2018年02月04日
3シリーズとCクラスとHSの試乗比較
BMW 3シリーズグランツーリスモを購入するまでに色々試乗しましたので、試乗比較した感想をまとめておきたいと思います。内装や使い勝手ではなく乗ったインプレが中心です。
下リストのうち前車がHS250h、その他はレンタルや試乗した車になります。モデルはどれも2017年時点の現行モデル、BMWならF3Xシリーズ、ベンツはS205です。
・Lexus HS250h
・BMW 320i sedan
・BMW 320d sedan
・BMW 320i GT luxury
・BMW 320d GT xDrive luxury
・BMW 420i GranCoupe M Sport
・Mercedes Bentz C220d wagon Laureus Edition
この中ではBMW 320i sedanは一日レンタルして高速、山道、渋滞でのACCもチェック、グランツーリスモは現在所持、HS250hは前車なのでこの車の比較はそれなりに信憑性はあるかと思います。
3シリーズとCクラスのディーゼルとガソリンの比較
比較してみて思ったのですが、現行のBMWディーゼルは個人的には積極的に選びたい内容ではないと感じました。もちろんディーゼルの航続距離や燃費はとても魅力なのですが、出足や追加加速の時に何故かレスポンスタイミングがかなり悪い時があって、その割にトルクフルなので少し遅れて急にグワッと加速します。
騒音とか振動よりも気になったのがこのピーキーな挙動です。しかも素直に加速するときもあるので事前に挙動の予想がしにくくちょっと扱いにくいと感じました。急な加速のときはパワーがあるので同乗者もちょっと怖く感じる時があると思います。挙動に慣れれば問題ないとは思うのですが試乗ではそのあたりがつかめませんでした。
BMWのディーゼルモデルについては一度じゃなくて別車種別コースで試乗したのですが、上記のフィーリングはどちらも共通していたので気になりました。とはいえBMWのディーゼルは短時間なので正確な感想ではないかもしれません。あくまで素人のちょい乗りの感想と思ってください。
ということで現行のBMWだとまだガソリンエンジンがいいかなと思いました。ガソリンだとターボの割にとてもスムーズなレスポンスで応答のフィーリング、扱いやすさは総合的にガソリンエンジンかなと思います(4気筒モデルですが…)。
ベンツはCクラスのみなのでCクラスと書きます。ディーゼルのフィーリングはCクラスのほうがずっと自然で乗りやすかったです。Cクラスはどんな時に踏んでもいつも安定したレスポンスです。高速試乗もしたのでそこそこ長時間で色々なシーンを試すことが出来ましたから、この印象はそんなに間違いないかと思います。Cクラスのガソリンには乗ってないのでそちらの比較は出来ません。
乗り心地の比較
この中では一番グランクーペのシャシーに感激しました。ハッチバック形状ですが3セダンよりずっと安定感があります。十字路でクイッと曲がる時などにほとんどロールしないですし、固いのにゴツゴツしないとても安定してスムーズな乗り心地でした。
安定感の順番で言えばHS<3セダン<3グランツーリスモ<4グランクーペ≒Cクラス(エアサス)です。
3GTはサイズが大きく重いことがセダンより安定感に優れる理由かもしれません。この中では意外と3セダンで車体全体が大きく揺さぶられるような印象があり、BMWの中で比較すると結構な違いがありました。もちろんグランクーペだけMスポーツですからグランクーペが一番なのはそれも理由かもしれません。
しかしこの比較からするとハッチバック形状は剛性が弱いってのは過去の話だと思いました。グランクーペより落ちますがグランツーリスモでもセダンより安定感が高いです。グランツーリスモはラグジュアリーなので大きくロールする場面があるのですが落ち着いた挙動です。
Cクラスはエアサスのローレウスエディションなので安定感も凸凹に対する応答もどのシーンでも荒れることがなく素晴らしかったですが、エアサスを使わないでCクラスと同等レベルと感じさせるグランクーペのMスポーツが乗り心地では一番気に入りました。ハッチバック形式でそこそこ積載量もあるのに剛性感も高くグランクーペはよく出来てます。
HSはこの中で比較してしまうと一番ダメです。固い乗り心地なのに細かい振動を逃がせていないので常に振動を感じるところがあります。後期なのでパフォーマンスダンパーを追加していますが全然追いつけてない印象です。BMWと比べるとBMWのほうが振動を逃がすのが上手いと感じます。3セダンとHSでの比較でもこの点がかなり違います。3セダンは安定感があるのに微振動はHSほど気にならなかったです。
HSも足回りはしっかり固めてる印象はあるのですが、固くなった分で新たに発生する振動を逃がせず、振動をまともに伝えてしまっている感じがします。昔はトヨタ車といえばもっとフワフワな乗り心地だったので問題になっておらず、固めたときの課題となる微振動をBMWのようにシャシー全体で逃がすようなノウハウがイマイチなのかなと思いました。
とはいえレクサスがダメなんではなくてHSがダメなんです。例えばLS460は乗ったことありますがコスト度外視のエアサスになると雲に乗ってるような良い感じなのですがHSのような固定サスペンションになると異なるモードの振動を上手く逃がす事ができてない感じです。このあたりがISになるとどうなのかなって思ってるのですが、なかなか買う気もないのに試乗できないので比較はしていません。
ハンドリングの比較
BMWはとにかく遊びがないですね。HSでは左右合わせて5cmくらいあった遊びがBMWでは数mmくらいしかない印象です。ロードインフォーメーションってよく言われますがそれは遊びの少なさが理由だと思いました。タイヤとハンドルの間に余計なものが挟まっておらず直結してる印象があります。
でも気を抜いて運転してると適当な操作もしっかりタイヤに伝わってしまいますから要注意です。BMWのハンドリングは操作や集中力にムラがある人には向かないかもしれません。
グランクーペとセダンはかなり似たフィーリングで違いがわかりませんでした。グランツーリスモもハンドルを切りはじめの感覚はほとんど同じ印象ですが、切ったあとの粘りみたいなのはちょっと重く感じる点が違いでしょうか。
HSは重いのに遊びが大きく反応が悪い感じです。これに乗ってたときは頻繁に肩こりしてました。車の性格を考えるともっと軽いハンドルでよかったと思います。現行BMWより重いのは車の性格を考えるとかなり違和感あります。そんなスポーティじゃないだろという。
Cクラスはこの中では一番軽くスムーズなハンドリングって印象です。遊びの量はきちんと調査出来てないですがHSよりは少ない印象を受けました。軽くてクイックという印象で運転はラクですね。長時間乗るならCクラスが一番で、集中してワインディングを走るとかだとBMWでしょうか。HSはあまりハンドル切りたくないので直線がいいです。
加速性能
基本あまり絶対加速性能はこだわる方じゃないのでヌルい評価です。絶対的な加速よりレスポンスの良さのほうが気になるタイプかもしれません。
また今回はあえて狙ったわけではないですが試乗モデルはどれもスペック上似たようなものです。トルクはハイブリッドのHSとディーゼルが優れていますが、実際の印象はぜんぜん違うので面白いです。
まず高速はCクラスが一番でした。100キロ位の加速だととにかく余裕があります。低回転でトルクがあるのでちょっと踏むとエンジンが回らなくてもドンドン加速します。国内の高速ではこれ以上のパワーは不要じゃないかと思いました。下道だとなお余裕でした。山道は行ってないのでなんとも言えません。
BMWガソリンも100kmくらいだとまだ余裕ですね。ディーゼルほどの余裕はないですが回せば伸びる速度帯なので320iの4気筒でも国内だと正直これ以上のパワーはほとんど出番がない感じがします。もちろんディーゼルには負けますが上り坂も低回転でトルクがあるので4人乗ってても大してエンジン回さなくてもしっかり登ります。
山道での加速はBMWとHSでしか試してないですが、BMWはコンフォート以上なら瞬発力があって反応が早くすぐ60キロくらいに上がるので山道では十分でした。もちろんこれ以上の車はいくらでもあると思いますけど、自分がそこまでクイックに反応できる自信はないです。
これがHSだとパワーモードでもアクセル踏んでからの反応がかなり遅いので若干ストレスたまります。コーナーの出口と対向車確認してアクセル踏んだ時にすぐ反応しないので脱出しかかったころに加速します。このあたりはBMWとHSでかなりの格差を感じた部分です。
もう一つHSのダメなところは高速で、速度が上がってくるとエンジンがブンブン言って大して加速しないです。プリウスに乗ったことがある人ならわかると思いますがあの延長です。高速になると下道みたいな余裕はあまりなくてトルクも細い感じです。GPS計測で100キロのときHSでは2000回転以上になり燃費も高速では大きく落ちます(メーター読みだと誤差が大きくて120近い)。高速燃費は80キロくらいに抑えないと伸びません。
ということはハイブリッドはスペック上の馬力やトルクのスペックは同じくらいなのですが実際には相当な違いを感じます。ハイブリッドは高速と中間加速ではパワーが落ちます。もし次にハイブリッドに乗り換えるとしたらトヨタなら最低でもマルチステージ方式か、ホンダ方式など他のものを検討したいです。
BMWディーゼルは高速も山道も乗ってないので比較は出来ていません。
HSの良いところ
ここまでHSの評価が全体的に厳しくなってますが、もちろん褒められる部分もあります。
まず燃費性能です。特に渋滞時の燃費はハイブリッドなので一番でしょう。ストップ&ゴーが短距離で連続するような密集地とか多少の渋滞は得意で、こういうシーンは表示上で悪くても15km以上は出ます。この辺はデータを見る限りディーゼルより優秀です。
次にハイブリッドはアイドリングストップからの発進がモーターなのでいつでもストレスレスなスムーズ発進が出来るところが良いです。今回比較した他のモデルはアイドリングストップからの発進がエンジン頼りなので、どうしてもスタート時にエンジンがかかるまでワンテンポ遅れます。信号発進をスムーズにするためには先読みでブレーキから足を放してアイドリングストップを解除してやる必要があります。ハイブリッドならそういう配慮は不要です。
最後にオーディオの音質です。これはBMWのノーマルとは勝負にならないくらい良くて、BMWだとHifiパッケージ以上でようやくHSノーマルといい勝負、Cクラスも標準だとHSのほうが音は大分良かったです。ベンツの理念の「最善か無か」でいえばオーディオはベンツは無に近いレベル、BMWノーマルは絶対に音出ししないレベルなので実質無です。
あとハイブリッドのブレーキは厳しい評価をする人が多いですが、個人的な意見ではですが所持して慣れればすぐに違和感無くなります。試乗だと慣れという要素が入ってこないのでこの辺は厳しい評価になるのかもしれません。トヨタハイブリッドの回生ブレーキは速度が遅いときは急に効き、速度が高いときはあまり効かない独特なフィーリングだと思いますが、この辺も意外と慣れると問題は感じませんでした。
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Posted at
2018/02/04 23:16:51
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