いわっ君いわっ君・・・

「まいっちゃったよぉ～！」

と、資料室で仕事をしているとオカルトおじさんが入ってきた。

「どうしたんですか？」

「あの”お話し爺ちゃん”たい・・(￣◇￣;)ﾏｲｯﾀｰ･･･」

「え、彼がどうしたんですか？」

「それがたい！指に包帯を巻いてたから『どうしたんですか？』って聞いたらね・・」

”お話し爺ちゃん”とは、元公務員で退職後はここに再就職している人。
育ちも良くて、なんの苦労もなく人生を送ってきたような、楽天的なお爺ちゃん。
しかも、ほっそりスマートで昔は男前で女性にたいそうもてていたようだ。。

その人に軽く怪我の事を聞いたら、怪我をした経緯を面白おかしく語り出したそうだ。

「そしてね、その話が終わったら腕を捲って・・

『この傷は、昔、私が若かった頃に港で、当時つきあっていた彼女と別れる別れないで海に、落ちたときにできた傷でね、ホラホラ♪５針も縫うたとよ・・そしたら、その彼女が・・うんぬんかんぬん・・』と長々としゃべって・・

今度は、ズボンの裾を捲りながら・・

『私ゃ、こぎゃん傷が他にも２１個所あるとタイ♪・・(・∀・)ｷｲﾃｷｲﾃ♪』

と、なったから、一つ２０分聞いたとして掛ける２１回となったら・・４２０分だろ？だから７時間も話を聞かんとイカンことに気付いてね。(￣◇￣;)ﾓｳ､ﾀｰｲﾍﾝ!」

「んな訳無いじゃないですか！(￣◇￣;)ｼﾞｮｰｼｷﾃｷﾆ･･」

「いや、あの人は話し好きだから。(￣◇￣;)ｱﾘｴﾙ!･･」

「いくらなんでも、んな事をしてたら、就業時間も終わってしまうじゃないですか！(￣◇￣;)ﾏｯﾀｸ･･」

「でね、話が永くなりそうだったから『ちょっとすみません！資料を取ってきてまた話を聞きますね～♪』って、逃げてきたんだよ～・・(￣◇￣;)ﾎｰ･･」

「え？終わらせてきて無いんですか？(￣◇￣;)ｴ?･･」

「だって、本人が気持ちよく話してるんだから悪いたい・・だから、ここで匿ってね・・(￣◇￣;)ﾈ･･」

「え？すっぽかすんですか！？(￣◇￣;)ｵｲｵｲ･･」

「・・会ったら、断れんし・・１時間もすれば忘れるだろうし・・(￣◇￣;)ﾈ?･･」

「どうでも良いですけど、私も仕事がありますからね・・(￣◇￣;)ｼｰ･･」

「・・あ、ゴメンゴメン・・」


時として、私は・・

”お話し爺ちゃん”に負けないくらい話し好きな彼が、人が良いのか悪いのか分からなくなります。

・・昔、昔の話し・・


写真は、熊本のシンボル熊本城。。