
大阪に「地獄が味わえるお寺」があるらしい……。そして、かなり怖いらしい……。そんな話を聞きつけて、早速、地獄を味わうべく、突撃してみた。
大阪市営地下鉄谷町線、平野駅から歩くこと15分弱。住宅街の中にある、噂のお寺「全興寺」。境内に足を踏み入れると、そこは……驚くほど、普通のお寺。木々も手入れが行き届いており、荘厳な空気さえ感じるほど。あれ? 地獄はどこに? と境内を見回してみると、西門付近に、「地獄堂」という木造の建物が!
近づいてみると、外壁には「あなたはどこに行くか 極楽度地獄度チェック エンマ大王のおさばき」というチェックマシーンが……。スタートボタンを押し、自分に当てはまる選択肢10問をそれぞれA、Bから選ぶと自分の行く末がわかる仕組み(選択肢は、A.心身の健康に心がける B.暴飲暴食自分を粗末にする、など)。
エンマ大王に厳しいさばきを受けた後、「地獄通行門」をくぐると、そこには、「お父さん、お母さんへお寺からのお願い!」というパネルが。この地獄堂は子どもに「悪いことをしないこと」「自分の命を大事にすること」を教えるために開いたので、むやみに恐怖心を与えて言うことをきかせるための材料にしないで、という旨が書かれている。そんな……子どもが親の言うことを聞くようになるほど、怖いのか!? と、ビビリながら、歩を進めると、一方にリアルすぎる鬼と鬼婆、もう一方に地獄への審判を下す裁判員らしき雛壇、そして正面にエンマ様が……。怖い!! 鬼婆なんて、人間(の模型)をひねりつぶそうとしているよ!! 簡素な建物だったのでたかをくくっていたけれど、実際にこの場に立ってぐるっと囲まれると、狭い空間に迫り来る異様な圧迫感に押しつぶされそう。
さらに、エンマ様の下にあるドラをバチで叩くと、鬼の横にある浄玻璃の鏡に、恐ろしい地獄絵図が映し出される。ディズニーランドのホーンテッドマンションなど比にならない、非常な絵満載のスライドショーだ! しかも地獄がいかに怖いところかを、稲川淳二の300倍怖い声の本格的ナレーションで、たたみかけるように説明&音楽つきで……! これは、大人の私でも相当怖いです。
地獄堂のほかにも、境内には首を入れると地獄の釜の音が聞こえる石、151体の石仏に囲まれ、ステンドグラスのマンダラに座って瞑想する地下空間「ほとけのくに」などもあり、小さい頃、祖母から言い聞かされた「悪いことをすると地獄に落ちる、ほとけ様は見ている」という教えを実感できる場所がたくさん。子どもの頃、地獄を恐れていた純粋な気持ちを、少し思い出しました。
実はこの全興寺、草創は聖徳太子が薬師如来像を安置したというほど、歴史が古い。本堂は、大阪夏の陣で一部を消失したものの、かなり歴史のある建物だとか。地域に根付いているお寺らしく、寺の境内で紙芝居やあそび縁日、ベーゴマ回しなどが定期的に行われ、近隣の子供や住人の交流場所になっている。
核家族化が進んだ今、子供たちがこのお寺で地獄や仏を学ぶのも、いい機会かもしれません。もちろん、日ごろ、おばあちゃんの教えを忘れかけた私のような大人にも……。
(平山ハイジ/studio woofoo)
行きたぁい!!
どなたか知っておられる方、いらっしゃいますか^^???
Posted at 2008/10/19 19:45:22 | |
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恐怖体験 | 日記