
冷却の話はとても難しいです。
様々な分野の知見者に話を聞きながら勉強していますが、先は長そうです。
これまで有効だったものが組み合わせるパーツを変えた途端に無効化されるどころかマイナスになる場合もあります。
なので、あくまでも一例ということで、そういう場合もある、と見ていただくのが良いです。
言わずもがな、一番いいのは仕様変更毎に雰囲気温度を計測することですが、そこまでするのはなかなか難しいと思いますので・・・。
冒頭の画像は海外メーカーのフェンダーシュラウドですが、この部分に穴を開けるのは必ずしも有効とは限らないようです。STI WRCの元メカニックによると、この部分に穴を開けるとエンジンルームの熱抜けが明確に悪くなったとのことです。
何度も言いますが、一例です。WRCカーの周辺パーツとの組み合わせによってはこの部分の穴がマイナスに働くことがある、ということです。
数年前までのS耐WRXは穴あきカーボンシュラウドを使用していましたが、近年のS耐車には穴が開いていません。
↓こちらは2018年仕様ですが、穴無しになっています。
https://supertaikyu.com/media/10835/
一方でニュル仕様にはそもそもシュラウドがありません。

軽量化もあるでしょうが、それで熱害があるなら塞ぐので、この車両には穴あき、もしくは撤去がベストとの判断があったはずです。
ここからは私の考察ですが、ニュル車でシュラウド撤去が有効なのはフェンダー上部にルーバーがあるためではないかと。

ここから空気が抜ける流れがあるので、シュラウド部にエンジンルームからの空気を通すことができますが、純正エアロはフェンダーに穴が無いのでシュラウド内部に熱気が滞留し、ボンネット後方やエンジンルーム下方から空気が抜けづらくなっているものと考察されます。
ちなみに純正フェンダー下部後方にあるダミーのアウトレットに穴を開けて有効化するDIYを一部みんカラユーザーさん(私含む)も行っていますが、ここからエンジンルームの熱気が抜けることは無い、とは前出の元WRCメカニック談です。
ここから抜けるのはタイヤハウス内の空気なので、ブレーキやタイヤから効率よく抜くように導風しなければならないとのこと。
答えが無さそうな感じで気の遠くなる思いですが、明確に熱対策になる手法もあります。それはエアロボンネットです。どのエンジニアに聞いてもまずはボンネットだそうです。といってもボンネットの穴の位置、大きさ、形状によって抜け方が変わるので、どのレース車両もまずはボンネットの仕様を決めて、それに合わせてどこから空気を取り込んで、どこの穴を塞いで(塞ぐこともあるのか!!)、ボンネット上部から抜くか、というエンジンルーム内エアロダイナミクスを検討して決めていくとのことでした。
冬場の走り込みで私の車両には熱害対策が必須ということが分かったので、来年の冬までは冬眠ならぬ夏眠で、ガレージでエアロダイナミクスの研究をすることにしました。
一つずつ検証しながら本当に有効な対策を織り込んでいくつもりです。
Posted at 2021/04/11 22:20:43 | |
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