
国産ヘリコプターの記事がありました。今後の航空産業を憂いた記事でしたが、OH-1の調達金額が25億円で当初予定数より大幅に削減され34機で打ち止めなこと(21国2機、22国4機で終了)、AH64Dが一機60億円もした為に10機で打ち止めになり、現在訴訟問題になっている事など・・・。
確かに国防におけるヘリコプター導入計画には無駄が多いことは否めませんし、高価であることも間違いありません。ただ、海外からライセンスを受けて生産したとしても海外調達部品が必要になり輸入品はエスカレーションで値段が上がって行く為、将来の調達単価が激増すること等は一切触れられておらず非常に一方的な乱暴な意見でした。
確かに予算削減の中、新規国産ヘリコプターや航空機を開発していくのは非常に厳しいと思いますが、日本は海に囲まれた国ですので防衛には上陸された後の戦車何かにお金をかけず、航空機や船舶等にお金を掛けるべきだと個人的には思います。今流行りの坂本竜馬じゃ無いですが、侵略されない程度の武力は必要悪として持たなければならない世界情勢にあると思われます。
話は戻りますが、カーマガジンXに書いてあったようにBK117を防衛用に転用することは個人的に賛成です。米陸軍で採用されている事実と国内(一部防衛)でも採用されており、単価と汎用性を勘案すると非常に良いと思います。エンジンだけチュルボメカからライセンスで作らせてもらう、もしくは今三菱で開発しているXTS2をBK117に改造すれば良いですし、色んな選択肢は確かにあると思います。
ただ、ここで皆さんに知ってもらいたいのは日本の防衛産業は非常に守られているように書かれますが、そんな単純ではないことです。ほとんどの防衛事業は数量が少なくロット生産による量産メリットも出せない部品を一品一品非常に厳しい品質要求の中で製造しています。しかも国から見積もり工数も勝手に予定調達数からL/Cカーブを掛け、半分製造ラインからスタートと言う横暴な査定をされながら・・・。ここ近年でも有名な所ではダイキン工業の民間航空機事業撤退や、他の加工業者でも航空事業は儲からないとして完全撤退を決めた業者も何社かあることや、稼働率の少ない機械は撤去されていき、本来出来ていた加工が出来なくなる会社もたくさんあり、調達する人間とすれば非常に厳しい業界情勢となってきました。ただし、その火を消してはいけません。今、経済産業省が町工場等の航空業界参入支援事業を行っておりますが、今後航空産業は2020年までに2倍以上の売上規模になると予想されておりますが当然防衛産業は下火になっているのでほとんどが民間事業ですが、日本には世界に誇る技術力があるという迷信は捨てて、真剣に国家全体で技術を守り育て、車両と同様世界に売り込むことで守っていかなければなら無いと思います。
Posted at 2010/06/27 07:43:33 | |
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航空機の話 | 日記