2018年01月08日
その日から、ボクスター・ケイマン探しが始まった。
条件は下記。
1.予算は300万円~500万円(幅広いが)
2.ボディカラーは黄色または赤限定
3.正規販売店の物件であること
ところが、1や3はともかく2がなかなか出てこない。
何で赤や黄色が良いかというと、単純にカッコよかったから。
乗っていた986もスピードイエローだし、その前のE85のZ4も赤。
国産車ならかつて所有していたフェアレディZ32もイエローだった。
せっかくのスポーツカー、赤や黄色がカッコイイではないか!
確かにGT-Rなんかはむしろガングレーメタやブラックがカッコイイし、
そういえばやっぱりかつて自分が所有していた国産車でスバルBRZなんてのもあったが、
あれはキモオタブルーといわれたWRブルーでキメていた。
だから「何でも赤や黄色がいい」とか「好きな色は赤です。クルマもそうです」
みたいなコダワリでもなかったのだが(赤や黄色が好きな色であることに違いなかったが)
ポルシェ系は赤や黄色がカッコイイと信じていた。
しかし、そう信じていたのは自分だけで市場にでてくるのは白や黒ばかりであった。
5月のビックサイトの中古車イベントでもガーズレッドの991があったが予算外の900万円。
いつも行っているポルセンのセールスTさんにも、
話しかけてきたポルセンの女性セールスTさんにも
「赤や黄色のボクスターケイマンを探している」と喚きまくって(笑)
「見つかったら必ず連絡下さい!!!」そう言って会場を後にした。
どちらのセールスさんも
「赤や黄色はソリッドカラーだから特別高価ってわけでないんですけどね」と苦笑いしていた。
自分でも絶対譲れないと思っていた。
動きがあったのは、数日後・・・
まずは女性セールスTさんからだ。
「これから入ってくる車両でイエローの987ケイマンがあるんですけど、いかがですか?」
聞けば「987最終型、右ハンドル」とのことで問題はなかった。
ただ予算をオーバーしていた。確か600万円くらい。ちょっと厳しい。
その後、本格的な夏まで本当に欲しいと思う物件に出会えない日々が続く。
確かに、赤や黄色の987・981はなかなか出てこない。
そんなある7月下旬の週末・・・。
出たのだ!ガーズレッドの987ボクスターが!いつものポルシェセンターで!
今もそうだが、
カーセンサーのアプリで条件指定で新着物件のお知らせを表示させていたので判明したのだ。
出た!ついに出た!
しかしTさん、なんで教えてくれなかったんだろう。
カミさんに「絶対買うから、もうこれに決めるから、許してくれ」
カミさんもポルシェ購入には反対(だって毎年クルマ買ってるので当然だが)だったのだが
やっと出たレッド・イエロー系のポルシェに「早く早く早く電話しなよ~」と興奮気味。
何故か986に乗り込み、Tさんに電話。
「赤のボクスター、興味がある(何で教えてくれなかったんだよ)んで見たいです。」
「ありがとうございます。今日、午後15時以降ならゆっくりお話しできるのですがいかがですか?」
朝イチでないことに不満があったがしかし、それでも心臓のドキドキを抑えられず15時。
いつものポルセンに。
そして駐車場に986を滑らせる。
Tさん出迎え。良かった。これで話ができる。
と、思ったのだが・・・後ろから・・・マカンも来た。
これが、運命を分けた気がする。
マカンに乗った男性(50代後半くらいだろうか)もTさんのお客様。
仮に「マカン親父」としよう。
このマカン親父・・・僕の後ろから来た分・・・
先に店舗に入ってセールスTさんとお話しを初めてしまったのだ。
マカン親父はホワイトの991を見に来たようだ。
「Tさんにはお世話になってるからね~Tさんから買いたいんだよね~」だと。
なるほど、Tさんは敏腕セールスのようだ。やはり人気があるのであろう。
なので、僕を独りぼっちにしたりしない。
「すいません。先に別の方が急に来られてしまったので・・・」
小声で申し訳なさそうにTさん。
そう言われるとこちらも恐縮する。「いやいや、いいですよ。(運が悪かった~)」
「良かったら、車両は2階にありますから自由に見て下さい。」
「あと、これ、エンジンも掛けて頂いて結構ですから」
そう言って、Tさん、987のキーを僕に渡してくれたのだった。
何はともあれショールームの2階へ。
確かにガーズレッドの987ボクスターが2階上がってすぐ手前に置いてあった。
緊張しているのか、なんか実感が沸かない。
なんかフツーな感じ。
今よく考えたらボクスターからボクスターの買い替えなんて変わり映えしないからだったのか。
17インチのホイールもパッとしない。なんかモヤモヤする。
これで、Tさんがいろいろセールストークしてくれたら盛り上がったのかもしれない。
すると、別のセールスがTさんの代わりに来た。
コイツはイニシャルも伏せるが、今思うと本当に大丈夫か?コイツ?というヤツだった。
仮に「ダメセールス」としよう。
「この987は女性オーナーの1オーナー物。マンションの地下駐車場で保管された状態でした」
それだけ。
だから「キレイなんですよ」とか「赤がカッコイイでしょ」とかでもなく。
ただ横で立ってるだけ。なんだコイツ?
間が持たないので、せめてTさんが帰ってくるまで幌をオープンにしたりクローズにしたり。
それでもダメセールス、本当にただ黙って立ってるだけ。
そんなことしてたらマカン親父も991のスポエギを
「ブオオオオオオオォオオォオン」とやってる。
マカン親父よ、その991いいじゃねぇか!早く買え、頼む。それか今日は帰れ(笑)
Tさん返して(泣)
相変わらず横に立ってるだけのダメセールス。
30分くらい粘ったが、Tさんは帰ってこない。
仕方なく折れて「見積もりお願いしてもいいですか?」とダメセールスに。
値段の事書くの忘れたが、確か370万円くらいだったと思う。これは予算内。
でも今回はローン組むと決めていたので、
5年ローンでフルペイアウト型と残価型(パワーローン)の見積もりもお願いする。
待っている間、1階の窓側の席で青梅街道を行くクルマ達をぼんやり眺める。
夏の午後の日差しがとても眩しい・・・。
ふと1台、白のBMW325が店舗の前に止まる。
見ると「岐阜ナンバー」だ。ネットで見て気に入った物件でもあるのだろう。
遠くから来たようだ。男性2人組が出てきて店の中に。
店の女性スタッフが駐車場に誘導した。
今思うと、彼らもあの赤の987を見に来たのではなかったか?
そのくらい正規ディーラー物で赤のボクスターは珍しかったのだ。
そんなやり取りを見ていたら、見積もりが出てきた。
986の下取りの査定もお願いしたが「おそらく値段がつかないか、〇〇万円くらいだろう」とのこと。
なら下取りは無視して、現金を多めに入れるクレジット見積もりを改めてお願いする。
感想は「結構高いんだな」ということ。もちろん予算内なので問題ないが、このモヤモヤは何だ?
ダメセールスのせいでシラケたのか店舗を出るときは購入意欲が失せていた。
だからこのモヤモヤはダメセールスのせいだと思っていたのだが。
ダメセールスの案内で駐車場から986を出そうとした時、Tさんが来た。
「いやー今日は申し訳ございませんでした。にゃきおさん、987いかがでしょうか?」
すっかりイジけてしまって
「う~ん・・・若干予算オーバーだったかな~」などと心にない言葉が出た。
予算オーバーではないが、なんかこの値段をこの987に出したくなかった。
モヤモヤの正体・・・マカン親父のせいだろうか?ダメセールスのせいだろうか?
Tさんは悪くないいんだけど・・・。そんな気持ちが混じり合う。
「そうですか、あとはコッチですね?」と言って腕をパンパンして
「商談で詰めましょう」とでもいうような仕草をした。
しかし僕はいったんこのイジケをどうにかしたかったし、とにかく帰った。
購入してしまったと思い込んでいたカミさんは「意外に早かったのねぇ」と。
いやいや、カクカクシカジカで・・・と話しこんでいるうちに
「やっぱりクルマの販売ってセールスマンの力が大きいのねぇ」
「やっぱり売れっ子のセールスはいつでも商談中だし、ダメセールスは手が空いてるもの(笑)」
とか言ってるうちに、ヤケ酒をあおることにした。時間は16時40分。ちょっと早い時間だけどね。
ポルセンに行ったのが15時。近所のポルセンだが昼間は30分以上かかる距離。
いかに短い時間の商談だったかを物語っていた。
ヤケ酒して眠ってしまってる間に携帯にはTさんからの着信が何件か入っていた。
しかもその電話は「いや~スイマセンでした」ではない。
この987は商談が2件入ってしまって「にゃきおさんは3番目です」という電話だったのだ。
しかしこの出来事で気づいてしまった。
予算も予算なのだが、「ボクスターやケイマンは要らない」ということ。
それは即ち「どうせ買うなら911を買っちゃえよ」ということを意味していた。
次の日の夕方Tさんから「すいません、一人目の方で決まってしまいました。」
と連絡があった。確かにイジけた気持ちがあったが、あの987に感じたモヤモヤの正体。
数日後に気が付いたら吹っ切れた。
しかし911にも赤や黄色は出てこない。
苦悩の日々は続く・・・。
<その4につづく>
Posted at 2018/01/08 15:23:42 | |
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