え~っ、みんカラお友達のmoto'91さんからの要請で、某東京都市大学(旧武蔵工業大学)・自動車部の新入生歓迎イベントに出向く……という話。行ってきました。ついでに、少し後に企画しようと思っている自前イベントの予行演習(つーか、シミュレーション?)を兼ねてオフ会やりましょう、できたら同大車部とコラボできたらいいね……幹事役を頼んだもしゃもしゃ毒きのこさんと粗い計画を立てていたら、ちょっとモメて。
しかし乗り掛かった船。以前から黄金週間中借用を予定していたポルシェ911カレラS(991)に加えて、できたらとリクエストされていたトヨタ86も現地入りさせることにしました。相方としてはソムリエ前澤に無理言ってお願いし、お付き合い願った。
ゴールデンウィーク初日。道路は早朝から混んでいて、6時出でツクバ着は8時30分。2時間半は最善を尽くした結果だが、60分以上のロスは間違いない。しかし、どうしてこう連休となると事故が相次ぐのだ。
理由は明白だが、個人の資質やスキルの向上よりも、テクノロジーやインフラのレベルアップのほうが有効と考える中央行政官僚の愚民政策が改まる気配はない。そろそろ限界で、最小単位の個人に立ち返って考え直さないと、安全も安心も手に入らない。マッチポンプやことなかれ主義に未来などなく、大変だけどそれぞれが努力して安全を確保する以外に手はない。できないことはやらないという態度は大事だろう。
イマドキの学生はどうなんだろう? 興味津々で楽しみにしていたら、まず挨拶されたのは同大OBの諸君。といっても40代そこそこ。20も下かと思うとげんなりするが、学生はというと3年生の現役部長はハタチであるといい、残る現役は2年生が二人。総勢3名という風前の灯火状態なのだった。
廃部の危機……OBは大袈裟に事態を見ていたようだ。入部の可能性のある新入生は8名。それをなんとか引っ張り込もうというのが今回の筑波ジムカーナ場でのイベントであり、そこで何らかの存在感を示せというのが僕に与えられたミッションであるようだ。当然のことながら無償の持ち出し参加。好奇心だけが僕のモチベーションである。
自分の娘よりも10歳以上若い新入生が相手。いや俺だって18の頃はあったんだぜ……当然滑るオヤジギャグに無反応なあどけない顔をみると、やっぱなあ、余計なお世話を承知の上でいろいろ教えたくなっちゃうんですよ。こうしたらもっともっと後の人生が面白くなる、どうせ一度の人生楽しんだ方がイイゼ式の話。
最初から座学みたいな口先の話をしても仕方がないので、86の同乗走行をジムカーナコースでということにした。新入生8人と、現役生3人。タイヤを気にしつつ、それなりに。無駄に難しい設定のコースに難儀したけれど、多少はドライビングスキルを信じてもらえたのではないかと思っている。
走った印象は、これまで以上に好感度が増した。そんなに路面μの高くない舗装路でトリッキーなコース設定を試して、タイヤグリップがタレる少し手前あたりのハンドリング、スロットルワークで向きが変えられる自在性の高さは、イメージと挙動の一致こそがドライビングの醍醐味であり、その身体感覚に忠実な特性が得られるFRこそが最善という持論に沿う。
いやね、ポルシェ911カレラSを借りて暫し都内を巡った後で86に乗り換えた際の、ある種ホッとした感覚。パワーレベルで2:1、価格では6:1とさらに差が広がる話題のスポーツカー2台は、いずれもいま余裕があれば即買いの対象だが、重厚感溢れる991から見るとチープさがやけに際立つ86のほうが胸に通るものが多い。
そのままのセットアップで内外装、塗装品質やカラーデザインそのもの、室内のマテリアルからインターフェイス回りのさらなる質感向上を実現したら、現在の価格の倍になっても買う。それでも911の3分の1だもの。
新入生にジャンケンをさせてその一人だけにポルシェの同乗走行をプレゼントすることにした。この一人というのが大事で、彼のluckyは他の7人に何をもたらすか。多分8人全員が入部して、新しい自動車部を作る何かのきっかけになったのではないかと僕は期待している。
僕はすでに還暦の60歳で、ドライビングスキルも往時に比べたら随分落ちている。余裕があったらシルバーレーサーとしてカムバックする気は十分だが、いい年をしてレーサーとして糊口を凌ぐ生きざまにはずっと疑問を感じ、自制してきた。それでもこの位は走れるというのが僕の矜持なのだ。
説明してはいないので、思いが新入生に伝わったかどうかは分からない。でも、僕だって18の時があり、その頃はただの若さと馬鹿さの塊に過ぎなかったという記憶をベースに、大丈夫思う通りに生きたらなんとかなるから……という雰囲気は理解されたと勝手に思い込んでいる。
そっちのミッションはなんとかなったが、問題はこっちの春の筑波でなんとか……である。一応、86の同乗走行で恰好をつけたけれど、ポルシェはほとんど触れられず仕舞い。もったいなかったけれど、それは次回の自前イベントの時にやろうよ、ということで。
いったいお前は何をしようとしているのか?分かりにくいかもしれませんが、人生を豊かにする道具としてのクルマにこだわり、大人が楽しめる自動車のカントリー倶楽部みたいな空間を創出できたらいいなあ。もう25年近く前の着想を具体化することが望みのすべてかもしれません。
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2012/04/30 00:59:37