
どうも気付いたら夏になってて驚いてるデンムチです。
かなり空きましたが前回はBMSが故障したところでしたね。
あの後、バッテリー引っ剥がしてBMSを取り出しました。
BMSを分解するとパワーMOSFETという素子がバックツーバック接続状態で並んだ基盤が出てきます。
FET素子はON/OFFスイッチの半導体版です。車の部品でいうリレーみたいな物ですね。
異常時にはこの部分でバッテリーとの接続を切ります。
上のが今回使用したBMSで下のが予備、兼、増槽用。
このどれかが絶縁破壊されてると見て調べた所、左上の2番目と判明。
取り出してBMSを起動させるとエラーの症状が消えました。
このままコムスに戻す事も出来ますが、原因を調べて対処しなければまた繰り返すことに…
何故FETが絶縁破壊を起こしたのか
よく聞くのは耐圧を超えた電圧が掛かった場合や過電流です。
過電流だったとしたらコムス加速し始めた段階で症状が出てるはずなので、過電圧の可能性と予想。
壊れた時のコムスの状況は「充電量満タン」「フル回生ブレーキ」です。
フム…フル回生ブレーキだけでダメならバッテリー残量半分の時でも同じ状態になってないとおかしい…
コムスのシステムは72V、FETの型番を調べた所、耐圧は150V
2倍もあります。いくら強力に回生ブレーキ掛けてるとはいえ、150Vも超えるような電圧を掛けてるとは思えません…
分からないのでその後一週間はBMSのバランス調整機能のみを利用して乗ってました。
そしてある時、ふと思って満タンの時にもう一度フル回生ブレーキを掛けてみたら…
BMSがピーピー鳴ってるではありませんか!遮断機能は切ってあるので以前のように給電停止する事はありません。
どうやら満タン近い時に回生ブレーキを強く掛けると、一瞬、バッテリーセルに掛かる電圧がリチウムの過充電圧域に入るようで、それをBMSが検知して給電停止命令を出すみたいです。
だけどそれが150Vを超えてると考えるのは難しい。。
つまり、
走行中に回生掛けるとBMSが若干の過電圧を検知して給電停止(切断)するとFETが死ぬ。
と言うわけです。
…
( ゚д゚)ハッ!
コレですよまさにソレがイケないんですよ!
原因はBMSが電源を切断する時に発生するサージ電圧!!!
特にインバーター回路を設計した時に案外見落とされがちなモーターからインバーターの入力側に戻されるサージ電圧!
銅線をグルグル巻いたコイルに電気を流すと磁力を作れます。
逆に電気を流すのを止めるとその場に残った磁力がもう電気が流れてないはずのコイルに電気を発生させてしまう性質があるんです。
しかも厄介な事に電圧が何倍、何十倍にもなったのが発生するんですよ。
(因みにDC/DC昇圧コンバーターや回生ブレーキはこの現象を利用してます)
コムス君はそのコイルの塊であるモーターで動いてるわけですから…
満タン回生ブレーキ
↓
BMSがセルの過充電(一瞬)を検知して遮断
↓
モーター回転中である為強いサージ電圧発生(150V超え)
↓
コムスのインバーター、メインリレー通過
↓
BMSのFETに到達。絶縁破壊
であると結論付けました。
汎用品のBMSと違い、コムスのインバーターはちゃんとサージ対策されてるので無問題。
しかしなんでこんな初歩的な事で躓いてるんだ自分…
それに有用な対策方法が思い付かないのでBMSのバランス調整だけ利用して保護機能は使わない事にしました。
走行中いきなり給電止められる可能性があるのも怖くなったので。
市販されてるEV達もBMSはバランス調整だけで電気の切断は機械式のメインリレーですしね。
チャンチャン♪
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コムス | 日記
Posted at
2020/08/15 02:16:38