調整が出来ない（ドライバーを持ってないと・・・・）理由や軽量化最優先の観点から他社は採用を見送った、これも幻の逸品かと思います。

　変速レバーですね。
左側はフロント2段、右側はリア7段、合計14段を走りながら簡単に変速しますって当たり前の事に聞こえますが、リアの変速レバーはプリセット式なんです。
そう、カチン、カチン、カチンと各ギアの変速位置が決まっていて引っ掛かりがあるんですよ。
以前は、自分で選択したギアの真ん中にチェーンが来るように任意でレバーを動かしていたんですヨ。
ライバル各社も揃って追従しますんでサンツアーだけ独走していた訳ではないですがこういうところも最先端でした。
　このあとサンツアーは手元変速の先駆けとなるコマンドシフターを開発しますが時すでに遅し、各社は競って多段化時代（8速、9速、10速）へ突入、頻繁な変速作業を可能とする為、ブレーキレバーと変速機を同一化した近代バイクへと変身を遂げていく中、サンツアーは静かに幕を閉じたのでありました。

　フロント周りですね。
当時のパイプの接合はロウ付けですね。
今時のTIG溶接だとダイレクトにパイプ同志を溶接するので溶接ビートが形成されますが、流し込みのロウ付けだと必ずラグにパイプが挿入する構造をとります。このラグにメッキを施したり彫り込みを入れたりして個性が作り出されていきました。
そのメッキに花を添えるのが、ポリッシュ仕上げを施した各種アルミパーツなんです。

なんかセブンと相通じるところがありますね。

　サドルからリアブレーキを覗く。

サドルはロールス。
スポーツバイク用ながらも当時は座り心地が良かった。
このバイクはチューブラータイヤなんでスペアタイヤがかさばります。
当時はこんな風にサドル下に固定して携行するんです。
　

　オールサンツアーで組みたかったのですが、イタリアンのボトムブラケットが入手できずボトムブラケットのみカンパニョーロ製、そしてハンドルステムはサイズの都合でスリーティー製に。
でもハンドルはしっかりゲット。
ワールドチャンピンの刻印が眩しい。

　フロントフォークのショルダー部のメッキ造形と彫り込みが何とも美しい。
リムも当時物のイタリア製を探しだし、ステンレススポークを用いて自ら組んだ。プロなら1時間だろうが振れ修正に手間取り両輪で半日かかった記憶が💦
今なら間違いなくショップに頼むよ。

　ブレーキのシューは形状の似ている物を探し最新のものを装着しているので制動はバッチリってことで、紹介しながら各作業は終了。


　日本人として悔しさが滲むサンツアーの落日を思い起こす機会を与えてくれた
ダッコルディーに感謝。
当時、正式輸入はされていないフレームに今は無きサンツアーの組み合わせ。
おそらくは誰も持っていないと思うし。
もしかして世界でも！？
って考えると、このバイクだけはどうしても手放せないね。
でも棺桶には入らないから困ったネ。