たった一度だけ足がすくんで動けなくなったことがある・・・。
それは、バブル景気真っ只中の1989年の10月の東京。
時代は好景気!大学生になったら!大人になったら!
いろんなエロんな(失礼!)夢を持って生きていたあの13歳のあの頃・・・
怖いもの知らずのあの頃に・・・足がすくんだ瞬間があった。
小金井街道と五日市街道が交わる交差点で
あのスカイラインGT-Rを見た。
ガングレーメタリックのボディに独自のグリルとワイドフェンダーと
そして、リアの栄光のGT-Rバッジ!
この時代、今よりも新車の納車待ちが激しくて「1年以上待つ」なんて車種もあったけれど
1989年8月21日の発表から2カ月のこの時、
ついに本物のGT-Rを見ることができた!
あの7時40分のGT-Rに会うために、いつもあの交差点で待ってっけ・・・
今日はそんなGT-Rのお話し。
こないだから自分のクルマ以外に興味がないのですが
それだけ自分のクルマを気に入っているということで
そういえば、あのシリンダートラブルの発生から1年経ちました。
そういうトラブルを乗り越えて出会えた987との出会いだったから
こうしてこうして今は迷うことなくポルシェライフを送れているのかもしれません
神様が与えた試練は、幸せな今につながるスパイスだった?
大袈裟だけどそんな感じでしょうか。
だけど、いまは911カレラ全モデルが来ても
心が動かないくらいになってしまうと、もう一度自分の心を
30年以上巻き戻して、何が自分に足りないかを考えたくなったのです。
例えば、憧れのクルマってなんだったんだろう・・・。
30年前、ちょうど1989年から1990年にかけてスポーツカーの当たり年でした。
あの頃、レトロブーム的な懐古趣味的な(いつの世もあるよね)ムーブメントでいうと
1965年~1970年代前半のクルマは既にカルト的な人気でした。
(もちろん絶対的な価格なんか今より安かったけどね)
けれど、さっき言ったように1989年頃からは今考えても不思議なくらい各社当たり年で
この年にハッキリと思ったのは
「1969年のスポーツカーも悪くないけれど、1989年、今年のスポーツカーも悪くないよな」
オイルショックの時代を経て、ようやくいいトンネルに入ったと、
1989年の自分は思ったものです。
この時代すごく憧れたのは・・・
1月のロサンゼルスに出ていた新型フェアレディZ32
5月に国内発売されたスカイラインGT-R
でしょうか?
Z32は銀座のショールムームで、赤のツインターボを見た
そして
GT-Rのほうは既に伝説のネーミングだったので
復活したときは、震えました。
悲運のケンメリGT-R以来の16年ぶりの
「GT-R」の復活ということで、当時話題にもなりましたし、
僕の中でもすごく盛り上がったのを記憶しています。
「16年ぶり」なんて今40歳を過ぎたオッサンの自分からすると、
「2~3カ月」くらい前の時間の感覚なんですけど、
当時13歳の自分からすると、あくまでも生まれた年よりも前の話であって
それは例えるなら「(ケンメリGT-Rの)1973年」は自分にとって
「江戸時代」や「平安時代」と変わらないくらい昔のことであって
そのくらい歴史的な出来事だったのだと記憶しています。
そして
「野茂がすごいと言っても、江夏のピッチングには敵わないよ」
「清原?イチロー?ONのほうがスターだったんだから!」
とか言う、野球ファンのオッサンの目の前に
「AIで作った江夏やONを連れてきたよ!現代のプロ野球で勝負しよう!」
と、言われるくらいワクワクした出来事でした。
他にも1989年は煌びやかなニューモデル誕生の年で
その年の東京モーターショーで見た「ホンダNSX」(翌年市販化)や
市販化されなかったけど、スバルの「ジオットキャスピタ(なんとボクサー12気筒!)」
我らがポルシェはいよいよ限定車「959」で培った技術のフィードバックで
911カレラに「カレラ4」なるグレードを盛り込んだ「964型」の発表!
あの頃インポーターだった「MIZWA(ミツワ)」が
テレ朝の「ニュースステーション」でCM枠を持っていて、22時40分ごろ流れる
「ポルシェは誰にも似ていない」っていうCMをいつも楽しみに待っていたな・・・。
そんな僕が、やっぱり憧れたのは「フェアレディZ(Z32)」と「スカイラインGT-R」
後年、大人になってから縁があったのは、社会人1年目に購入した
あの「1989年」式のZ32のほうだったけど、
GT-Rはいつまでも縁がなくて
そのうち「もう一つの頂点」だったポルシェに行ってしまった自分・・・。
時代が変わり、生活環境も変わりいつしか自分にも家族ができて
グローバルな時代に憧れだったあの(スカイラインの)GT-Rが海外でも人気になった
こと、
そして「GT-R」が「スカイライン」のソレと区別もついていない
自分の息子が物心ついて「こっちのGT-Rがカッコイイ」などと言い始めたこと。
だったら、大げさだけどこれは「憧れの継承者」として何かできることはないか?
と思い始めたことで行動することにしました。
きっかけはよく行く大黒PAに現れるレンタカーの外国人が乗ったスカイラインGT-R。
それがココ。
前から気になってました。
ここ、いろいろあるんですよ!
僕には懐かしいZ4だってあるんです!
GT-Rだってイロイロ!
ランボルギーニも年齢条件さえ合えばレンタル可能
というわけで、GT-Rといえば32・・・と行きたかったのですが
今回はポルシェ以外に本当に欲しいクルマは何か?というテーマもあって
もう少し現実的に「いちばん新しいスカイラインGT-R」はどうか?
R35は、以前のブログで試乗しましたけどもう僕の中では
限りある予算の中では「役物のポルシェのほうがプライオリティは上」という感想です。
(もちろん、R35はイイクルマですよ!)
それでも今年で20年は経つR34は所有するならそこそこ厳しい状況ではないか?
という仮説は、乗ってみて大当たりだった事に気が付きます。それは後で。
しかし、レンタカーとはいえ名車に乗れることにもう少し緊張感や畏敬の念が
欲しいところ。
全損となればここで加入している保険ではカバーされないそう。
特にはしゃぎたくなる気持ちもわかりますが、(自分もそうですが)
こういうおもしろいビジネスがいつまでも僕たちの元に残りますよう
乗ってみて・・・
いきなり結論めいた事を書きますが・・・。
憧れのスカイラインGTーR。
乗ってみるとフツーのクルマです。
元がスカイラインなんで、当たり前といえば当たり前ですが。
そういえば、
僕にはR32も33も34もGT-Rでないスカイラインはチョイ乗りくらいの
運転体験があったので、特に新鮮な感動は無かったです。
乗り出しの加速感はそういう意味では
「他のグレードのスカイラインより濃い目の味付け」くらいの感じ。
しかし、レンタカーっちゅう現実は残酷で
あちこちキズだらけ。
ステアリングもヤレまくりの個体。
トランクもレバー引いて開かないから引きっぱなしで直接フードを引っ張れと、
(^・x・^)んな無茶な。
それでまた、MTも節度感ゼロ・・・。
5速から間違えて2速入れてしまうくらいどこかわからなくなっている。
(普段はMT乗りませんが僕はそこまでMTの運転は下手でないです)
また1速と2速がすごく入りにくい。
ギギーッ
入れ直しを強いられる場面もしばしば。2速が渋いのは今までも経験ありますが
(^・x・^)全然入らないやん。
大黒にでも行こうかと思いましたが、渋滞でこれはキツかった~(笑)
普段MTに乗り慣れていないこともありましたが、有明JCTで
渋滞しながらギーギー言いながらクラッチを切り繋ぎすることに辟易として
C1周回走行に切り替えます。
また15万キロ走行のこの個体は、素人の僕にもわかるくらい剛性ガタガタ。
安心して飛ばせるものではありません。
・・・と、ここまで書くとダメダメかと思うでしょう!
(^・x・^)R34GT-R!ものすごい良かった!
どのくらい良かったかというと、
(^・x・^)何かの事情でポルシェを諦めてこれにしろ!言われたら・・
(^・x・^)ハイ!と言いそうなくらい。
確かに、絶対的な速さはもう・・例えばサーキットでそれこそ前に乗っていた素の997
の方が速いと思える程度でしたよ。
今乗ってる987だって直線で負けてもコーナーなどトータルでは987のほうが速いと
思えるくらい。
(^・x・^)でもね・・・。
本来ならこのテの普通のハコのパッケージのクルマには体験し得ない
速さの質・・・気に入りました。
ブースト計が4速で5000回転で0.6barを指すあたりの加速感!
ドッカンターボよりは洗練されていますが、それでもツインターボにブーストが
掛かる時の加速感は質の高い加速感・・・と言えます。
この感想の正体は・・・
この時代のクルマが持つ独特のフィーリングなんでしょう
最新モデルが最良・・・なんてことはないんです。
洗練されて失うものもある。
ハッキリ言います、先月乗ったBMWのM2よりも絶対的速さで負けているでしょう
でも速さの質はコイツが上です。また自分の987にもない速さの質・・・。
それでいて乗りやすいですよ、だってスカイラインでもあるんですよ。
実は息子が高評価だったから
「(・o・)が運転うまくなったら」とか考えていたけれど
ギアが渋い個体だったけれどこのマニュアルの運転の許容度はBRZやロードスターなんかのMTよりも全然初心者向けですよ。
2速でも出られるしクラッチも軽い!
(^・x・^)楽しいと思うな~
けれど、もう20年経つモデル。
海外の高評価による中古車価格の高騰は別にして、仮に手に入れても
部品の製造廃止と闘いながらベストコンディションを目指すのは
それなりの覚悟が必要でしょう!
今回ボロボロのレンタカーに乗ってみて
現役オーナーさん達の奮闘には頭が下がります。
憧れたR32は既にヴィンテージに領域に入っています。
乗ってみて感じたのは、そういう覚悟で乗るクルマになってしまったこと。
今の自分なら運転上手くなって、
すごく乗りこなせる自信がある。今回はそう思いました。
免許の無かった1989年の自分はもちろん、
新車だった1999年の自分ではそれこそ全損事故もあったでしょう。
運転技術の熟した2019年の自分ならなら乗りこなせる。
けれどもうそう気軽に乗れるクルマではないこと。
青春のリグレットじゃないけれど、(経済的に)ムリして得られるもの
もしかしてあったのかも。・・・だったのかもしれません。
1989の僕は片思いだったけれど、2019の僕は・・・。
そんなセンチメンタルな気持ちをブチ壊してくれたのは・・・。
(・o・)チキンマンだよ!
(・o・)お帰り~!
(・o・)早く乗りたい~
(・o・)ウォォォッォォ
(・o・)ポルシェと並べよう
(・o・)クルマ好きの諸君!
(・o・)チキンマンはエンスーの味方
(・o・)どこにでも現れるよ!
(^・x・^)ところでGT-Rどうよ?
(・o・)屋根開かないんだね!(当たり前だろ!)
(・o・)ポルシェのほうがみんな見てくれるね!(そーだなw)
(^・x・^)大人になったら欲しい?
(・o・)うーん、ちょっと・・・
(^・x・^)ちょっと、何だよ!
(・o・)ちょっと気が遠くなった
(^・x・^)気が遠いってなんだよ
(・o・)微妙ってことかな?
スポーツカーとの出会いは一期一会
その時代の巡り合わせや憧れもあるけれど
作り続けることに意味があると思う。
GT-Rは途切れたこともあったけれど、
作り続けることにそのモデルモデルへの技術的な熟成と
人々の時代ごとの憧れのスパイスになると思う。
もう7年経つけどBRZ/86と
30年経つロードスターとは差があると思う。
ポルシェがすごいのはその技術の成熟と作り続けたブランド力
だから今からでも遅くない!
ユーザーもできるだけジャパニーズスポーツカーに乗り続けて欲しい。
今度のこれもそう
(^・x・^)僕?
(^・x・^)また、BRZに乗ろうと思っていますよ
(^・x・^)子供が免許を取る頃には・・・。
そうやって、国産GT・スポーツカーに頑張ってもらいたいんです!