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2014年02月04日

知られざる名君「鍋島直正」

NHKのEテレで放送されている「知恵泉」で鍋島直正公が特集されてました。
http://www4.nhk.or.jp/chieizu/x/2014-02-04/31/34155/

なかなか面白かったです。2/11にも再放送が予定されているので、
幕末ファンには是非観てもらいたいと思います。(同じ日に後編も放送予定)


鍋島直正(もしくは鍋島閑叟)は、幕末で知られた「薩長土肥」の肥前の殿様です。


ただ、薩摩は斉彬公・西郷さん・大久保利通、長州は松陰先生・高杉晋作・桂小五郎、
土佐は鯨酔公・龍馬・後藤象二郎と有名人が多いのに対し、肥前の志士達はあまり
知られていません。

「薩長土佐」と間違えて覚えている人がいるくらいですwww


原因は、肥前はぎりぎりまで討幕派とも佐幕派とも態度を明らかにしてこなかったからですね。
実際に討幕軍に加わったのは、討幕軍が江戸入りして「上野戦争」が開始する直前。
あの有名なアームストロング砲をひっさげ、討幕軍の勝利を確実にしたのです。

そこに至るまで肥前は他藩とは同調せず、幕府に江戸湾警備のための大砲を納入したりして、
幕府とも適当な距離感を保ち、中立な軍需産業国家のような立場を貫いたのです。

もし最新兵器を擁する肥前藩が、第二次長州征伐(四境戦争)のときに幕府軍に
参加してたら歴史は変わっていたかもしれません。

このようなどっちつかずのような立場は、周りから嫌われがち。
「肥前の妖怪」と称したのは司馬遼太郎ですし、現代でも評価が二分されているようです。



でも自分は、「幕末の四賢候」に匹敵する名君主だと思ってます。

肥前が幕末史に名を残したきっかけとなったのはフェートン号事件。
ペリー来航から50年近くも前のことです。

その頃オランダはフランスの占領下にあり、イギリスと戦争状態だったのです。
イギリス軍船が、オランダの船を攻撃しようと長崎湾に侵入。
あわや一発触発状態となりました。

幸運にもオランダ船はその年には入港しておらず、出島のオランダ人を人質にされただけで、
食糧や水などと引き換えに、戦になることなくフェートン号は去っていったのです。

実は長崎湾の警備は、隣の佐賀と福岡(筑前藩)が毎年交互に担当していましたが、
この年の担当が佐賀の肥前藩。みすみす異国船の入港を許したということで、
藩主は100日の逼塞、責任者は切腹という処罰を受けました。

先日の記事で、西洋諸国の脅威を体験したのは薩摩と長州と書きましたが、
実は肥前も戦争こそ無かったものの、その脅威を肌で実感していたのですね。

そこで長崎湾警備を増強するのですが、そのおかげで藩の財政はボロボロ。
大名行列が借金取りで進めなくなったというのは有名なエピソードです。


藩の財政改革から諸藩の幕末史がスタートするのは、薩摩・長州も同じです。
違うのは、薩摩が調所笑左衛門(斉彬公にとっては反対勢力側)、長州が村田清風
という家老に任せたところ。片や肥前は藩主が率先して財政改革を執り行ったのです。

当時、武士がお金を扱うのが卑しいとされており、「そろばん大名」という
鍋島公のあだ名は、あきらかに蔑称です。

それを気にすることなく、鍋島公はトップダウンの藩政を進めていきます。
特に力を入れたのが、教育と技術開発でした。

自分の勝手な推測ですが、「そろばん大名」と呼ばれるくらいですから、
鍋島公は斉彬公以上に数字や科学に詳しい人だったのではないでしょうか。

種痘の普及に協力し、反射炉による大砲製造、蒸気機関の試作など、当時の最先端
科学技術をいち早く成功させたのは、殿様が科学に理解があったからだと思ってます。


番組ではこの大砲製造のエピソードが詳しく説明されていました。
(プロジェクトX風の演出があればなお良かったwww)

鉄が作れるようになるまで10数回の失敗、さらに試射に成功するまで何度も失敗するも、
鍋島公は担当者の責任を追求するのではなく、原因究明を行うよう諭します。

封建的な武家社会でこんな殿様って、なかなかいないですよね。

「黒鉄の志士たち」という小説でも詳しく書かれていますので、興味のある方は是非。


2/11夜放送予定の後編では蒸気機関の開発エピソードがあるようです。こちらも楽しみ。
この辺は東芝の創業者田中久重が関わっているのだけど、名前が出るかな?どうかな?
ドラマ「JIN」でも出てきたけどね(あっちは東芝がスポンサーだった)。


あと豆知識ですけど、鍋島公は「四賢候」のうち3人と血縁があります(ウィキより引用)。
島津斉彬(双方の母方が異母姉妹で従兄弟の関係)
伊達宗城(義父・姉婿の関係)
松平春嶽(側室筆姫の兄) 

トップダウン式の藩政の鍋島公に対し、よく対比されるのが「そうせい候」こと
我が長州の毛利敬親公。対照的ながら、この殿様も名君です。
敬親公については、いずれ改めて一筆書いてみたいですね


そう言えば、去年の世界遺産への登録申請は「明治日本の産業革命遺産」ですね。
佐賀の反射炉は含まれていませんが、萩と伊豆の反射炉は入ってます。
(現存するのがこの2つだけだそうです)
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/tiiki/yuushikisya/kadouisan03/singigaiyo.pdf

江川太郎左衛門の功績ですね~。
萩は近いうちに行くとして、伊豆にも行ってみたくなりました。
ブログ一覧 | 幕末 | 日記
Posted at 2014/02/06 21:08:19

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この記事へのコメント

2014年2月6日 21:38
藩風は藩祖に、藩侯は賢祖の有る無しで決まると言いますが、鍋島家は藩祖直茂が武略だけでなく実務に長けた武将だったからと言うのもあるかと思います。

朝鮮出兵後に焼き物産業を興した事など、新しい産業を育成する藩風があったのかも知れませんね。

自ら藩政改革を率先したのは鍋島直正と上杉鷹山ぐらいかな。
コメントへの返答
2014年2月6日 21:47
なるほど~。確かに仰る通り、納得です。

幕末以外の日本史にはあまり詳しくないものの、遡ってみれば源流がここに・・・のようなアプローチは非常に興味深いです。

幕末に関わる各藩の藩風とか比較してみたら面白いかもしれません。

ためになりました。ありがとうございます!
m(_ _)m
2014年2月7日 19:53
そうなんですよ~。

源流を遡ると色んな事がわかりますよ!

ちなみに桂小五郎の先祖はかつて毛利元就と敵対した事もある武将、桂広澄だと言われてますw

次代の元澄から毛利家に仕えています。

自分はただの歴史マニアですがw
コメントへの返答
2014年2月7日 20:30
へぇ~へぇ~へぇ~。

戦国時代の武将ですか。。。
それは知りませんでした。

幕末から遡ると、関ヶ原までは理解できるのですが、その先はいろいろ複雑で大変です。

また面白そうなお話、聞かせて下さいね。
2014年2月8日 14:07
みなさん歴史好きなんですね。

確かに私も若いころは歴史になんの興味もなかったんですが、
戦国時代に興味をもったりして、いまじゃ幕末~近代史が好きですね。

歳食ったってことでしょうかね。
コメントへの返答
2014年2月8日 22:00
自分も同じです。歴史はまるで苦手だったんですけどね~。

幕末は群像劇と思ってみると、すごくよくできた物語なんですね~。

その辺から意識が変わってきたような気がします。

歳食った、というのは自分でもそう思います、同感です。

プロフィール

「九重阿蘇ドライブ:その1~戸次本町 http://cvw.jp/b/285856/47431004/
何シテル?   12/27 04:47
前々愛車のライオンマークが、ハンドル名の由来です。
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