伏木悦郎のブログ一覧

太平洋航路の東行きはタイムマシン。

成田を17日15時40分に発って、ＬＡＸには西海岸時間8時ちょうどに着いた。9時間20分飛んで、7時間40分逆戻り。今日は一日が41時間の計算だ。



昨夜は徹夜だったので、とてつもなく長い一日である（まあエアポート成田のグリーン車で2時間、機内で6時間は寝たけど）。


せっかくのＬＡだから、何か試乗して赤字解消を図らないとね。で、アキュラＴＳＸを借りてちょっと長い距離を走ることにしました。


今日は↓の取材があったりしたので、走るのは明日。多分このクルマをネタにした記事をdriverに書くことになるはずです。

もちろん仕事もしてますよ。


今日は、秘密基地の水素ステーションの取材。コジェネの上を行くトライジェネ（発電、温水、水素）の水素供給システムと、ソーラー（48枚のパネル）で発電しその電力で水の電気分解を行い水素を得るシステムのふたつ。


実用化のハードルは高いが、そこには夢と希望がある。

初めてここを訪れたのは1985年。

当時のグループＣカー、ローラＴ616・ＲＥ（＝ＢＦグッドリッチが市販ベースのラジアルタイヤでル・マンに参戦）の試乗に、今やＦ１カメラマンの大御所のＫ君と一緒に今はなきリバーサイド・スピードウェイを訪れた際のことである。


この時、今も使っているSIMPSON.NOMEXのスーツを新調子がてら立ち寄ったトーランスの街で、やってみる? ということで、小さなシューティングレンジで38口径を初めて撃った。


二人とも最初はドキドキで、1パック50発のビュレットを打ち切ることができるか? 震えながら撃ち始めたのだが、最後は快感を覚えるようになっていった。


これはクルマと同じだ。最初は怖いけど、慣れるともっともっととなる。法律で厳しく管理されているのもそうだし、場合によっては人を殺したり、自ら死んだりすることもある。


Ｋは、カメラマンらしい視点で、面白い見解を述べた。俺らは日頃被写体を（カメラに）『入れる』仕事でしょう？　ちゃんと入っているかどうか、現像するまで分からない。


それが凄くストレスになるんですよ。デジタル化でフィルムが消えた今では状況は変わったはずだが、だから入れるのではなくて発射することに非常にカタルシスを感じる……たしかそんな内容だった。


なるほどなあ、と思った。面白かったのは、拳銃を構えるポーズが、Ｋの普段のカメラを構える撮影スタイルそのまんまだったことだ。


帰国前日となった翌日、今日はどうする？買い物でも行くか……俺が尋ねると、Ｋは即座に「伏木さん、買い物はいつでもできるよ、それより今日も行こうよ。もっと良いところあるはずだから」。


で、捜し当てたのが今日のインドア・シューティングレンジ。作りは23年前のまま。今回はあの時の38口径Ｓ＆Ｗレボルバーではなくて、キンバー45口径オートマチック。


L.A.P.D. S.W.A.T.（ロサンジェルス警察特殊部隊）に正式採用された業物で、なかなかの迫力ものである。


いやぁ、23年前に味わった緊張感が蘇りました。ぐったり。