2010年05月06日
『スバルの軽』
GWの頭に、去年まで勤めていた山形の職場の先輩がちょこっと遊びに来た。
ちょこっと・・・ご飯を一緒に食べてしばらく話をして帰るくらいの時間だったのだけれども
やはり仕事の話題になり、スバルの軽の話題が出たりもした。
今日は珍しく真面目な話・・・
スバルから新型軽自動車、「プレオ」と「ルクラ」が出た。
私も内示会にて実車を見て来た。
ご存知の方が多いと思うが、両車ともにダイハツのOEMである。
R1・R2が生産終了になり、残るスバル製軽自動車はステラとサンバーのみ。
スバリストがどう言おうと、遠くない将来スバルは軽を造らなくなる。
スバルが軽を製造せずとも、スバルのユーザーの中には軽でなくてはという人が
決して少なくない数、存在していると思う。
スバルディーラーはどうこれに対応していくべきか・・・
今の職場の担当をしているスバルのセールスさんがこんなことを言っていた。
『新しいスバルの軽です。』
どこまでメーカーからの指示があったのか定かではないが、少なくとも群馬では
日産が成功したように、スバル製軽自動と同じ扱いで販売するという方針らしい。
OEMという意識を持たない、4気筒・独立懸架に執着しないでというふうに講習があったとか。
3気筒・・・デメリットであった振動は現在室内にはほとんど届かない。3気筒の方が低回転でトルクフルであり街乗り、省燃費走行には向いている。
非独立懸架・・・独立懸架では実現できない室内スペースを確保。
そんな説明がセールスさんの口から出た。
なるほど、と思った。
それが正しい道のように思う。
トラヴィックやDEX・・・私が山形で働いていた時にもOEMを扱っていた。
しかし、自銘ではないという意識がセールスにもメカニックにも確かに存在していた。
私はサービスに属していたので、メカニックの事情の方が良く分かるが
「他銘車だから分からない」という意識がメカニックには間違いなくあったし、トラヴィックなど時には複雑な整備をヤナセに外注に出していたりもした。
そもそも顧客の中でOEM車の台数が極端に少ないのは、セールスが積極的に売ってないせいではないだろうか。
同じように今度の軽を売ってはダメだ。
今度は1車種ではなく、「軽」という枠全部なのだから・・・
会社というものの持つ正義とは何か。
間違いなく利益をあげることである。
コンプライアンス(法令遵守・企業倫理)とかCS(顧客満足度)などというカッコイイ言葉が流行っているが 、これもまた突き詰めれば利益をあげるために必要だからやっているにすぎない。
軽自動車という市場に対し、これからどうやって利益をあげていったら良いのか。
OEMだろうがなんだろうが、しっかり売ってユーザーを離さないことである。
車両販売での利益が落ちようと、車検や定期点検、一般整備での利益は間違いなくあるのだから。
車販そのものと車検1回で出る利益の差が、実はそんなに大きくないなんて話も聞いたことがある。
商品力が上がる部分があるので、努力次第でユーザーを増やすことも可能かもしれない。
OEMという意識を売る側が持ったままであれば
やはり車販は積極的になりきれず販売台数が伸びないだろうし
メカニックが他銘車として扱えば、それは確実にCSに響くだろう。
山形の会社の入社式で、当時の総務部長が言った言葉が印象に残っている。
「自社の商品を愛してください」
自社商品への愛情がお客様に伝わる。それが利益に繋がるし、やり甲斐につながる。
私にとって、幸いにもスバルは、無理せずとも商品を好きになれるメーカーだった。
自分の中に4気筒や独立懸架に対して愛着とプライドがあると思うし、スバルの軽撤退は本当に残念だ。
内示会でのセールスさんの説明の内容に、正直反発もあった。
でも・・・スバルディーラーには自信を持って新型を売っていってもらいたい。自社製品と同等に愛して欲しい。
私はきっと、商品だけでなく、販売店やメーカーにも愛着があるのだ。
スバルの車がより良いものであって欲しいと思うように、メーカーも販売店もより良いものであって欲しいと思う。お客様から愛されて欲しいと思うのだ。
スバルの軽市場での健闘を祈ってやまない。
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Posted at
2010/05/06 22:12:38
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