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イイね!
2023年04月19日

タッチアップをできるだけ綺麗にする

リスキーな誰得テクニック。
うちの職場は自分くらいしかやらない。
ハイリスクな冒険なんて誰もしませんわという意味で。


ここから長々書いてますが、点みたいなやつを相手にしてるんで乾燥以外ひとつひとつの工程は数秒から数分くらいで終わります。







ある車のフードをアップにした図。

定規のすぐ右側に1mm程度のキズがあります。
右上にもありますね。
写真だと映り方がなんかしょぼいですが、ピカピカのボンネットに白い点って、実際に見ると意外と目立つものです。
これをタッチアップで埋めて磨きます。

今回の事例はだいぶ小さいキズですが、大きさによって手順が変わることはないです。
流石に直径3mm超えて色も剥げたような飛び石キズにタッチアップしたとなると、勘の鋭い人には気付かれそう。






作業する前に飛び出てる部分は削る。

飛び石に限らず、キズってどこかしら捲れあがってることがあります。
そのような部分はあらかじめ削り取っておくと綺麗に仕上がります。



使ってる道具はこれ。塗装後のゴミブツを取るための道具。

これ使うようになってから塗装後のゴミ取りにかかる時間が大幅に減りました。
ただし加減を間違えるとガリキズ入ったりピンホール空いたり。
って今この話関係なかったね。

別にカッターの刃を立てて使ってもいいです。
どっちにしても慣れが要るので…



これ自分の車の写真ですが、こんな風にペーパーをちょんちょん当てて色挿しておしまいにしてもいいです。
500番ペーパーを折り畳んだ中につまようじ仕込んでます。






キズとその周囲を脱脂。

土などの汚れ落とす→ホコリ払う→脱脂剤使う→乾拭きする
シリコンオフでシューッてして終わりにしないよう、乾拭きもセットで。
こすらず洗える!の某洗剤のようにはいきません。

それと乾拭きに使うウエスはワックスやコーティングに使ってたものはNG。
洗剤で洗ってあってもダメですからね。




ちなみに、表面が水や溶剤で濡れた状態でもキズが白く見える場合、クリア層の下、少なくとも色の層の深さにまでキズが到達しています。
そのような箇所には色を挿してあげないといけません。



水などで濡らしてる間キズが消えるようであれば、キズがクリア層で留まっているのでキズの深さに応じて磨き込むのか、クリアを埋めるのか判断します。

キズの深さをすぐ判別できるのでおすすめ。






ホコリを払う。

この白い布はタッククロス。
これで表面を優しく撫でてホコリを絡め取ります。
意外と視認性も上がるのでおすすめ。

本来は脱脂後、塗装する直前にエアブローしながら使います。
ベタベタしてる布なのであまり強く撫でくり過ぎると、べったりしたものが塗装面に付いてトラブルを招くので注意。






足付け or プライマー塗布前。

これから塗料が密着しそうか確認するために水拭き。
水をひたひたに含ん(でるように見えないけどちゃんと含ん)だウエスで拭いてこの状態。
弾いちゃってますね。指で触るとつるつるです。

これでも塗料が付くには付くのですが、磨いたらすぐ持ってかれる程度に食い付きません。

というわけで、塗料の食い付きを良くするために足付けしたり密着材吹いたりするというのが大事になってくるんですね。
具体的な作業を言えばペーパーかけたり、足付け用洗剤でわしわしやったり、ミッチャクロン吹いたりということなんですが…


今回使うのはこれ。

乾式プライマーってやつです。
バーナーでちろちろ炙った部分は密着性が向上します。
塗膜を厚く吹き付けられるわけじゃないことには注意して。
それでも作業前の "被塗面の見た目が変わらない" という点は画期的じゃないでしょうか。

とはいっても車には燃えたり溶けたりしやすい部品がたくさん付いてますので、使う時は色々と配慮が必要になります。






水気飛ばしてから炙り。

炙りカルビ。

実はやり過ぎると焦げます。白い塗装だとやばい。
そして奥の白いタオル、水でひたひたにしてあります。
間違ってもワイパーやカウルトップを溶かさないようにと。

さっきの燃えたり溶けたりーのくだりですが、
例えばバンパーを炙ると秒で塗装がチリチリになります。
ガチで秒だからね。






あらためて水拭きしてみる。

水が弾かなくなりましたね。指でなぞっても滑りにくくなりました。
これなら塗料も密着しそうです。
まだ水が弾いている場合は炙り直します。

ちなみにこのあと塗料を乗せるまでの間は水拭きのみOK。
脱脂剤などの溶剤を使ったら再度炙りましょう。
なのでタッチアップに失敗したら拭き取って炙ってーとなるので面倒くs






色を挿す。

筆作り。
マスキングテープを斜めにちぎって


よじってー


先っちょに毛羽立ちがあったらすこーしだけカット。


筆先に色をちょんとのせて、色をちょんと置きます。






挿したあと。

白い点がなくなる程度に色を置きます。
キズの大きさに合わせて筆を作り替えたり、色の含ませ方を変えたりします。

こんなんで大丈夫かよ?という声が聞こえてきそうですね。
ごもっともですが、どうぞ最後までご覧ください。






クリアも挿す。

これだけを見てるとやらない方がマシに思えますよね。

キズからほんの少しはみ出る程度に挿します。
穴が埋まる程度に盛り付ける必要があるし、盛り付け過ぎると削るのが大変になります。
ほどほどがいちばん(謎

ちなみに色もクリアも補修塗装用のやつです。
傷の大きさ、深さ、場所によってクリアのシンナー希釈を調整してます。

補修塗装用クリアは、修理する車に使われてるクリアに近い硬さのものを選ぶと磨く時によく馴染みやすいです。




ちなみにタッチアップペンでもやれなくはない…はず。
それと磨き前提でするならスクラッチシールドとかナノクリアみたいなのとかにはキツイんじゃないかなー。
設備整ってないとうまく磨けませんよ。






乾燥。

すぐ熱を加えると泡吹くので少し待ってから。
天気が良ければ天日干しでOK。冬は無理だけど。
ここまでやってることが塗装と同じじゃんというツッコミきそうですが
筆だろうとスプレーガンだろうとハケだろうと
削って脱脂して塗ればそれはもう塗装ですよ。






山を削る。

慎重に削ります。山はそこそこ残しておきます。
指先の感覚が大事なので手袋してません。汚い指ですがご容赦を。

このブツ取りカッター、見た目によらず切れ味が良いので油断すると根こそぎ持っていきます。






ペーパーに当て板付けてならす。

出っ張った部分を削る時は当て板が欠かせません。
まるでパテ研ぎみたい。
上の写真のように山をほんの少し残しておきます。

当て板とペーパーはコバックスのやつ。
当て板はゴム製ですが硬いです。

ペーパーはコバックス トレカット グリーン 8面ブロック。
グリーンは2000番相当。山がよく削れて磨く時にペーパー目が比較的残りにくいため選んでます。
8面ブロックは小さく使えて、シールタイプなので指先に付けて使えるのすき。






ならす。

指先に付けてるのはトレカット ブルー 8面ブロック。
ブルーは2500番相当。

2000番ペーパー+当て板だと結構深いペーパー目入っちゃうので2500番でならしておきます。

指先でくるくる撫でるよりは指先でタンタンと叩くようにしてあげると、磨く時にペーパー目が目立ちにくいかなという個人的感想。






軽く磨く。

山の残り具合を確認しながら、2000番のペーパー目が薄くなる程度に磨きます。
この時点ではまだ挿したところがポツポツと膨らんで見えました。






もう1回当て板使う。

山がまだ残ってるので更にならします。
今度は2500番ペーパー+当て板の組み合わせ。
かるーく当てるだけ。
きつく当たってる部分はより白く浮かび上がります。
2ヶ所ありますよね。

このくらいの見た目でおしまい。攻め過ぎると挿した塗料がなくなっちゃう。






そしてならす。

2500番を指でならしてます。さっきと同じ要領ですね。
同じ番手なのに当て板か指先かでペーパー目の入りが全然違うの気付きましたか?

実は下地処理に使うペーパーと当て板等の関係でも、仕上げに磨く時のコンパウンドとパッドの関係でも同じことが起きます。
ここがペーパーとコンパウンドの面白いところです。






磨き。

ペーパー目消します。
消えた時点で即終了。
追い込み過ぎないようにしますとか言っても加減が難しいね。


バフ目消します。


更に目消し&仕上げにぶいーーーん。






おわり。

いかがですか?


ぽっちが若干見えますね。
指差されてやっとわかる感じ。


俯瞰してみた。

映りこんだ蛍光灯の中に少しだけぽっちが見えますよ。







理由はどうあれ穴状のものであれば対処できます。
冒頭にも書きましたがあまりに大きいと塗料を挿したことが分かりやすくなるので、更に慎重な作業が求められます。

線キズも短いものであれば対処できますが、長さが3~4cm超える場合、すかして見た時に薄いミミズ腫れっぽい感じで見えるかもしれません。
ガリキズそのままよりは遥かにマシにはなりますが。




これは直径2mmくらいの雨染みの酷い箇所に色とクリアを挿したやつ。
直径2mm程度の白い穴、黒い車ならすぐわかりますよね。
しかもよりによってフードにあるから余計目立ちます。












思ったより黒が染まってなかったみたい。


画像の中央左寄りの蛍光灯の真ん中あたりにあります。








やる前に見極めないと失敗しちゃう事例。

直径1.2mm程度の飛び石キズ。
やっぱり写真だとしょぼく見えてしまうけど、実際に見ると結構でかいです。

で、何を見て欲しいかというと、キズの周りのクリアが既に薄くなってしまっていたんですね。
分かりやすいのが定規の先端あたり、色味が薄く感じられませんか?




実は私のとこに持ってくる前にガンガン磨き込んでしまったらしく。
これではタッチアップなんてやってもダメなので塗装せざるを得ないんですけど、この状態で作業するとどんな見た目になるかやったことなかったのでやってみました。




とりあえず慎重に削ります。
周りから青い粉出てるの見えた時点でやっぱダメだと思いました。
クリア層を失って色を削りだした証拠です。
※カラークリア除く




写真だと見にくいですが、明らかに褪せたようになりました。
その中に青い点がありますからね。目立つのなんのって。

このあと普通に塗りましたとさ。
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Posted at 2023/05/04 13:52:48

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