
南鳥島周辺の日本の排他的経済水域(EEZ)内の深海底で、超高濃度のレアアース(希土類)を含む「レアアース泥」が発見され、大きな注目を集めています。

見つかったレアアース泥は、中国の陸上鉱山の20倍以上の品位を持つとされる世界最高品位のものだと報告されています。特に、ハイブリッド車のモーターなどに使われるジスプロシウムなどの重レアアースの濃度が高いことが特長です。
埋蔵量は有望なエリアだけでも、日本の年間需要の数十年から数百年分に達する莫大な資源ポテンシャルがあると推計されています。
レアアースはハイテク産業に不可欠な元素ですが、その供給の多くを現在中国に依存しています。南鳥島のレアアースが開発できれば、日本の資源安全保障に大きく貢献すると期待されています。

現在、日本政府や研究機関、民間企業などが連携して、このレアアース泥を資源として活用するための技術開発を進めています。
2026年1月に試掘を開始し、2027年には本格的な採掘試験、そして2028年度以降の商業生産体制の整備を目指すといったスケジュールが示されています。
採掘場所が水深4,000メートルから6,000メートルという超深海であるため、海底の泥を効率的に採掘し、船上まで汲み上げるための採泥・揚泥技術の確立が大きな課題となっています。
深海生態系への影響評価や、採掘時の海底攪乱の範囲など、環境影響評価を十分に実施する必要もあります。
南鳥島のレアアースは、日本の未来を左右する重要な国産資源として、開発に向けた取り組みが加速しています。
南鳥島周辺で日本がレアアース泥の商業開発に成功すれば、世界のレアアース供給において中国の圧倒的な優位性が崩れる可能性があるため、中国はこれを重大な挑戦と見ています。

次回は、この日本のレアアースに対する中国の対応についてお話したいと思います。
Posted at 2025/11/08 22:24:30 | |
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