
不定期開催、いきなり修理始めちゃうシリーズ。
今回は自身への戒めを込めて。
そしていつものように修理前の写真なし!
さて、こちらはなんの車のバンパーでしょう?
派手に擦ってますね。
すかして見ると若干へこんでいました。
そしてもう1箇所がヤバいの。
これ、熱での修正が難しい場所が窪んでる上に削れちゃってるんですよね。
綺麗にしたいのであれば新品バンパー交換のお見積もりにすることを私はおすすめしたい。
ボディと新品バンパーとで色がちょっと合わないのはご愛嬌。
それは置いといて、とにかくお客さんは修理をと依頼されてるのでちょっと頑張ってみますかぁ。
と、この時は思っていたのでした。
早速作業に入りますが、凹みが大き過ぎてそのままパテを入れても形を作りづらいです。
まずは凹んだ部分をバンパー裏から揉み出して元の形に近付けます。
細い角みたいな形状というのは熱しても硬くて難儀します。
下の写真くらいまで出して次の作業へ。
まだ凹みが残ってますが、これ以上出なくなって諦めたというやつ。
揉み出す前よりはパテを入れやすくなりましたかね。
ペーパーで足付け、脱脂、マスキングしてパテを入れる準備。
写真ではへこんだ部分を分かりやすくしていますが、へこみの中もちゃんと足付けしますよ。
パテ研ぎって基本的にめんどくさすぎるんで余計な部分にパテが付かないようにマスキングを。
ついでにサフェーサー入れて研ぐのもめんどくさいので余計なペーパー目を入れないようにガムテで保護。
車の修理ではへこみ具合などによってパテを使い分けまして、、、
へこみが深ければ板金パテなどの厚付けしやすいパテ。
浅かったり歪みを取る程度ならポリパテなどの細地のパテといった具合に。
へこみの深さも数値で線引きされてますが、測定せず感覚に頼って選んでいます。
そんで、使うパテが決まれば足付けに使うペーパーも決まってきます。
塗料メーカーで違うかもしれませんが
板金パテなら 80~120番くらいかなと。
ポリパテなら 120~240番あたり。
その範囲の中でへこみが深いほど荒いペーパー、浅いほど細かいペーパーを選びます。
ペーパーが荒ければパテの食い付きが良いけど、荒すぎるとこの時のペーパー目が後の仕上がりに影響しがち。
ペーパーが細かければ仕上げやすくなるけど、細か過ぎるとパテが食い付かない。
そのバランスを取りたいわけです。
つまるところ、修理する前に使うものを決めているということです。
またまだ書きたいことがあるけど既に話が長いので次へ。
120番ペーパーで足付けして板金パテ盛りましたーの図
盛ってる最中にボソボソしだしたんでちょっと失敗。
いくらなんでも乾くの早すぎやろと思ってパテの缶をよく見たら、夏用ではなく標準タイプでした。確認不足です。
そりゃ気温35℃なんだからすぐ乾くわよ。
パテにも夏用、冬用、標準と乾燥速度に違いがありまして、季節によって使い分けます。
この時、板金屋さんは夏用のパテを卸してなかったらしく、、、
用品店のやつは使ったことなくてよくわかんない。オールシーズンなのかな?
関係無い話すると、パテでべちょべちょやってる画像を見てたらそのヘラを貸して!と言いたくなりました。
ほんとはこうなるはずだったの図。
フェンダーも修理していきます。

なお、この盛り付けができるまでに3年かかりました。
パテを研ぎます。基本的に"水研ぎ厳禁"。
市販品はしてもいいやつがあるみたい。注意書き読んで。
当て板は必ず使います。
そしてこの時、終始120番ペーパーを使用しました。
理由はザクザク研げるから & パテ入れ直すの分かってるから。
さっきの板金パテ失敗しちゃったもんね🤗
写真じゃ分かりづらいですが、ちゃんと凹みが埋まってないし故にラインもできてないです。
板金パテ入れたいけどさっきの二の舞は嫌なのでポリパテで無理やり盛るしか。
蘊蓄たれといて、大したことねえなと言われそうな2回目。
全然盛れてなかったね。 3回目確定。
なお、他の部位は順調なもよう。
2回目は120番ペーパーである程度形を作ったら180番ペーパーで仕上げ。
50番60番変わったとこで違いはあるのかって?
全然違いますよ。
ここまででライン整えてないので整えながら仕上げます。
角って言った方が分かりやすい?
クオリティ気にしなければ後からでもできるけど、なるべく早めに整えたいところ。
こうやって角を境目にテープを貼ってテープの左側を研いでラインを矯正しつつ面も均します。
今度は反対に貼り直して右側を研いでラインを矯正しつつ面も仕上げていきます。
角だけを先に仕上げて、テープ剥がして面を後で仕上げーということをするとせっかく整えたラインが崩れやすいです。
面を研いでるつもりでもペーパーは角に当たってて、気付かないうちに部分的に角を丸めてしまうからというのが理由です。
やってることは彫刻に似てるし、パズルみたい。

あれ、反対側に貼った写真どこいった(੭ ᐕ))?
あとは角を丸めて前後のラインと馴染ませていくの図。
左側が膨らんでるって? それ、どうにもならんやつ。
パテの範囲引き伸ばしたほうが良かったなという反省はしてますので許して。
ここから更に凹みを埋めたいのと、巣穴埋めたいのとでまたポリパテ入れます。
泣きの3回目。3回目なんて何年ぶりかなあ。
工場によってはお小言もらっちゃうかも。
ここまでの作業を同時進行させて1時間半くらい経ってたと思う。
自身の想定よりちょっと時間かかってます。
形は既にできてるので180番ペーパーで仕上げ寸前まで形を整えます。さっきと同じ要領です。
このあと240番ペーパーで仕上げながら180番ペーパーの目消しを行います。
ペーパーで擦った傷は"ペーパー目"と言って、
これを目立たなくするように研磨することを"目消し"と言います。
実際にはペーパーの番手を段階的に細かくしながら研磨することで、一段階前のペーパーの目消しができて仕上がっていくというわけです。
パテ研磨作業においては50~60ずつ番手を上げていくのがいいのかなと。
段階を踏みすぎると時間かかるしパテなくなるし、
あまり番手を飛ばし過ぎてもペーパー目残しちゃうんで。
240番で仕上げた後、360番ペーパーで目消し & サフェーサー用に周囲の足付け
240番のペーパー目くらいなら厚盛りタイプのサフェーサーで埋まるのでちょっと番手飛ばしてもへーきへーき。
ラッカーサフェーサーを使うならちゃんと段階を踏んだ方がいいかも?膜厚付かないですし。時間経つと痩せますし。
ちなみに用品店でよく売られてるやつはラッカーサフェーサーの類がほとんどかな?
2液タイプ見たことないや。クリアはあるよね。
しかしこの小さな範囲にずいぶんパテが乗りました。
パテが分厚すぎると組み付けで曲げた時なんかに割れるリスクがあったり。
よほど雑な下地と組み付けをしない限りまず無いですけど。
同じやり方でフェンダーの方も研ぎました。
これからサフェーサーを塗って研いでーとしていきます。
パテの盛り付けと研ぎ方はこんな感じなんだと思っていただければ。
バンパーは上手くいってないですが。
パテの作業だけで長くなり過ぎましたね。
ここまで読まれてお気づきかとは思いますが、手順くらいしか書いてないです。
道具の紹介から始まってヘラの選び方や持ち方もあるし、パテの練り方、盛り方、研ぎ方、 etc...
色々書くことはありますがいい加減にしとかないと。
それなら動画にしろよって?仰る通りです。
機材揃えたらやります。
では続きます。