桜の花を見に行ってきました。
青空文庫で太宰治を久し振りに読んでいたのですが、
余りに天気が良いのでお出かけすることにしました。
もちろん、今日も「脚車」の自転車。
脚車だと駐車場も考える必要がありません。気楽です。
川沿いの桜並木。ほぼ満開。
多くの方が歩いています。
私も自転車から降り、歩きます。
ゆっくり花見です。
愛車の355ですが、なかなか工場から出てきません。
10月初めに契約。11月初めに工場へ入庫。
以来5ヶ月。整備が長引いています。
二十数年前の車ですから仕方ないですね。
なので今日も自転車です。
桜の花を楽しんでいると、ダークスーツの中年男性が近づいてきます。
突然、
「コンニチワー。」
と話しかけられてしまいました。
誰だろうこの人。
私が不思議そうにしていると、
「あっ、挨拶がまだでしたね。
初めまして。
私、みんカ○のユーザー・リレーションシップグループの
XXX(以下みんカ○)と申します。
隊員2号さんの担当になりました。」
怪訝そうな表情だったからでしょうか。
自己紹介を始めました。
隊員2号:
「何ですか、そのユーザー・レンタルショップとか言うのは。」
みんカ○:
「レンタルショップではなく、
『ユ ー ザ ー ・ リ レ ー シ ョ ン シ ッ プ』です。
みんカ○のユーザー様をサポートする部署です。
ユーザーの皆様に、たくさん情報発信をしていただき、
楽しいカーライフと、
みんカ○での上質なエクスペェリエンスの
提供のために活動しています。
言ってみれば、みんカ○のサポーターですね。」
隊員2号:
「みんカ○のサポーターさんですか。
いきなりなんで驚いちゃいました。
でもわざわざやって来るなんて、どうしたんですか。」
みんカ○:
「最近、車のブログを書かれていないので、
どうされたのかと思いまして。
何か困ったことがあるようでしたら、
お役に立てるのではないかと思い参りました。」
隊員2号:
(『車のブログを書いていない』か。嫌な事を言ってくるな ・ ・ ・ 。
まっ、本当のことは分からないし適当に答えておこうっと。)
隊員2号:
「いやー、
去年の11月に整備工場に持ち込んだんですが、
まだ整備が終わらないんですよ。」
みんカ○:
「ずいぶん長い整備ですね。
単なる納車整備ですよね。」
隊員2号:
「えっ、納車整備って、
あっ、あっ、どっ、どうにも古い車ですからね、355は。
なかなか修理が終わらないんですよ。
だって、フェ、フェラーリですから。
そっ、そんなもんですよ。」
隊員2号:
(ふーぅ、いきなり整備が終わらないことを突っ込まれてしまった。
だけど、なんとか無難に答えられた。
よかったー、バレなくて。)
みんカ○:
「ところで355オーナーになられて、
生活に変化がありましたか。」
隊員2号:
「いやー、よく行く麻○のカウンターレストランの美人シェフに、
『絶対乗せてね!!!』って言われてるんですよ。
行くたびに言われちゃって(照)。
きっと私に気があるのに違いないですね」
みんカ○:
「おや、変ですね。
実は色々な方から、ご意見を頂いていまして。
麻○のレストランの女性シェフからは、
『みんカ○のブログを見せられたんですが、
いつまで経っても工場に入ったままで変なんです。
嘘ついて、自慢してるだけじゃないんですか。』
と苦情が入っていましてね ・ ・ ・。」
隊員2号:
「や、や! 何を言ってるんですか。しっ、失礼な。」
みんカ○:
「その女性シェフさん、
『食事に来る度に、車でデートしようと誘われて ・ ・ ・。
しつこくて困ってます。
実際の車のキーや写真は無く、
見せられたのはみんカ○のブログだけ。
本当に車持っているんですか。
気持ち悪いんです。』
と言ってましたよ。
おまけに、ワイン1杯とチーズだけ頼んで、
カウンターで粘ってるそうじゃないですか。
それでしつこくデートの誘い。
もうセクハラですよ!!」
隊員2号:
「ちょっ、ちょっと乗ってみないかと言っただけじゃないですか。
しつこいだなんてとんでもないです。
心外!!」
みんカ○:
「では、誘ったのは事実ということですね。」
隊員2号:
(し、しまった。
ついうっかり本当のことを言ってしまった。)
みんカ○:
「そうとうしつこく誘ってるようですね。
面談した時、とっても嫌がってましたよ。」
みんカ○:
「隊員2号さん、本当に355をお持ちなのですか。
持っていないんじゃないですか。
嘘は良くないですよ」
隊員2号:
「なっ、何を言ってるんですか。
もっ、もちろん持ってます。
あなたにそんな事を言われる筋合いは無いです。
失礼ですよ(汗」
みんカ○:
「実は私、みんカ○ エアオーナー特別調査官なんです。」
隊員2号: 「何ですかその特別何とかというのは。」
みんカ○: 「みんカ○内での不正利用を取り締る特別調査官です。」
隊員2号: (しっ、しまった! まずい人が来てしまった。)
みんカ○特官:
「当社は、みんカ○サービスを世界展開しています。
特に中国に力を入れています。
中国でのユーザー獲得には、信頼性が重要なんです。
みんカ○内の情報の正確性が大事なんです。
フェイクニュースってご存知ですか。」
隊員2号:
「トランプ大統領のニュースとかで話題になっているやつですよね。
嘘のニュースを流すなんて、最低ですよね。」
みんカ○特官:
「そう、話題になっているフェイクニュース。
その対策をみんカ○でも行っているのです。」
みんカ○特官:
「特にみんカ○の場合、所有していない車を嘘をついて登録するエア・オーナーが問題なんです。」
隊員2号:
「所有していない人が問題なんですよね?
わっ、私には関係ないですよ。
ブログにナンバーのついた写真を上てあったでしょう。
私は、もっ、もちろん、持ってますよ。」(どきどき)
みんカ○特官:
「最近は、AIを使ってブログの内容を解析しているんですよ。
怪しいブログは自動でチェックされるんです。
で、隊員2号さんのブログが不審なブログとして上がってきたのです。
調べてみると、車と一緒に写った写真は一枚もないですよね。
おまけに写真は他のブログのものですよね。
AIで、すべて判明しています。」
隊員2号: (ぎくぎく、ぎくっ。写真までバレてる!!。)
「えぇ、まぁ、写真は、そっ、そうですが ・ ・ ・ 。
でも、355は、確かに持っています。
もっ、持ってると言ったら、持ってるんです。」
みんカ○特官:
「確か工場に入れたと書いた記事は昨年の11月2日。
それ以降、車のある写真は降ろしたエンジンとエンジンルームの写真だけ。
もう5か月も経っていますよね。
まだ納車整備が終わらないんですか。
変ですねー。
もう5カ月ですよ。
本当は持っていないから、
いつまでも納車の記事を書けないだけじゃないんですか。」
隊員2号:
「いっ、いや、そっ、そんなことないです。
もっ、持ってます。
エンジン下ろしたから、時間が ・ ・ ・ 。
そっ、そうだ、クラッチがダメになってたんですよ。
あの車はバックすると、すぐクラッチがダメになるんです。
前のオーナーがバックを沢山してしまったので、しょうがないんですよ。」
みんカ○特官:
「隊員2号さんの355は、MTでしたよね。
クラッチがすぐ減ってしまうのはトランスミッションがF1の場合ですよ。
MTはバックしてもクラッチ減りませんし、壊れませんよ。」
隊員2号:
(ま、まずい。なんか言い訳しないと ・ ・ ・ 。)
言い訳を考えていると、さらにたたみかけてきます。
みんカ○特官:
「それにみんカ○に登録の時、
MTと登録されてますが、
車検証もそうなってるんですよね。
ちなみに何速ですか。」
隊員2号:
「5速に決まってるでしょ。
車屋さんから貰った車検証にもちゃんと書いてあります。」
みんカ○特官:
「変ですね。
355は5速ではありません。
6速ですよ。
それに車検証には、AT、MTの区別は書いてないですよ。
車検証見たことありますか。
というより自動車自体、持ってないのじゃないですか。
なんで、持ってもいないのに登録したんですか。
他にも通報が来てるんですよ。
1件だけでなく、いくつも。」
隊員2号:
「そっ、そんなことないです。もっ、もってます。」
みんカ○特官:
「他の読者からも
『変だ。
いつまで経っても自転車の記事と、
ゲーセンの記事しか書いていない。
エアオーナーじゃないですか。』
といくつも通報が来てるんです。」
隊員2号: (まずい ・ ・ ・ ・ ・)
みんカ○特官:
「もう認めたらどうですか。
あくまでも認めず、修正もしないなら、
みんカ○としては、隊員2号さんをエアオーナーと認定し、
本日付で、アカウントを凍結します。」
隊員2号:
「ちょ、ちょっ、ちょっと待ってください。
毎日、みんカ○だけが楽しみなんです。
エアオーナーだと認めますから、凍結だけはやめてください。
お願いします。」
みんカ○特官:
「やっと認めましたね。
なぜ買ってもいないのに買った振りをしたんですか。
そんなことをしてもしょうがないでしょう。
すぐばれるのに!!」
隊員2号:
「ごっ、ごめんなさい。
高校生の頃、好きだった女の子に告白したら
『隊員2号君の話はツマラナイから。』
と言われて振られたんです。
それ以来、話を盛らないと怖くなってしまったんです。
普通に話せなくなって、
みんなに面白いと思われないとダメと思ってきたんです。」
(グスン。グスン)。
隊員2号:
「盛った話をしていると、みんな喜んで聞いてくれて。
いつの間にか、自分でも本当のことに思えてきたんです。
自分自身、楽しくなってしまったんです。
それで止められなかったんです。
ご、ごめんなさい。」
みんカ○特官:
「やはりエアオーナーだったんですね。
その原因は、高校生の頃にフラれたことだったと。
もう○0年以上昔のことを未だに引き摺ってるんですか ・ ・ ・。
あきれた話ですね。」
隊員2号:
「だって・ ・ ・ ムニャ、 むにゃ、 むっ ・ ・ ・
・ ・ ・ はっ!!
周りが暗い。
気がつくと日が差さない薄暗いアパート。
部屋の炬燵です。
桜もありません。
自転車の疲れか居眠りをしていたようです。
上半身が汗をかいています。ベットリとした嫌な汗です。
妙にリアルな夢でした。気をつけないと。
変な夢を見ちゃったもんです。
気にしない、気にしない。
さあ、「海軍道路へ桜並木を見に行った帰りに工場へ愛車を見に行ってきた」という記事をあげないとね。
もちろん355の写真は自分のではない写真。
誰も判りっこないし ・ ・ ・ 。

コメントは
「部品を待つ三周号です。あと一つ部品が届かず完成しないそうです。」
でいいかな。
はい、アップロード完了。
おや、玄関に人影が。
ピン、ポーン。
「コンニチワー 。」
・ ・ ・ 。
単純に整備が終わらないと書くだけなのに ・ ・ ・ 。
久し振りに読んだ太宰治がいけないんです・・・。
またつまらないものを書いてしまいました。 m(_ _)m
写真はバナナっ子スパイダーさんにいただきました。ありがとうございます。
あっ、写真に写っている355は自分のです(汗