
これはコスモオーナーしか分からないネタで恐縮ではありますが・・。
リープス5のロータリーエンジンに装着されているこのDCバルブ・・初めてリープスの整備書を入手したのはリープス5の解説書で入手当初は今後の維持のために、ひたすら読み耽ったものでした。
DCバルブはエンジンルーム内でも目立つ?し作動不良はエンジンの調子にも影響するので構造を理解するために整備書を穴が開くほど(大げさですね)読んで、この不思議な?アルミの塊の理解に努めました(笑)

整備書にはこんな感じでDCバルブの図解が出ています。
構造や作動に関しては色々と書かれていますがサービスマン向けに書かれているので自動車の構造に多少精通していないと難解かも知れません^^;
整備書は何やら難しい事ばかり書いてますがこのDCバルブの役割は簡単に言えばインテークマニホールド・・つまりエンジンにエアを供給するバルブです。
簡単に言うと燃焼状態の悪い減速時に燃焼室にエアを送って燃焼を改善するものです。
DCバルブ本体の中には2つのバルブがあって、どちらもエアを供給するものですがその内の一つのAAV(アンチアフターバーンバルブ)について・・。
DCバルブ内にはNo1コースチングバルブとAAVの2つのバルブがあり、No1コースチングバルブは減速すると開いて規定の回転数まで開き続けますがAAVは減速した瞬間だけ開いてすぐに閉じるという仕組みになっています。
エンジンキーをオフにすると両方のバルブが開いてインマニにエアを供給しアフターバーンを防止します、アクセルを閉じていますから混合気が一瞬過濃になって排気管内でアフターバーンが発生するのを防ぐためにエアを供給するわけですね。
さらにAAVには、別の役割があります、ホットスタートバルブとしての働きです。
温間時の始動はキャブレター内の燃料の気化が活発で空燃比が過濃になって始動が困難になる事があります、そこで温間時はAAVが開いてエアを供給する事で空燃比を適正にする役割があります。
この温間始動時のAAVについてですが、以前からずっと疑問に思っていた事があったのでリープス5の青コスモでちょっと実験をしてみました。
その疑問とは?・・温間始動時はAAVソレノイドに通電されないのでAAVの大気導入通路が開かれる事でダイヤフラムの上は大気圧になり、ダイヤフラムの下はインマニに接続されているので負圧になるのでダイヤフラムが大気圧で押される事でダイヤフラムのシャフトが下がりバルブが開く仕組みになっています。
ならば?クランキング時にアクセルを全開にしたらインマニ内は大気圧になり、AAVダイヤフラムの下も大気圧になって気圧の移動がないのでAAVは開かないのではないか?と考えました。
これは整備書には書かれていませんが私の個人的な疑問でした。
そこで実際に調べてみました・・。

DCバルブの吸入口のホースを抜いて更に別のホースを差し込んで運転席まで延長します。

そのホースにバキュームゲージを装着します。

エンジンを始動して充分に暖気します。

点火コイルの1次線を抜いてエンジンが始動しないようにして実験です、幸い?始動性が良くてクランキングするとすぐにエンジンが始動してしまうので・・^^;
まずはアクセルを踏まないでクランキングします、バキュームゲージの針が少し負圧側に振れていますね、AAVが開いている証拠です。
温間時の始動でAAVが開く事が確認出来ました。

次にアクセルを全開に踏んだ状態でクランキングします、バキュームゲージの針は全く動きません、つまりAAVが開いていないという事です。
これで疑問が解消しました、やっぱりアクセル全開でのクランキングではAAVは開かないんですね。
この時に注意するのはクランキングを長くやらない事で、長くクランキングを続けると生ガスが熱を持った排気管内で爆発し、凄まじいアフターバーンが発生します。

エンジン始動直後はこのように針が一瞬大きく負圧側に振れます、AAVが開いているわけですね。
始動直後はインマニ内の負圧が急上昇するため、減速瞬間と同じでAAVがインマニ負圧で開きますが、バランスホールがあるのですぐにAAVは閉じます。
エンジンキーをオフにした時もAAVが開くので、このような感じで一瞬、針が負圧側に振れます。
とまぁ、こんな事を実験してみました、このようにバキュームゲージで見ると運転席に居ながらAAVの作動が視覚で確認出来ますね^^;
追記^^;
書いてから思ったんですが・・DCバルブの吸入口からのエア流入経路は最終的にインテークマニホールドに繋がるわけで・・という事はアクセル全開でインマニ内が大気圧なら、もしAAVが開いたとしてもバキュームゲージの針は動かないのではないか・・となるとアクセル全開のクランキング時はAAVが開いても閉じてもバキュームゲージの針は動かない事になります・・。
まぁ温間時アクセル全開のクランキングでAAVが開かない事は間違いないのですがバキュームゲージでは正確な判断が出来ないな・・^^;
そこでDCバルブに繋いだホースを口にくわえてアクセルオフと全開時のクランキングでホースが通気するかどうかを確かめました、これなら通気の有無でAAVが開いているか閉じているかを正確に判断出来ます。
エンジンを暖気してDCバルブにホースを差込み、そのホースを口にくわえてアクセルオンとオフでの通気の有無を確認したところ、アクセルオフでのクランキングでは通気しますが、やはりアクセル全開でのクランキングでは通気しませんでした。
温間時のアクセル全開でのクランキングでは、AAVが開かない事がこれで確実に確認出来ました。
エンジンルームから伸びたホースを口にくわえてクランキングする私・・他人には見せられない光景ですね(爆)
Posted at 2009/12/02 00:07:14 | |
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