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2018年04月30日

娘の素朴な質問 マツダロードスターはなぜ誕生したのか?

我が家の娘からなぜマツダがロードスターを作ったのか?と質問されて答えた話をご紹介致します。


【戦争終結 経済復興とモータリゼーション】
日本は1945年8月15日 太平洋戦争を終結させ敗戦を迎えた。

戦争後 疲弊した日本国民の心に追い打ちをかけるかのように 食料難や住むところを失い また家族をも失っていた。

やがて1950年 隣国の朝鮮国で戦争が始まると 日本はこの戦争の特需に沸き 経済復興や所得も倍増した。

国民はやがて贅沢に飢える時代が到来する。


【戦勝国アメリカと敗戦国日本とのモータリゼーション(スポーツカー)の違い】
太平洋戦争に勝利したアメリカでは華やかなモータリゼーションが開花した。

特に贅沢な二枚ドアのスポーツカーに人気を博し 自国では シボレーコルベットやカマロ フォードマスタングなど大排気量エンジン 大出力のクルマが人気を得る一方で ヨーロッパでの小型軽量スポーツオープンカーも人気でした。

(現行型コルベット)


ではアメリカで人気を博した この小型軽量スポーツオープンカーとはどのようなものだったのか?


【小型軽量スポーツオープンカーの定義を考える。】
非力なエンジンに軽量ボディーなシャシ 駆動方式はフロントエンジン リア駆動の二枚ドアオープンカーであること。

そのクルマはオープンを基本として簡易的なオープン幌を有し またこの幌は耐久性にも優れていること。

日常の生活にも活用するため 必要最低限のトランクルームを有していること。

エンジンや足回りのセッティング余地を作り クルマのいじる楽しさを有していること。

そして運転には汗を適度にかきながら そのドライバーの運転技能に応じて そのクルマが軽快かつ一体感を持って走りの表現をしてくれるクルマであること。

この5つの要素がライトウェイトスポーツカーの定義となる。

[50年前のライトウェイトスポーツオープンカー紹介]

(ロータス エラン)


(MG A)


(MG B)


(オースチンヒーレースプライト)


(モーガン2プラス2)


(トライアンフスピットファイヤ)


(アルファロメオ ジュリア スパイダー)


(アルファロメオ スパイダー)


(ポルシェ356スピードスター)


等々

しかし敗戦国の日本では実用的4人乗りのクルマが支流でまだまだ二枚ドアオープンカーなどは憧れのクルマでしたねぇ。


【1960年代 世界中がライトウェイトスポーツオープンカーに酔いしれた時代到来】
ライトウェイトスポーツオープンは英国のコーチビルダーから始まった。

MGやロータス トライアンフ モーガンなど こぞって軽快で実用性に優れたライトウェイトスポーツオープンカーを発売。日本でもトヨタスポーツ800やダットサンフェアレディ ホンダS500 600 800シリーズなどが発売 高値の花だったこのようなスポーツオープンカーが手に入りやすくなりました。

(トヨタスポーツ800)


(ダットサンフェアレディ)


(ホンダS500)



【1970年代のスポーツカー】
1970年代になるとグランドツアラー(GT戦略)や高級 豪華な装備を人々は求めるようになり それらの欲求はクルマの重量増加を生み続けた。

またその重量増加をカバーするためにエンジン排気量を大きくし エンジン出力を大きくした。

やがてクルマ全体が重くなり 曲がらない 止まらないスパイラルが訪れ その為に ブレーキ強化とタイヤを太くした結果 コストも上がり 販売価格も高値となって行くのでした。


【1980年代のスポーツカー】
この頃になると エンジンには排ガス基準が厳しくなり 世の中にクルマが溢れてかえると自動車事故も増加し 車両の安全性も向上させるための重量増加は拍車をかけた。

またハイパワーエンジンを搭載してタイムを競うためのスポーツカーが世の中に発売されると エンジンパワーと言う薬物に人々は酔いしれ始めた時代でもありました。


【ライトウェイトスポーツオープンカー不毛説が囁かれた時代】
世界中の自動車ファンたちは走りの速さを追求した結果 ローパワーのライトウェイトスポーツオープンカーは販売台数を減らし 消滅していきました。

しかしこのような不毛な時代だと思われていたライトウェイトスポーツオープンカーを1989年に贈り物と言う言葉「ミアータ」MX-5 日本名「ユーノス ロードスター 」として発売されると 自動車ディーラーには長蛇の列が出来 賞賛されたのです。

(ロードスター の試験車両)


(初代NA型ロードスター )



【ライトウェイトスポーツオープンカー ロードスター の成功の秘訣】
このことは今までライトウェイトスポーツが不毛だと思われていたことが覆され 本来のクルマの楽しさ「操る楽しさ」とは時代に廃れることが無いことを再認識させる結果となりました。

このミアータMX-5は小型軽量オープンスポーツカーの5つの定義に2つのエッセンスを加えて発売したのが良かったのだと思います。

その2つのエッセンスとは何か?

その1つ目はパワステやエアコン パワーウインドーなどの装備が選べるようにして非日常車から日常乗用車に出来ること。

またもうひとつはコスト高(販売価格)をとことん抑えたことだと思います。

このコスト高を抑える秘策が流用部品を多様化していることです。

エンジンは当時量産車のマツダファミリアのものを流用し ミッションやデフはマツダルーチェのものを使い また車内のインパネはプラスチック製でドア内張りはダンボールにスポンジを挟み ビニールクロスで巻いた簡素な作りに 灰皿などは当時のマツダトラックからの流用することで開発費を抑えた結果 一番安いグレードで170万円を実現をしました。

しかしこの170万円のベースグレードでもエンジンはアップグレード車と同一 サスペンションにはダブルウィッシュボーンを履かせ パワープラントフレームは標準装備など走りの素の部分は一切妥協していないことが 最大の魅力でもあると思います。

そしてこのコスト高いを抑え 長きにわたり作り続けられたのが「生産ラインが量産車のデミオ」のラインで作れることです。

このことは生産者(自動車メーカー)的には異なる形状や性質 生産過程や工程の違うクルマを作るとは その生産工程と作業員の気構えに並々ならぬ プライドと誇り そして何より生産技術レベルの高い志しを持ち続けなければ出来ないことだと思います。

ではそのことを実証することを検証してみましょう。


【余談話 ノーマルロードスター への不満を考える。】
発売当時 ロードスター を乗られる人に不満を聴くとひとつの共通した答えが返って来た。

「もう少しエンジンパワーがあったらなぁ?」

そうです。私も当初はそう思いました。

しかし そのことが勘違いだと言うことを思い知らされたのが ロードスター に過給機を付けた車両に乗ったときのことです。

コーナーの進入手前でブレーキングしてフロント荷重を作り コーナー進入からブレーキをゆっくりリリースし 代わりにステアリングを切り始め フロント旋回荷重にする。やがてクルマはコーナーの遠心力からリアタイヤに荷重を移す頃にコーナー出口が見えてくる。するとアクセルオンでリアを少し流しながらコーナークリッピングをインベタでタッチして加速する。(これぞFR車の醍醐味と私は言う。)

このバランスがノーマルロードスター は操るドライバーとクルマが一体感を味わえるのが最大の走りの売りですが この過給機付きはトルク変身が大きく リアのスライドアングルが大きくなり またフロントへのプッシングアンダーを起こしやすくなり 気持ち良いはずのコーナー立ち上がりのアクセルオンに待ったがかかる。ようやくコーナー立ち上がりの安定期と直線区間入り口からアクセルを入れるのだが その間はお預け状態。

これが私が言う餌を与えられた犬に待てを言われている感覚を覚える。

操る感が台無しになる瞬間だと思います。

このように走りのスポーツとは自己の操る感性とクルマの動作が一体となり 自己の想い描くコーナーラインをトレースして行ける。

この共に共同作業感が人馬一体感となるのだと思う。

だから私はノーマルロードスター が大好きです。

少し話が脱線してしまいました。


では最後に【その後 ロードスタージャンルに果敢にチャレンジした ホンダS2000とトヨタMR-Sがなぜ淘汰したのか?】【ポルシェ911のように作り続ける意義】を考えてみましょう。

当時 200万円代のロードスターを340万円で発売したならどうだったのか?

私ならこう言う。特別なスペックや特別な先進装備が無い限り価値を見出せないと。

時は2代目ロードスター 時代にホンダはVTECエンジンと電動ソフトトップを武器に高額なホンダS2000を発売。

(ホンダS2000)


ロードスター を脅かす刺客かに見えましたが実際は違いました。それは250馬力のエンジンにクルマの挙動が安定せずにバランスを欠いたクルマとなり 乗り手が選ぶクルマでは無く クルマが乗り手の運転技量を選んでしまう結果となり また専用設計や特別な生産ラインから生産数が激減すると 自動車メーカーとして不採算となり廃止を余儀なくされました。

またトヨタMR-SもMR2からは3代目となりこの市場が飽和状態になっている時期の発売。ハイスペックでも無く 先進装備でも無い。あげくにはトランクスペースを無くした結果 実用性にもあまり優れずに生産数を減らして廃盤となる。

(トヨタMR-S)


トヨタ自動車はAE86以降(このコンポーネンツはひと昔前の先代70型カローラの流用が多かった。) フロントエンジン リア駆動のライトウェイトスポーツカーを開発しなかったため前輪駆動スポーツカーを前後ろを反転させた ある意味 急ごしらえの後輪駆動車をバランスや走りのアイデンティティーのエッセンスも入れずに作るなんて無理がある計画だったのかなぁ〜と思います。


いよいよ最後のポルシェ911そしてロードスターが911に学ぶこととは何か?

ポルシェ911とはリアエンジン リア駆動の基本 4人乗り実用スポーツカーでした。

(ポルシェ911レイアウト)

この911は世界で一番売れたクルマ フォルクスワーゲン ビートルを基本レイアウトとし 荷物室をフロントとし ショートホイールベースに4人乗りを基本とした結果 フロントサスペンションにはシンプルなストラッド式サスペンションとして足元を広く見せている。

またペダルレイアウトの関係から当時のナローボディーからタイヤをせり出すワイドボディーとした結果 当時から運転席と助手席を近くして足元レイアウトをカバーした苦労の滲み出たクルマでもありました。



このようなコンポーネンツを長く作り続けるためにはアイデンティティーを守り 絶えず進化をし続けることが大切で 外観はどのポルシェ911を見ても911とわかるデザインを持ち 当時130馬力に過ぎなかったこの911を現在では700馬力にまで押し上げた進化に私も脱帽してしまいます。

しかし乗り手の私も 昔の911と今の911も先進性は進化しているのに走りの基本はしっかりブレていないこと。また実用性に優れたスポーツカーであることはただ ただ関心してしまいます。

(初代911)


(現代の911)


ロードスターもハイパワーの進化はともかく ロードスター のアイデンティティーとその先進性のチャレンジは忘れないで欲しいと思います。



【総論】
我が家では合計9台の初代NA型 2代目NB型 3代目 NC型 そして現行4代目ND型を所有しテストして参りました。





このことは家族の絆と子供たちの走りの教育論の良き教材となったことは私の最大の宝ものなのだと思います。

このロードスター を通して子供たちへの走りの教育論から4人全ての子供たちがマツダにお世話になり そしてマツダの一員としてこのロードスター を守り続ける人になることをエンディングロールとして私のロードスター 談義を終了致します。

今後ともこのような家族ですが 宜しくお願い致します。




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Posted at 2018/05/03 09:32:24

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この記事へのコメント

2018/05/03 19:40:13
こんばんわぁ~。
いつも勉強させていただいております~。有難うございます笑。
読んでて思い出したのが、白洲次郎のプリンシプル、という言葉です。トヨタはそもそもそういう会社なのでしょうが、ホンダ、お前もか!というのは残念でしたが、マツダは買収の危機のなか、プリンシプルをなんとか持ち続けた・・・そして、その底流に流れているのは、ロータリーの悔しさではないか?と・・・。
そんなことを思いながら読ませていただきましたぁ~。
今後も楽しみにしておりますぅ~。
コメントへの返答
2018/05/03 21:07:11
コメント ありがとうございます。
原理 原則を守るのも大切ですし 撃ち壊す勇気も大切なのかなぁ〜と思います。

トヨタもホンダも発売した時点では売れ続けると思ったかも知れませんが読みが少し甘かったかも知れませんねぇ。

ライトウェイトスポーツオープンカーの分野には時代 時代の原理 原則があり ロードスター 開発者はそれを追究し 形にまとめたことが意義があり その後もロードスター を大切にするため イベントなど開催し自動車メーカーぐるみでそのクルマを守る体質も大好きな要素です。

近い将来 ロータリーエンジンも復活し また新たな新技術で世の中をあっと言わせるマツダであって欲しいと願うさーぱぱなのです。
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はじめまして ロードスターさーぱぱと申します。 以前はサーパパと言う名前でみんカラをやらせて頂いておりましたが 携帯電話の機種変更によりロードスターさーぱぱ...
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