最近はファストバックスタイルにハッチバックを搭載した高級セダンがヨーロッパを中心に少しずつ増殖しているように見えます。それって
どういう車かといえば、こういう車のことです。
ワゴンみたいに四角く角ばっていない、そのまま流麗な流れを維持してハッチをつけたスタイルです。
これはセダンやクーペ的なフォルムを維持しながら、ワゴンのような実用性を確保した形状です。中途半端に感じるかもしれませんが、ちょっと前にクーペスタイルなセダンに寄せていく流れが来てましたので、ついでにCピラーをファストバック形状まで伸ばして後席スペースを確保、さらにハッチバックにして実用性もアップしてしまおうという、実は今までの路線の延長線上に来る必然的な変化のようにも思います。
もちろんハッチバック化というのは外見的には地味な変化で、昨今のSUVブームみたいな派手な動きはないのですが、ヨーロッパを中心にじわじわとこのスタイルを採用したモデルが増えつつあり、静かなブームが押し寄せてきているとも言えそうです。
BMWの3シリーズグランツーリスモを購入した自分としても、当然ながらこの流れは肯定的に受け止めております。むしろこれからも注目していきたいカテゴリです。ということでなかなか検索しにくいこのタイプの車を、現行モデルとこれから出てきそうなモデルを中心にまとめてみました。
(個人的趣向により、明らかに見た目SUVなモデルや旧車は除外しています)
AUDI A5、A7スポーツバック(画像はA5)
BMW 3シリーズ、6シリーズグランツーリスモ、BMW 4シリーズ、6シリーズグランクーペ(画像は3GTと4GC)
VW アルテオン
ビュイック リーガル スポーツバックフォード モンデオ ハッチバック
メルセデス・ベンツ AMG GT 4ドア
アストンマーチン ラピードSテスラ モデルS
ポルシェ パナメーラ
キア スティンガー
ヒュンダイ i30 ファストバック(これはちょっとスタイル悪いです)
メルセデス・ベンツ CLA 2019年モデル(まだ噂レベル)オペル インシグニア(リーガルと兄弟車?みたいです)

シュコダ スペルブ
今のところ調べてわかっている範囲だとこれくらいです。このタイプの車を示す検索ワードがまだ確立されていないのでとても探すのが難しかったです。なので多分まだ見ぬモデルもあると思います。
日本車のハッチバックセダン事情
上記一覧を見るとまだまだ少ないですが海外では着実に増えてきている印象はありますね。特に最近だと韓国車、アメ車でも新車でこの流れを取り入れてきたモデルが出てきました。例外的に大ヒットしているプリウスを除くとこの流れに乗るモデルが全く出る気配がないのは日本車くらいではないのでしょうか?
とはいえ最近の日本メーカーの新型車でもファストバックスタイルについては新型クラウン、新型アコードでこの流れを取り入れました。しかしもちろんこれらはハッチバックではなく普通のトランクが付いた保守的なセダンです。
写真で見ると上にずらっと並べた海外のハッチバックセダンと外観はとても似ています。というか横から見ただけでは区別が出来ない位には似ています。日本車はハッチバックがついてないだけで外観のデザイン的には全く同じ方向性です。
伝統もあり元々保守的なモデルであるクラウンやアコードでは売り上げを考えたらいきなりハッチバックセダンに移行しにくいのは理解できます。
問題は新型インサイトです。インサイトはハイブリッドから生まれた先進的なモデルですし、先代はプリウスと同じようなハッチバックを持つセダンだったので、今更アコードと同じ保守的なセダンに戻ってしまったのが個人的にはとても残念です。
特にプリウスサイズを超えるDセグ以上になるとハイブリッド車かつファストバック&ハッチバックセダンというのは、調べた限りは未だ競合が存在しない唯一無二の存在になれる位置づけです。ならばこのタイミングで他社に先駆けてハッチバックセダンな仕様で販売しても良かったのではと思うところです。
見た目がそっくりなアコードが保守的セダン担当に居ますし同じような仕様のハイブリッドセダンが二台ラインナップに並んでても仕方ないと思うのです。初の1.5リッターi-MMDを載せる最新モデルなのですから尚更新しいチャレンジをしても良かったのでは…そう思います。
まぁ今回発表されたのはアメリカ向けなので、実はヨーロッパ向けにそういうモデルの用意もあるのかもしれません。もちろん出すならシビックハッチバックみたいな普通のハッチバックじゃなくて、ここに乗ってるようなハッチバックなセダン(尻切れで短くなってない仕様)でお願いしたいです!
色々書きましたが、前向きに考えればファストバックセダンまで来たならもうあと一歩ですよ(上から目線)。これからこのスタイルが成熟し、広くハッチバックセダンの利点が受け入れられるところまで見えてくれば、ついに日本メーカーからもハッチバックなセダンが続々と出てくるのは時間の問題かもしれません(希望的観測)。
特に従来のトランク式セダンの人気は既に国内で低迷していますので、セダンでありながら実用性を大きく向上させることが出来るこのスタイルは、その良ささえ広まれば一定のニーズはあるのではないかと思います(希望的観測)。
そもそも自分が実用面で今更トランクタイプのセダンを買おうとは思いませんから、同じような考えの人はいるはず…(これも希望的観測)。
調べてみると実は日本でも80年代に似たようなコンセプトのモデルが市販されていたみたいなのですが、当時の写真を見るとフレームが貧弱そうに見えるし、実際に剛性が弱かったという意見が多いので筐体設計や材料の技術的にもこの手のモデルは時期尚早だったのかもしれません。
そういうネガティブな過去もあるから日本では尚更ハッチバックモデルを出しにくい事情もあるのでしょうか…。出しても過去のトラウマが蘇って誰も買わないとか…。って当時の車のことは全くわかりませんけどね。
BMWのグランツーリスモ
最後に余談ですが、自分が先日(中古ですが)購入したBMWの3シリーズグランツーリスモも一応このカテゴリに入ります。これもSUVでもなくワゴンでもなくセダンでもない、悪く言えばどっち付かずで中途半端、良く言えば実用性とデザインと重心の低さの良いところ取りです。
現状では日本国内では全く人気がないしほとんど意識すらされていない車だと思いますが、ここまでのまとめを見るとこのグランツーリスモも実は次世代のデザインを先取りしているとも言えてしまいそうですよ。
まぁ3GTは実用性を重視しすぎた影響で、後ろが重すぎるバランスに見えるのであと少しのところで良デザインから外れています。なので残念ながら歴史には残らないモデルでしょう。多分もう少し後輪が大きく見える位のバランスだったなら見栄えがもう少し良かったと思います。でもこのあたりを犠牲にしてしまうと後部座席と荷室が狭くなってしまうので、実用性とデザインの極めて難しいバランス感覚が求められるところです。
グランクーペと比べるとグランツーリスモは実用重視の設計に見えますので仕方ありません。個人的にはギリギリ有りですがNGな人も多いようです。あと少しでいい感じのデザインになるとは思うのですけどね。
まとめ
まだまだこれらのモデルは未成熟だと思います。各社まだデザインと実用面のバランスを模索している段階にあるようにも感じます。ですが着実に流れは来ていると感じますのでこれからデザイン面、実用面での成熟が進めば、将来的に誰もが選べる新しい選択肢となるかもしれません。今はまだ否定的な意見も多いですが、意外と次世代のスタイルはこういう車かもですよ。
参考
5ドアハッチバックの時代がやってきた!美しいフォルムの5ドアまとめ(忘れられた名車達)
車のファストバックとノッチバックの違いとは?ハッチバックとの違いも
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Posted at
2018/01/27 15:44:29