レンジ エンジンECU不具合（その2）

2015年3月15日不具合発生
走行距離：148,480km

レンジエンジン不具合に関する原因究明の続きです。
次は「良い混合気」に関する点検を行いました。

症状が黒煙を吐いているので、燃料が濃すぎていると考え、ひとつの要因として燃圧を制御しているフューエルプレッシャレギュレータが故障して燃圧が高くなりすぎているのではないかと考えました。

ネットで燃圧計を購入して、ワークショップマニュアルのとおり、一番作業しやすいコールドスタートインジェクターの燃料ラインへ燃圧計を取り付けることにしました。
（コールドスタートインジェクターはフラップ式エアフロが採用されていた86〜88年式の初期のインジェクションモデルにのみ付いています。正規輸入車には付いていませんので、クラシックレンジ乗りのほとんどの方は参考になりません。悪しからず。）

まず、燃料ホースを外す前に次の方法で燃圧をゼロにしておきます。
・燃料ポンプのヒューズ（室内のヒューズボックス内）を外してポンプを動作させない状態にしてからセルを回しエンジンをかけます。
・残っている燃圧があるので一度はエンジンがかかりますが、5秒ほどすると燃圧が抜けてエンジンが止まります。

コールドスタートインジェクターの燃料ホースを燃料ライン（インテークマニホールドの周りをぐるっと一周している金属製パイプ）から外して、燃圧計用のT字継手を取り付けます。
T字継手の先から燃料ラインへは燃圧計に付属していたホースを使い接続します。
燃圧がかかりますのでホースの接続部はホースバンドで確実に止めます。

T字継手へ燃圧計を接続したところです。

まずはエンジン始動前の燃圧を測定しました。

エアクリーナーを外してエアーフローメーターのフラップが見える状態にしておきます。

燃料ポンプのヒューズを元取り差し込み、イグニッションキーをONの位置へ。

その状態で、指でエアフロのフラップを少し奥に押して開きます。
フラップが開くと仕組まれている燃料ポンプのスイッチがONになり、燃料ポンプが作動します。

燃料ポンプが作動した状態での燃圧を測定すると、約250kPa（=約2.55kgf/cm2）で正常でした。
（写真は撮影したタイミングの都合で少々値が下がってしまっています）

次にアイドリング時の燃圧を測定します。

エアクリーナーを元に戻し、エンジンをかけてアイドリングさせます。
（黒煙を吐きながらもなんとか短時間アイドリングさせました）

アイドリング時は、インマニの負圧を利用したフューエルプレッシャーレギュレータの働きで正常であれば少し燃圧が下がります。
計測値は、約210kPa（=約2.14kgf/cm2）になり、正常値でした。

よって、燃料ポンプおよびフューエルプレッシャーレギュレータの動作は正常であることがわかりました。

次はインジェクションシステム全体の点検を行いました。
つづく