プレスデイ初日の昨日。ショー会場へのアプローチは過去2回とは比べ物にならないスムーズさだった。宿泊先最寄りの北土城駅から10号線で3つめの芍薬居駅で13号線に乗り換え、一駅の望京西駅で新線の15号線に乗り換えて6つめが国展駅。どんなに遅くても1時間とは掛からない。
クルマだと、ショー会場まであとわずかというところでピタリと動かなくなったりする。通常の朝夕のラッシュアワーでもアホらしいのに、大勢が殺到するイベントにクルマでアプローチする非合理もない。
先進諸国でも微妙なシチュエーションなのに、交通モラルもマナーも途上段階のこの地で自分で運転できるならまだしも、バスやタクシーに身を委ねるのはどう考えても理不尽だ。
実は昨日のプレス受付であれまな思いをしていた。随分前からon lineでpress申請を試みていてパスポートによるID確認まではできるのだが、どうやっても先に進めない。過去2回は事前申請できていたのに駄目。ままよ、現地で交渉だ・・・いつものノリで赴くと「アンタは事前に登録されていない。明日のパスはない」臨時パスをほいと渡されてお終い。
まあなんとか手を尽くして今日も入場は可能にしておいたが、ちょっとねぇ。巨大マーケットということでメーカーにとっては疎かにできない市場であり、そこで存在感をアピールするモーターショーということになるのだろう。メディアとしてもそれ故の世界的な重要機種が発表される場となるわけで、貴重な情報源であるのは間違いない。
しかし、単に販売台数を競うだけのビジネス視点だけの報道にどれだけの意味があるのだろう。中国市場の嗜好は、まだ先進国とは隔たりのある特殊性が際立つ。大体、取材対象はモーターショーや工場や販社だけに限られるというのも何か物足りない。実際に中国各地の都市やら自然環境を、外国人が自由に走り回れる仕組みはまだ用意されていない。ただ見聞を広める段階はもう過ぎたしなあ。
ワールドプレミアが120台に及んだというが、そのすべての現場を一人でカバーすることは叶わない。巨大ホールが計9つもある広い会場で、せ~のでプレカンが行なわれる。中国で初めて経験して面食らったショットガン方式は、なぜか世界的なスタンダードになりつつある。
生き馬の目を抜くのもいいが、もっとフェアに、国際ショーのプレスデイに相応しい雰囲気は出せないもの?中国にプレスデイはプレスのためにあるのではなく、有望な顧客を招いての商談会の現場。そう諭してくれるみんカラ友達もいるが、かなり虚しいね。
日本勢は、ゴーン日産以外は予想を上回る中国市場の成長ぶりに慌てふためく態で急に力こぶをアピールし始めた。ハイブリッドで優位に立とうとするトヨタと、現地化を強力に推進し、東風/広汽それぞれとの合弁による専用ブランドの充実と中国ベースのCセグメント2モデルをアピールするホンダ。少し前の日本のトップ2は、いずれも強がりの虚勢を張るが、相対的な地盤沈下に焦りを隠せない。
マツダも三菱も持てるすべてを出して建て直しを図っているが、内輪の論理が先に立った印象で、伝えるべきニュースの質に疑問を感じる。僕が海外のモーターショーに出向くことになったモチベーションは、日本にいて情報を待っているだけでは日本メーカーのことが何も分からない。そのことに気がついたことが発端だった。
国内外各メーカーは未来のために今日明日の糧を得るというスタンスで中国を始めとする新市場に殺到している。それはそれでけっこうなことなのだが、そんなんで未来は明るくなるのかね。
ちょっと息苦しくなって、午前中にホンダとトヨタを重点的に取材した後、午後はトヨタのトヨタ/レクサスディーラー視察ツアーに飛び込みで混ざることにした。そのリポートはやはりDRIVING JOURNALかな。
トヨタの店もレクサスの北京一号店も非常に立派なスケールの優良店(?)だったが、いずれも気になったのはあまりにもトヨタイズムが入り込みすぎていないか、ということ。まだお金持ちしかクルマを買わない状況下で、大衆化を果たして40年近い歴史を積んだ日本式でいいのかな?ちょっと気になりました。
レクサス一号店の視察後の懇談の席でカメラのバッテリーがひとつ上がっていたのが気になった。忘れないように・・・と自分に念を押しながらコンセントに差し込んだ。お開きになって、マイクロバスでしばらく走ったところで、引率の張さんの電話がなり「誰かカメラのバッテリーを忘れた方・・・」あっ!!俺じゃん。
止むなくタクシーで戻ることにした。張さんともう一人カタログが欲しいという人がいて3人で戻り、やれやれと再びマイクロバスを降りた地鉄駅で散会。このあと暫し北京のエトランゼとして束の間のアドベンチャーを味わいましたが、それは内緒の話ということなので。
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2012/04/29 23:32:20